The shocking soup of Virgin Marry / Fly or Die

The shocking soup of Virgin Marry ～華麗なる欲望～/Fly or Die

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1.The shocking soup of Virgin Marry ～華麗なる欲望～

テレビ番組「ゴッドタン」内の企画「芸人マジ歌選手権」から登場したV系バンド、Fly or Die。
マキタスポーツ扮するVo.ダークネスを中心とした5人組が、配信限定シングルにてメジャーデビューを果たしたとのこと。

芸人が結成したバンド。
それだけで抵抗がある人は多いでしょう。
この楽曲についても、内容は"カレー"の歌。
それを、V系っぽくまどろっこしい言い回しで表現しているという、ネタ色の強いナンバーです。

しかしながら、単なる歌詞のヘンテコさだけが、彼らの面白さではない。
なんというか、テレビの前の視聴者は、このネタを拾えるのだろうか？と心配になるほど、90年代の黎明期に登場したダーク系バンドを彷彿とさせるのです。
具体的に、何をオマージュしているというわけではないのだけれど、あの当時を知っていないとできなさそうな世界観の作り込み方。
下手したら、最近の懐古主義バンドを喰ってしまいかねないレベルですよ。

ものものしいSEに語りを重ねてスタート。
幻想的なアルペジオ、B級感のあるコーラスのシャウト、激しい部分ではエフェクトがかかるボーカル、テロテロしたギターソロ・・・
構成面で、ここまで王道を貫けるのは凄いなぁ。
Cメロでは、フワフワとしたファルセットになり、高音が厳しくなるところまで、あの頃のバンドあるあるです。

特に評価したいのは、ダークネスさんの歌い方。
この手のネタバンドは、hydeさんやRYUICHIさん、HAKUEIさんなどを意識した歌い方をしてしまうもの。
付け焼刃のV系バンドであれば、その辺でバレてしまうところなのですが、低音を効かせた歌唱法を意識していて、バブル期以前のバンドを知っている感じなのだよな。
パロディをするにしても、この時期をセレクトするとは、渋すぎる。
本人たちが、単純にその世代ってだけなのかもしれませんが。

垢抜けないヴィジュアルや、バンドロゴも、とてもそれっぽい。
月内には2ndシングルの配信リリース、2月にはワンマンライブも控えているとのこと。
どこまで本格的な活動を続けていくのかは未知数ですが、パッケージされたCDを出すくらいまでは期待したいですね。