No Sticks / 真矢

No Sticks/真矢

￥3,059

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1.How come?
2.Sunny-side up
3.地下水道
4.どんなに君を愛したか 僕は今でも覚えてる
5.子供を作ろう
6.A SONG
7.Trap
8.落下する太陽
9.最後のキスのし方
10.漂流者

LUNA SEAのドラマー、真矢さんのソロアルバム。
タイトルが示すとおり、ドラマーとしてのキャリアは封印し、ボーカリストに特化した作品に仕上がっています。

シングルである「落下する太陽」や、椎名へきるさんとのデュエットが話題になった「漂流者」のソロバージョンを含めた、全10曲。
シングルのカップリングも収録されているので、LUNA SEA活動休止中に行っていたソロ活動の集大成といったところなのかな。

なんと、プロデューサーは秋元康。
作詞・作曲は、外部から提供を受ける形態となっており、LUNA SEAのカラーはほとんどありません。
アダルティーな渋さを押し出した、J-POP作品として捉えるのが妥当でしょう。

バンドサウンドはあまり押し出されておらず、全体的に、大人びたムーディーな雰囲気。
こういうスタイルだと、ボーカリストの歌唱力がものを言う。
本職はドラマーである真矢さんが、その路線で行くと言うのだから、不安に感じるファンも多かったのかもしれません。

しかしながら、意外にも、というと失礼なのですが、なかなか良い声を持っていらっしゃる。
地声で歌うのではなく、きちんと歌声の作り方を把握していて、LUNA SEAメンバーとしては、河村隆一に次ぐ歌唱力を持っているのでは。
キーは高め、声は低め、という、非常に落ち着きのある声質が、真矢さんのキャラや楽曲の方向感とも重なって、違和感なく聴くことができました。

どうせだったら、「漂流者」は、デュエットバージョンで聴きたかったなとか、その流れで、椎名へきるさんとのコラボレーションを複数曲で試みてほしかったなとか、それぞれの欲求は出てくるものの、ひとつの作品としては、まとまっているのかと。
まぁ、V系バンドのメンバーとしてではなく、あくまで、J-POPアーティストとして売り出されているのがわかる作品ではありますので、LUNA SEAの延長線上を期待して聴くと、拍子抜けしてしまうのは間違いない。
その辺はご留意のうえで、ソロでしかできない別ジャンルへの挑戦作という意識で聴いてみるのが良いかしら。

それにしても、「子供を作ろう」ってタイトルは凄いなぁ。
"I LOVE YOU"に代わる言葉ということで、このタイトルになったようなのですが、直球すぎて戸惑うレベル。
これが許されてしまうのも、真矢さんの家庭的なキャラがあってこそですな。