闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア / D | 安眠妨害水族館

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闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア(初回)(DVD付)/D
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1. 闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア
2. Gate to the sky

諸君、インパクトとは、こういうことだ。
2005年にリリースした、Dの衝撃的なシングル。

初回盤は2曲+DVD、通常盤はCDのみでタイトル曲のカラオケバージョンを収録。
トールサイズジャケットという見た目上の工夫も、当時としては新鮮でしたね。

さて、何においても、「闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア」。
タイトルが長いよ、と注目を集めたうえに、内容もそれに負けない濃厚なもの。
ASAGIさんが詞と曲を担当しているメタル風のナンバーで、"オペラ座の怪人"にインスパイアされたとのことです。
「オペラ座~」はBメロのシャウト部分で、オマージュが見られますね。
あの有名なフレーズにシャウトを重ねた構成になっています。

導入の声をいくつか重ねたアカペラや、サビの歌い方などにオペラチックな雰囲気が漂う。
そして、この楽曲の話題を掻っ攫ったのは、"やりすぎ"の声も多い、サビでのファルセット。
これが、とにかく凄まじい。
高音に高音を重ねて、どこまで高くなるんだ!という驚きのフレーズ。
サビの入りと、サビの終わりとで、1オクターブ以上もキーが違うほどですよ。
好き嫌いは別として、一聴の価値あり。

カップリングである「Gate to the sky」は、Ruizaさん作曲の、王道的な構成のナンバー。
タイトル曲にインパクトがありすぎるので、印象に残らないのは不遇としか言いようがない。
無難に良い曲だと思うのですけどね。
この曲が安定していることで、Dの王道の部分もしっかりと認められたわけで、必要以上にネタ色だけが一人歩きしなかった影の功労者。
こういう楽曲だと、歌い癖がラルクっぽいのは、ご愛嬌なのです。

既に人気のあるバンドではありましたが、この曲で話題性を作ったことにより、耽美メタルを好む層以外にも、広くアピールするきっかけとなったのは間違いない。
一度聴いたら耳から離れない爆発力。
シングルとしては、理想の構成だったのではないでしょうか。

<過去のDに関するレビュー>
名もなき森の夢語り
Alice
Paradox