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1.13月になれば君に贈りたい物があるんだ
2.花火大会
3.死神
orivia、SKULL、kannivalismのメンバーが集まって結成されたk@mikazeの2ndシングル。
この段階で、メイクはほとんど薄くなっており、随分とパンクバンド然となりましたな。
時代に先駆けて、ミクスチャーを取り入れた音楽性で衝撃を与えていた彼ら。
しかしながら、本作では、自由度が高かった1stシングルに比べて、Vo.KIZUKIさんが所属していたoriviaを連想させる歌モノ要素が強まった印象です。
リードトラックである「13月になれば君に贈りたい物があるんだ」は、アコースティックギターからはじまる、ミディアムナンバー。
全体的な歌詞はストレートでわかりやすいのだけれど、"13月"というワーディングを、どう捉えるかで解釈は変わってきそうです。
高音に歌いきれてない部分があるのがネックではありますが、切なさとあたたかさが同居した等身大の歌が胸を打つ。
単純にポップなだけでなく、哀愁も含んでいるので、耳に良く馴染みますな。
途中からテンポアップして、パンキッシュなスタイルを強めていくのも面白い。
続く、「花火大会」は、疾走感があるパンクチューン。
スピーディーに駆け抜ける中に、どこかノスタルジックな空気感があるのが、ツボを突く。
Bメロで低音で抑え目に歌いつつ、サビで一気に盛り上がるところなどは鳥肌モノです。
声の細さを、ネックではなく、強みにしてしまうような切なさ。
ブレイクから、ラストシーンに向かっていき、余韻を持たせてアウトロに・・・
これは、名曲と呼んでしまっても過言ではないでしょう。
そのくらい、好きな1曲。
「死神」は、ある意味、もっとも彼ららしさがあると言えるでしょうか。
ノリを求めたミクスチャー色が強い楽曲です。
パンキッシュな演奏に、意味があるのかないのか、ナンセンスな言葉の応酬。
サビでこそポップに開けるものの、ほとんど勢いで押すような攻撃性を持っています。
掛け合いもあって、ギターはアドリブでも色々遊べそうだな。
3曲とも、タイプはまったく違うけれど、それぞれに聴きごたえあり。
実は本作、隠れた名盤なのです。
メンバーが相次いで脱退してしまい、短命で終わってしまったのが悔やまれる。
当時は、ヴィジュアル系のサウンドではないと言われていた彼らですが、改めて聴いてみると、最近のV系バンドと並べても、そこまで違和感はなかったりするわけで。
この作品のリリースから10年経って、彼らのセンスに時代が追いついたということなのかね。
<過去のk@mikazeに関するレビュー>
野球が殺した。