安眠妨害水族館的 2012年上半期CD大賞 ~ミニアルバム編~ | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

さぁ、シングルに続いてはミニアルバム編。
フルアルバムと、ミニアルバムでは、多少、求められるものやハードルも違ってきますので、当館では別物として扱っております。
アルバムやシングルに比べて、リリース量も限定的。
だからか、意外なところがランクインしてきたりするから面白かったりするのです。



第5位
謝罪盤/オトガデッド
¥1,000
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サブカルミクスチャーロックをコンセプトに掲げた彼ら。
ヴィジュアル界のRADWIMPSを目指したような音楽性にシフトしてきました。
しかしながら、それが従来から持っているアダルティな世界観とマッチして、なかなか面白く融合しているのが本作。
1000円というロープライスも、魅力的でしたね。



第4位
SEAPARADISEの秘宝 【通常盤】/Mix Speaker’s Inc.
¥2,100
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ぶっとんだ衣装は相変わらずの、Mix Speaker’s Inc. が4位。
海賊をテーマにした、冒険活劇的なストーリーテリングには、少年心が蘇り、ワクワクしてしまいました。
楽曲についても、王道でベタなアプローチをベースに置きながら、全員で踊るのが前提のナンバーや、現代風のキラキラサウンドを持って来たり、広い世代に受け入れられる大衆性を見せている。
先入観さえ持たなければ、クオリティの高さは申し分ありません。



新人賞
Infitium/GALEYD
¥2,100
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ポストDELUHIに名乗りを上げたGALEYD。
個性としては、まだこれからといったところですが、スキルや完成度は、申し分ありません。
ボーカルさんが、この手のラウド・ミクスチャー的なジャンルに、どこまで馴染めるかが今後の飛躍のポイント。
ポップでキャッチーな楽曲にも対応できる部分は、強みになりそうです。
PLUNKLOCKや、コドモドラゴンと迷いましたが、安定感を評価して、こちらを新人賞に。



第3位
新宿/カメレオ
¥2,100
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ノリは軽いキラキラ系。
だけど、しっかりとしたコンセプトが練り込まれている新感覚な世界観。
90年代のヴィジュアル系が、文学的に優れた長編小説だとしたら、このバンドは、ライトノベルのような空気を作り出している。
リリースペースも含めて、久々に活きのいいバンドが登場しましたね。
ネタっぽさもある歌詞も面白いです。



第2位

 

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公式には、ワンコインシングルという位置づけではあるのですが、ボリューム的にはミニアルバムとして評価するのが妥当かと思いましたので、こちらにランクインとさせていただきます。
とにかく、客観的な描写なのに、人の心理を抉り出すような作風は、痛快すぎて泣けてくる。
ピコピコサウンドを基調としながらも、表情豊かに聴こえるサウンドも含めて、すべてにツボを突かれてしまった。
これで500円。
水増しテクニックを駆使して、実質4曲だけど、アルバムだから2,500円!みたいな売り方をするバンドは見習うべき。



第1位
殺し屋ミルクちゃん/SEX-ANDROID
¥2,400
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パンキッシュな部分を凝縮させたコンセプト作品が1位。
彼らの音楽については、哀愁ナンバーのほうが好きだったりするのですけれど、本作は、手放しで格好良いと思いました。
特に、「バースデー」のインパクトは抜群。
シンプルな青春パンクに、雄大さんの捻くれてるけど温かい歌詞がハマっていて、攻撃的だけど、深みのあるアルバムに仕上がったのは、この楽曲があったからこそ。
全体的なバランスも絶妙。
キラーチューンを軸に、流れよく、歯切れよく、勢いを見せた一枚です。



ミニアルバム部門は、若手とベテランが、バランス良く選ばれたかな。
作為的ではありませんが、安定感や総合力が求められるフルアルバムと、勢いや衝動性が求められるシングルの中間にある、ミニアルバムだからこその面白さが表れていると言えるでしょうか。

次点は、AUBEの「ケミカルサーカス」。
こちらも、キャリアのあるメンバーの新バンドという意味では、勢いも安定感もあり、ミニアルバムのお手本的な作品でした。
LuLuの「改体新書」は、個人的には好きだったけれど、相対的には劣ってしまうか。
NOCTURNAL BLOODLUSTの「Ivy」も、クオリティが高かったのだけれど、趣味趣向の観点から、選びきれませんでした。

ちなみに、このランキング、基本的な縛りとして、誰でも買えることを前提に、流通作品のみを対象としています。
しかしながら、店舗限定の流通作品がある一方、通信販売でも購入可能な会場限定盤もあったりして、この基準が適切かは、見直さないといけないかもなぁ。
DIMMDIVISION.の「A Day In The PanoraMagic.」が、その一例。
時代が変われば、流通形態も変わる。
良いアイディアがあれば、ご意見くださいまし。