- AIONISM/AION
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1.LAUNCHI GAME
2.BE AFRAID
3.CHILD
4.COLD BLOOD
5.DISARRY
6.PETERⅢ
7.S・S・S
8.鎖と雨
9.CAUTION
10.POPULAR SONG
11.MY PLACE
12.致命傷
自らの音楽性を、デスラッシュバウンドと称し、独自のメタルサウンドを展開していたAION。
このバンド、1983年に結成とのことなので、僕と同い年なんですね。
一度、解散しているものの、後に復活しています。
本作は、メジャー進出後の1991年に発売されたフルアルバム。
見た目や音楽性に近いところがあるからか、ポストXとして期待されていた部分もあったようですね。
全体的には、アグレッシブなメタルサウンド。
鋭く尖ったギターのフレーズに、Vo.NOVさんのハイトーンかつハスキーなボーカルが重なって、昂揚感を生み出します。
ジャパメタ畑から出てきたバンドながら、ときおり、ポジティブパンク的な要素も織り込まれていて、まさに、おいしいところ取りといったところ。
演奏の安定感もさることながら、個性もしっかり立っていて、古臭い音楽と言わざるを得ないものの、それでも十分に聴ける面白さが感じられる。
1曲目、「LAUNCHI GAME」の破天荒なスタイルから、度肝を抜かれた。
サイバーな印象のジャケット、硬派なメタルバンドというイメージ、そこから想像していたどの音楽とも違っていました。
メロディを歌うというよりは、がなり立てるような音の取り方で、日本語パンク的なノリにも通じる荒々しさ。
力強く、男らしく、激しいナンバーの中にあって、このボーカルラインが、なんだかとても親しみやすいのです。
もっとテクニック重視を想定していたら、案外、キャッチーだったことにびっくり。
「CHILD」や、「POPULAR SONG」のような、ベタな明るさのある楽曲も多く、そのうえで激しいから、気持ちが良いです。
また、そういうポップさすらある楽曲であっても、さらっと速弾きフレーズを混ぜていたりするから、侮れない。
スラッシュ系の楽曲が中心ながら、インストである「PETERⅢ」や、世界観重視の「鎖と雨」など、アクセントとして、静の一面も見せており、幅の広さはうかがえる。
「LAUNCHI GAME」同様に破天荒さを前面に押し出した「MY PLACE」も、不思議な空気を持っています。
まぁ、せっかくスキルのあるバンドなのだから、もうちょっと楽器隊が目立つ場面があってもよかったかもしれませんけどね。
好きな曲は、勢いを感じられる「S・S・S」や、「致命傷」かな。
メジャーに出たことによって、ポップさは増しているのかと思いますが、それを本格派メタルに上手くはめ込んでいて、格好良さが削ぎ落とされていない。
ほどよくハード、ほどよくキャッチー。
がっつりメタラーじゃない僕にとっては、なかなか絶妙のバランスでした。