- DUNE/L'Arc~en~Ciel
- ¥2,772
- Amazon.co.jp
1. Shutting from the sky
2. Voice
3. Taste of love
4. Entichers
5. Floods of tears
6. Dune
7. Be destined
8. 追憶の情景
9. As if in a dream
10. 失われた眺め
11. Floods of tears (single version)
12. 夜想花
13. 予感
レビュー大会のラストは、L'Arc~en~Ciel。
インディーズ時代に発表した「DUNE」に、入手困難なシングル「Floods of tears」の収録曲、雑誌特典のオムニバスに収録されたのみであった幻の名曲「予感」を追加してリリースされた復刻版です。
アートワークも変更されて幻想的な雰囲気が増しましたし、全曲デジタル・リマスタリング仕様により、現代の音質で聴くことができる点でも、ポイントが高い。
オリジナル盤の発売が1993年。
後のV系シーンに衝撃を与えた名盤が、10年の歳月を経て蘇る。
ニュースを聞いただけでもワクワクが止まりませんでしたが、その洗練された音を聴いてみて、更に感動したのを覚えています。
少しこもったようなインディーズ感も、それはそれで大切な味付けではあるのだけれど、これを聴いてしまったら納得せざるを得ません。
初期ラルクの代名詞である、幻想的なサウンドが、真っ白な闇を作り上げる。
攻撃性だけがヴィジュアル系じゃない。
様式的でありながら、優しさ、脆さ、憂い・・・そういった繊細な感情を、叙情的に歌い上げられる楽曲たちは、白系と呼ばれるジャンルの祖と称されるだけあって、当時から完成されたクオリティを誇っています。
もう、「Shutting from the sky」からヤラれました。
透明感があるのだけれど、ダークな雰囲気も持っていて、ときに儚く、ときに強く、表情を変えていく。
テクニックを詰め込むわけではなく、印象的に空気を染めるギターのフレーズがとても好きですね。
一方で、ベースラインは全体的にマニアックで、バランスが良い。
この辺の魅力は、リマスタリングバージョンだからこそ、より際立つところでもありますね。
続く「Voice」で、昂揚感を出したら、後はお気に召すがままに。
もう、どっぷりと世界観に浸かっていくしかありません。
「Entichers」のようなアダルティな曲も、アクセントとして効いていますね。
エロティックなhydeさんの歌い方が、妙にハマっていて、若いころから、既に圧倒的な妖艶さを兼ね揃えていたことを物語ってる。
確かに、メジャー後の作品と比べると、キャッチーさには欠けるかもしれません。
しかし、それを補って上回る、徹底された白さ。
今にも途切れそうな、切ない歌声や、ときに壮大に、ときに緻密に空間を作り上げる演奏が、とにかく美しいのです。
特に好きなのは、代表曲である「As if in a dream」。
初期ラルクの集大成とでも言うべき、幻想的で、神秘的で、どこかノスタルジックなサウンドと、最初から最後まで流れていくようなメロディが、本当にツボでたまらない。
自然な進行の中で、いつの間にか淡々としていた曲が、壮大な曲になっているところも、彼らだからこそできるマジック。
余談ですが、ラニバでこれを聴けたときは、感動で鳥肌が立ちました。
「Floods of tears (single version)」と、「夜想花」は、1992年のシングルから。
歌詞が変わっていたり、アルバムバージョンとの聴き比べも面白いです。
「夜想花」は、ひたすらダークネスを貫いていて、ゴシック仕様の彼らが聴ける貴重な1曲。
ちなみに、ラルクのドラムは、yukihiro派か、sakura派かなんて議論が、よく起こっていますけれど、この頃のドラムはperoさん。
バンドに歴史あり、ですね。
そして、ラストを飾るのが、「予感」。
これ、レア曲のままにしておくのがもったいないくらいの名曲なので、白系好きは絶対に聴いてほしい。
世界観はそのままに、疾走感やロックテイストが強調されていて、hydeさんの透明感のあるボーカルとのコントラストが鮮やか。
復刻版に収録されたことで、カラオケで歌えるようになったのも、嬉しい限りです(笑)
今更のレビューではありましたが、V系を語るうえで、避けて通れない名盤。
オリジナル盤を持っていなければ、間違いなく買い。
持っていても、「予感」を聴いたことがなければ、当然買い。
聴いたことがあっても、音質が鳥肌レベルで向上しているので、やっぱり買いという奇跡の一枚なのです。
<過去のL'Arc~en~Cielに関するレビュー>