定食屋も個性派の時代 | 安眠妨害水族館

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飲食店で重視するのは味?値段?雰囲気?人? ブログネタ:飲食店で重視するのは味?値段?雰囲気?人? 参加中


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今日のテーマは、「飲食店で何を重視するか?」
うーん、断言するのは難しいですね。
当然ながら、用途によって場合分けが必要かと思います。

例えば、ライブの帰りに、ライブ仲間と打ち上げとして立ち寄る居酒屋。
みんなでワイワイすることと、ジャンル的に女性の比率が高いことを考えれば、お洒落だけれど、ある程度盛り上がっても怒られない、絶妙なバランスでのチョイスが求められます。
個室であればベストですが、冬場だと、ブーツを脱がなくても入れるテーブル席であることも、幹事となったときに気を使わなければいけないポイントですね。

これが、一人で見に行ったライブだったら、小腹が満たせる安い定食屋でいいでしょうし、気心の知れたバンギャ男友達とライブの感想を語ろうと思えば、お酒が進むおいしいおつまみを出してくれるところが理想。
仲良くなったバンギャルを落とそうと考えるなら、初期ラルクばりの雰囲気重視なお店を、高田馬場、池袋、新宿、渋谷あたりで押さえておきたいところです。

まぁ、せっかくライブで楽しんだ後なんだから、できる限り想い出作りがしたいと考えるのは、必然。
その他のポイントも及第点であることが前提ではありますが、どうせだったら、印象深い個性派のお店に行きたいもの。
僕だったら、店内が水族館チックになっているお洒落居酒屋は、このblogの設定的になんとなく気になってしまいます(笑)


個性的な飲食店といえば、昔、板橋のほうに住んでいたときに、こんなエピソードがあったので、いつものとおり、リメイクしてみます。


当時、アルバイトもしていない学生だった僕は、お昼ご飯をどこで食べるか彷徨っていました。
貧乏学生御用達の定職チェーン店や、近所のラーメン屋の味は既に飽きてしまっていたので、いつもとは違う、地場の定食屋で、穴場を探そうと考えていたのです。

下宿先のアパートから、ラーメン屋の裏の排気口からうだるような熱風が噴き出している裏道を抜けて、駅のほうに向かって歩いていく。
その途中で、一見の定食屋さんを見かけました。
見た目は、いかにも親の代から家族で営業していますと主張した、いたって普通の定食屋さん。
特に、目を惹くものはないはずなのですが、なぜか、そこに入らなければいけないという運命的なものを感じた僕は、気付くとその古びた暖簾をくぐっていました。


「いらっしゃ~い」


くたびれた暖簾とは裏腹に、ノリの良さそうな声が響く。
乾いた喉に、冷や水を流し込むと、メニューに目を移します。
当然ながら、そこには「オムライス」や、「ナポリタン」など、見慣れた名前。
どこにも違和感がない、誰にでも思い描ける光景でしょう。


しかし、異質なものは突然にやってくるもので。
厨房のほうから、「YO! YO!」と叫ぶ声がしてくるのです。
いい歳した店主が、急にヒップホップに目覚めて、おかしなコンセプトを持ち込んでしまったのか、それとも、厨房で流れているラジオか有線に合わせて、テンションが上がって思わず一緒に歌ってしまったのか。
その横では、それに合わせて、あっちにこっちにへと移動する店員さん。
それはまるで、音に反応して体を動かす「フラワーロック」さながらでした。


一方で、周りのお客さんは平然と食事を進めています。
どう考えてもヘンテコなこの風景を、この食堂では当たり前のこととして受け入れられているので、僕のほうがおかしくなってしまったような気さえしてしまう。
僕が知らないだけで、実は有名な個性派定食屋だったりするのでしょうか?

店員はまだ新入りなのか、呼びかけに答えるのが精一杯で、余裕がないようにも見えました。
喋りのアクセントから、アジア系の外国人だと思われる彼女は、僕から見た唯一の「リアリティ」だったのかもしれません。
相変わらず店内には、中年男性の「YO! YO!」という掛け声がこだまし続けています。




そして、頼んだチャーハンセットをその女性店員が不安そうに持ってきたとき、僕は全てを悟りました。
なぜなら、彼女の胸元には、彼女が生まれながらに所有していたであろう・・・








という名前が記されていたのだから。










味は、これまたびっくりするくらい普通でした。