Vision / wyse | 安眠妨害水族館

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Vision/wyse
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1.Vision

2.最果てで燃やせ


待望の復活を遂げたwyseの、会場限定シングル。

ファンクラブの復活も決まって、定期的な活動をしていくということなのでしょうかね。


このバンド、散直前は、大文字表記のWYSEとなり、メンバーも本名での活動となっていましたが、本作では、小文字表記で、メンバー名も、月森、MORI、HIRO、TAKUMAのステージネームでの復活となっており、ファンとしては嬉しい限り。

それだけ、初期衝動を詰め込んだ、という勝負をかけた一枚になっているように思います。


リードトラック「Vision」は、TAKUMAさんが作曲を手掛けた王道ナンバー。

マイナーコードで進行する、疾走感のあるR&Rで、刹那的、衝動的という言葉が良く似合う。

3分弱という、シンプルさが、曲のインパクトを高めています。

サビのキャッチーさは相変わらずで、一度聴いたら忘れないとっつきやすさがあり、そこに、ツインボーカルを最大限に活かす、畳み掛けるような掛け合い風のメロディを乗せる。

これぞTAKUMA。これぞwyse。

雰囲気としては、「Beat」くらいの感覚に近いのかなぁ。


カップリングは、MORIさん作曲の「最果てで燃やせ」。

こちらは、3分に満たない、表題曲以上に潔い作風。

正直、wyseのライブ感を求めるハードチューンについては、あまり差異を感じず、そんなに惹かれないのですが、この曲については例外。

ハードさの中にも、とてもメロディセンスが光っていて、全体的な荒々しさに月森さんのボーカルラインが埋もれていません。

wyseの持ち味であるメロディアスさを残しつつ、ライブを盛り上げようとするハイテンションな演奏が表現されていて、聴きやすくもあり、硬派でもあり。


1曲目、2曲目ともに、wyseの2大コンポーザーの良さをフルに発揮したな、という完成度。

変わっていないな、という安心感があり、もともとのファンにとって嬉しいのはもちろん、意外と現代のシーンにも馴染むようなアレンジになっていて、新たに聴き始めるという人にも、違和感なく理解できるCDでしょう。


あとは、このバンドにもっとも求められている要素、「切なさ」を表現する楽曲が、新たにできてくれば、完全復活といったところか。

今後、更に音源を出すという計画があるのかどうか、可能性は未知数ですが、TAKUMAさんの紡ぐ、胸を締め付けるような曲を、また月森さんの声で聴きたい。

青春の甘酸っぱさを見せつけて、泣かせてほしい。


出来上がった音源が、やっつけ仕事であったら、こんなことは思わないのですが、ここまでの作品を作ってしまったのだったら、できるところまで、とことんやってもらいたいです。

ライブテイクが追加収録された通販盤も発表されるみたいですね。

wyseが青春だった方にはおススメの一枚。


<過去のwyseに関するレビュー>

Beat

With...