V系以外のCD紹介 その4 | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

昨日、Screaming Frogsのライブに行ってしまったがために、聴きたい音楽が、青春時代に戻ってしまっています。

ex-Hysteric BlueのTamaちゃん、たくやさんの在籍しているバンドですよ。

Hysteric Blue時代の曲もしっかり演ってくれて、感無量。

レポは、もう少し冷静になってから書きたいと思いますが、すぐV系レビュアーの耳に戻してしまうのも、もったいないというか、寂しいというか、余韻に浸っていたい気持ちがありますので、久々にこのコーナーを引っ張り出してみました。


もともとは、V系リスナーにもおススメできるJ-ROCK、J-POPのアーティストを紹介するよって企画だったのですが、今回は、そういう縛りを無視して、10代の頃に好きだったアーティストを並べていこうかと。

まぁ、僕のルーツってところですね。番外編みたいな感覚でお読みいただければ幸い。

明日から、きちんと通常更新に戻りますので。



WALLABY/Hysteric Blue
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この流れで、紹介しないはずがありませんね。

Hysteric Blueの2ndアルバム。

個人的に、一番の名盤は、ラストアルバムの「JUNCTION」なのですが、今回の趣旨から行くと、もっとも聴きこんだこれかな。

10代の元気なバンド、JAMのフォロワーといった印象が強い彼らですが、この作品を機に、大人になったようなイメージ。

ただ可愛いだけの曲をやらなくなって、多少難解なナンバーも増えていきますが、メロディのキャッチーさと、歌詞の深みが良い塩梅に合わさっている。

ヒットシングルも入っているし、とっつきやすさはあるでしょうね。

このバンドが一発屋だといって、2nd以降を聴いていない人は、損をしているとさえ思っています。

アッパーチューンもあれば、しんみりする楽曲もあって、それぞれハイクオリティ。

ギターのフレーズなんて、10代後半~20歳という時期に作ったとは思えない凝り様で、これはおススメ。



Sweet&Bitter/CURIO
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人生で初めて、お金を払ってライブに行ったのがCURIOでした。

V系や、ロキノン系のバンドばかりを聴いていると、ポップであることは悪なんじゃないかと思ってくるときがある。

しかし、それが真かと問われれば、「否」。

大衆娯楽となった音楽が、ポップであって何が悪い。みんなで楽しんでナンボじゃないか。

とにかくポップを貫いたCURIO。

コンポーザーのAJAさんが脱退してからは、R&R路線になったりもしましたが、このアルバムのPOP'n ROLL具合は突き抜けている。

「君に触れるだけで」、「粉雪」とスマッシュヒットナンバーも擁していますが、それ以外の曲だって、キャッチーの王道。

単純に爽快。NOBさんのハスキーな高音の伸びも気持ちが良い。

次作の「PAWKY」も、そのうえで切なさも出てきて、こちらも好きな一枚です。



sweet memory~エレカシ青春セレクション~/エレファントカシマシ
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今もなお、現役で活動中のロックンロールバンド、エレファントカシマシ。

素朴な日本語の歌詞に、骨太がサウンドが重なる、正統派のロックが渋くて、格好良い、

彼らは、攻撃的な激しい曲も多いのですけれど、個人的には、エレカシの作る青春ソングが大好きでした。

リアルタイムの青春ソングもたくさん聴いていたけれど、大人の目線から語りかける青春の甘酸っぱさ、ひたむきさ、人間なんて不完全だけど、明日も頑張ろうぜっていうメッセージが、いかに説得力があるか。

このバンドに関しては、聴いていた10代の頃よりも、20代後半に差し掛かってしまった今聴いたほうが沁みたりもするね。

「明日に向かって走れ-月夜の歌-」をとにかく聴きこんだのですけれど、その後、青春をテーマにした曲ばかりをセレクトしたベスト盤が出ているので、そちらをご紹介。

ボリュームたっぷりで、聴きごたえがあります。

最近のアルバムは追えていないのだけれど、ちょっとCD屋に走ってみようかしら。



卒業アルバム/ガガガSP
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エレカシが大人の目線から語りかける青春ならば、ガガガSPは、等身大の青春を叫んだ代表格。

青春パンク全盛期は、大学生になっていた気もするのですが、高校卒業間際にタイムリーで聴いた「卒業」に衝撃を受けました。

(男子校だったので、歌詞にあるような甘酸っぱい青春は送っていないにも関わらず)

現在の昭和歌謡系好きにもつながるのですが、フォークをバンドアレンジにする試みって音楽的にも好きで、それにあのパワーのある歌詞がぶつかってくるのだから、ダブルインパクト。

歌も演奏も下手糞だけど、伝えたいメッセージはブレない。

音楽は見た目や演奏力じゃないということを、暑苦しさで体現しているバンドです。

シャウトでもラップでもなく、ただ言いたいことをまくしたてるという手法を持ち込む斬新さもあって、ブームの火付け役になりましたよね。

彼ら、10年経った今でも、変わらぬ音楽性を貫いています。

残念なのは、僕が大人になってしまって、昔ほど歌詞に引き込まれることがなくなったこと。

バンドが変わってしまうことはよくあることだけど、こういうケースって珍しいかも。
まぁ、そういう意味では、最近のアルバムでも、当時のテンションで聴くことができます。



A Song for ××/浜崎あゆみ
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同世代の人に「あゆは好き?」と聞くと、反応はまちまち。

だけど、「『A Song for ××』は好き?」と聞くと、8割がた「好き」と返ってくる気がします。

あゆの1stアルバムにして、最高の名盤。
こんな作品を持ってこられたら、そりゃ今の歌姫としての地位も納得ですよ。

当初はアイドルライクなアーティストだったものの、わかりやすい前向きソングを歌うのではなく、ずっしりと響く歌詞の重さ、痛さ、そういった領域に踏み込んだところで、その他女性歌手とは一線を画していました。

この作品以降、J-POPシーンにおいても、歌詞に重きを置く傾向が増えてきましたよね。

ダンサブルでアッパーなナンバーでさえ、メッセージ性が強く、音楽面、歌詞面、どちらをとってもハズレがない。

ここまで影響力を持ってしまうと、うかつなことも言えなくなるし、ファッションリーダー的な側面も出てきて、ケバケバしさが増し、この頃のピュアさだったり、青春時代の葛藤を浮き彫りにした作風が、その後、薄れてしまったのは残念。

もちろん、今の作風にも、相応に良さがあるのは理解しますが、とにかくこの作品が群を抜いて素晴らしすぎるのです。



中高生時代に聴いていたCDの紹介って、企画としては随分前から考えていたのですが、自己満足以外の何物でもないので、実行に移せませんでした。

案の定、自己満ですね(笑)


ちなみに、V系に興味を持ったのも中学生の頃なので、これらのアーティストと並行して聴き続けていました。

中高生らしく、ブームをなぞりながらも、バンドサウンドがベースになっていて、R&BやHIP HOPには、あまり寄り道はしていないことから、好みの輪郭としては、当初から変わっていないのかもしれません。


ライブレポを除けば、V系以外の話題は極小化していくのが、このblogの方針なのですけれど、ジャンル外のアーティストが名盤をリリースしたときに、その興奮を吐き出せないって、レビュアーとしてはストレスなんですよね。

メイクをしているか、していないかで縛りをつけるのはナンセンスだという意見はごもっともなんですが、読者視点から考えれば、統一感があったほうが読みやすいというのが実態ですし。


そんな中で、こういう企画は楽しみながらできました。ガス抜き企画(笑)

実質、5本分のレビューを書いているわけですが、スラスラ書けるから、普段のレビューよりも、時間はかかっていないです。

V系記事を期待していた皆様には申し訳ないのですが、たまには、こんな記事も許容してくださいませ。


<過去のV系以外のCD紹介>

その1

その2

その3