トーマスと、As If in the darknessのカップリングツアー「激情の黙示録」での企画、スタンプラリーにおいて、スタンプを4つ以上集めると、後日発送されたカップリングCD。
それぞれ、お互いの曲をカバーし合うという試みは面白いですね。
マイナーバンドがマイナーバンドをカバーなんて、あまり前例がないのではないでしょうか。
ジャケットや歌詞カードは一切なく、白いCDRが1枚だけ。
なぜか2枚組仕様のDVDケースに入っていました。
収録曲も含めて何も記載がなく、やや不親切。
カップリングツアーに通うくらいだから、どちらも知ってるだろ、ということなのかな。
そういう意味では、本当にお互いの曲をカバーしているのかはよくわからない。
セッション編成だったら、さすがにボーカル以外は判別できませんので。
1.Liberation / トーマス
前半は雰囲気モノとして進んで、サビで開けた展開になる、最近流行のラウド・ミクスチャーといった楽曲。
As If in the darknessのネックであったメロディ部分での歌唱についても、昌孝さんが歌うことで、だいぶ安定して聴こえます。
ラストでは、珍しいシャウトも聴くことができますね。
さすがにそこまで作りこむことはできなかったのか、お得意の電子音の打ち込みは使用せず。
完全に4人の奏でる音だけで構成しているのですが、こういうアルペジオでのリフが多い曲だと、音の薄さが目立ってしまうかな。
ライブならともかく、音源だったら、もう一本重ねてみてもいいじゃんと思うのだけれど、きっとトシさんはこういう音のバランスが好き、またはこだわりなんでしょうね。
オリジナルもこんな塩梅だし。
全体的なまとまりはしっかりあったかと。2.ブランコ / As If in the darkness
こちらは、トーマスが使用している電子音からのスタート。
バンド演奏が入ってからは、ガシガシ重厚な入ってくるから面白いです。
トーマスの楽曲は、こういうラウドな雰囲気にも合いますね。
構成はほとんど変わっていないのだけれど、ちょっと重くなったことで、印象が変わる。
ミディアムテンポながら、激しさのある曲なので、ヘビィさが増すと、確かに格好良くなるもんだ。
ただ、やはりメロディ部分でのピッチが安定しておらず、弱さが目立ってしまうかな。
また、ラウド感を重視しているため、ハネるようなグルーヴ感が薄れてしまっているけれど、それは一長一短。
好みによって、どちらに軍配が上がるかは割れそうです。
総合的に、歌唱力や全体的なまとまりでいったらトーマス、音の厚み、迫力でいったらAs If in the darknessの勝ち。
どちらも、お互いの代表曲に挑戦しましたが、楽曲に負けることなく、それぞれの良さを出せていますね。
もっと、ぐちゃぐちゃに原曲を壊して、完全に自分たちの色に染めたアレンジにしてしまっても面白かったのですが、そこまでの製作期間と資金はなかったでしょうか。
デジタル色の強いアズイフの曲、シンプルラウドなトーマスの曲も聴きたかった。
こういう企画、もっと増えると良いですね。
ただ、スタンプラリー形式は、社会人にはきつかった。
もっと手に入りやすい企画をお願いしたいところです。