1. 扉
2. 無口に腐乱・・・
3. Malice -序曲の舞-
4. 狂いかけた白夜
5. 砂に、還える少女へ
6. Fin -幻想の森-
7. 逢魔が刻
8. ×××SEXED
9. Ma-Ma
10. 「爛人」と「神」
11. ジレンマ
DIE-QUARによるフルアルバム。
1993年にリリースされた作品です。
暗黒系の祖とでも言いましょうか。
まだヴィジュアル系がヴィジュアル系として洗練される前の時代に、ここまで徹底した真っ黒い音楽をやっていたバンドがいるなんて!と、聴いた当時は、ただただ衝撃を受けた1枚。
11曲、どれもが暗く這いずり回るようなドロドロとした粘度を持つ楽曲ばかりで、メロディにも構成にも、あえて起伏を作らず、ゴシックに展開。
サビで開けることなく、キャッチーに盛り上げることもなく、淡々と猟奇的な世界観を演じているのですよ。
ヴォーカリゼーションについては、高音の苦しさや音程が怪しい部分もあり。
だけど、それがどうしたと言わんばかりに無表情で突き放すスタイルも相まって、それすら気持ち悪さの演出として昇華してしまっていました。
ベースやドラムも、淡々とリズムを刻むことに徹している印象。
無表情な音楽性で統一したサウンドにおいて、突如として挿入されるシンセのサウンドが際立つ相乗効果になっています。
ツインギターのフレーズの織り込み方にも、試行錯誤の跡が見えますね。
現代の音楽に聴き慣れてしまっていると、音質的には物足りなさがあるのは事実。
アプローチも旧時代のものがベースになっているので、陳腐化してしまっている部分がないとも言えません。
しかし、それでも忘れ去られず、コア層の中で語り継がれるバンドとして存在しているのは、彼らの音楽がそれだけ個性的であったということ。
ダウナー、病的、ドロドロ、グロテスク・・・この辺のキーワードにピンとくれば、その源流に触れてみるのも一興でしょう。