Missa / L’eprica | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Missa/L’eprica
¥2,100
Amazon.co.jp


1. FALL ~prologue~

2. Ruin

3. glossy

4. Arch

5. 深海 ~calm sea~

6. Draw Pain

7. follow a dark road

8. rubble


blogをやっていて良かったな、と思うのは、自分と趣味が似てますよって人から、僕がツボりそうなバンドを紹介してもらえることです。

この昨年発売されたレプリカの1stアルバムも、たいへん多くの小魚さまからおススメしていただきました。

そして、まんまとハマっております。


ひとことで言えば、名古屋系のラルク。

1曲目のインストが、シンフォニックメタルを彷彿とさせるものであったり、全体的にラウドさ、ヘヴィさも盛り込んできたりと、近年の流行もうまく取り入れてはいますが、聴くべきところはメロディでしょ、と言わんばかりの繊細さが、美しく、儚い。

間違いなく、暗黒系と呼ばれる界隈に所属しながら、白系に通じる幻想的で、浮遊感のある楽曲は、耳に良く馴染むのです。


ノリの良い曲、派手な曲は見られない。

ところどころで疾走感を大事にした曲もありますが、基本的にはミディアムテンポで、雰囲気を大事にする構成。

だけど、その徹底された世界観、王道のV系的なメロディアスさは圧巻で、退屈さはまったく感じさせません。

「Arch」みたいな歌謡曲的な歌モノもしっかり挟んでいたり、マンネリ的な印象も受けないのは高ポイント。

シンプルに、無駄がなく、それでいて、しっかりインパクトのある作品を作り上げましたね。


この手のバンドは、重厚で低音がドコドコ叫んでいる曲を好む傾向がありますが、彼らの特徴として、音をあえて浮かすような、薄めのアレンジで空間を演出する手法がある。

これも、ラルクっぽいなと感じる要因のひとつですが、硬派バンドとしては珍しい、アルペジオのリフやギターの単音でのソロなど、クリアな音を効果的に使うのが上手いです。

歌も、HYDE意識はありますけれど、十分に安定感を持っている。

暗い部屋で、目を閉じながらゆっくり静かに沈んでいくような音楽の聴き方が好きな人にとっては、たまらないバンドでしょう。

90年代の名古屋系に通じる懐かしさもあって、とても格好良い。


爆発的に人気が出るには、少し地味な音楽性ではあるかもしれませんが、口コミでじわじわ評価が高まっていくタイプですね。

優美に沈む白系ダークネス。

久しぶりに、もっと早く見つけておきたかった!と悔しくなったバンドです。