- 眩めく廃人/Laputa
- ¥1,937
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1. 泥~IN BOG…IN WORST~
2. Insatiable
3. an eternity
4. Vertigo
5. 奈落の底
写真のジャケットは、後にメジャーから再発されたものですね。
初期の黒夢に影響を受けたと思われるダークでメロディアスな音楽性に、ハイトーンに突き抜けるVo.akiさんの尖った歌声が映える。
とにかく、ダーク路線のV系の原点が詰まっているとも言える作品です。
まず、最初の「泥~IN BOG…IN WORST~」は、語りやらシャウトやら、現代ではベタすぎて避けられがちな構成ながら、その激しさ、ドロドロさ、垣間見える狂気は、干支が一周した今となっても色褪せない楽曲。
インパクトは非常に大きく、展開の多さも魅力でした。
続く「Insatiable」もハードさが際立っていて、焦燥感を煽られる。
ツタツタした激しいドラムリズムの一方で、透明感のある穏やかな歌が重なり、それがかえって猟奇的に感じてしまうのですよ。
こういうアプローチからダークさを表現する手法は、とても斬新で目から鱗だったのを覚えています。
「an eternity」は、メロディ、声の美しさを活かしたナンバー。
光が見える透明感のあるメロディに、コーラスとして重なるザラザラしたシャウト、徐々にハードに、凄みを増していく演奏・・・
開けたイメージだったはずなのに、気付いたらダークな曲に変わっているという、1曲の中に二面性を違和感なく閉じ込めたと言ってもいいでしょう。
逆に、ダークな印象で始まる「Vertigo」は、途中でリズムチェンジし、三拍子の白く穏やかな展開になるなど、構成条のギミックもたまりません。
どのメロディも印象に残るキャッチーさを持ちながら、決して無難や妥当といった言葉が当てはまらないオリジナリティ。
透明感のあるギターと、歪んだベースのアンサンブルも、Laputaならでは。
akiさんの妖しい歌声が、存分に活かされていますね。
ラスト、「奈落の底」は、代表曲。
その後のヴィジュアル系・ダークバンドに大きな影響を与えたメロディ、構成、アレンジがここにある。
ツタツタ激しいドラミングが気持ちいいダークなAメロ、淀んだBメロの変拍子パートから、メロディアスなサビへ移行したときの高揚感、更に大サビになだれ込む時の高まるテンション、どれをとっても教科書どおり。
否、彼らが教科書を作り上げた。
それだけの格好良さが溢れていました。
パッションが感じられる初期の作品。
粗削りではありますが、ハズレがありません。
音質面での物足りなさはあるものの、記憶に残る名盤のひとつ。