- イミテイション・ゴールド~金爆の名曲二番搾り~/ゴールデンボンバー
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1. ANOTHER MELODY
2. TSUNAMIのジョニー
3. SAY NO
4. ultra PHANTOM
5. 万の夜をこえて
べ、別にゴールデンウィークだから、ゴールデンボンバーを紹介するわけじゃないんだから!
もう、やったもの勝ちのヴィジュアル界ですが、その中でもこのバンドはやりすぎだから素晴らしい。
エア・バンドという、誰もが宴会芸で思いつくようなくだらないネタを、本当にやってしまった。
レコーディングではちゃんと楽器を弾いているんでしょうか?
ライブでは楽器を持たず、ひたすらネタの走るという、文化祭の延長線上にあるようなバンドです。
彼らの音楽は、コテ、パンク、ダンスロック等、ホストのような見た目(除く1名)から想像できるように、比較的ギラギラしたアレンジの曲が多いんですが、歌詞はネタ色が強く、ヴィジュアル系・コミックバンドといったところでしょうか。
さて、そんな彼らですが、またひとつ「やりすぎ」を披露したのが、このミニアルバム。
「二番煎じ」をコンセプトに、別のアーティストが「やっていそうな」曲を、オリジナル曲として収録。
カバーアルバムばかり乱発される昨今の音楽シーンへ、痛烈な皮肉が込められています。
しかしながら、このクオリティが高い。
本当にこんな曲ありそう。こんな歌詞書いてそう。でも、こんな曲は存在しない。
ボーカルが物真似っぽく歌っているだけでなく、曲の作り方、歌詞の選び方、メロディの乗せ方、すべてにおいて、本物が憑依したようなそれっぽさ。
1曲目は、Gacktですね。サビで音が重くなる感じや、裏声への抜け方が本物っぽい。
これが一番、自然なゴールデンボンバーに近い曲かもしれませんね。
Gackt自身がギラギラしたヴィジュアル系なので、彼らの普通の音源に入っていても違和感がない気もします。
そして、カラオケにも配信されてしまった「TSUNAMIのジョニー」。
もう、タイトルからわかるとおりサザンです。これも、非常にそれっぽい。
Cメロのところで、原坊っぽい女性コーラスを重ねるところがずるいですね(笑)
3曲目はチャゲアス、4曲目はB'z、ラストはAqua Timezです。
どの曲もそれっぽいとしか言えないので、細かい感想は省略しますが、音は完全にヴィジュアル系ではなく、本家に近付けているので、意外と色々な音楽性が馴染むバンドだなと思います。
そして、地味に歌が上手い。
Gacktのバリトンボイスも、稲葉さんのハイトーンボイスも、物真似で再現できるほど、声が出るってことだもんなぁ。
単純に面白い。一本取られた!っていう作品です。
パクリも、ここまで出来れば芸術の域。
むしろ、好きじゃなきゃできないレベルの憑依っぷり。
できれば、シリーズ化してほしいですね。
LUNA SEAとか、ラルクとか、黒夢とか、そのあたりなら楽勝でできそう。
こういう開き直りを武器にできると、本当に強い。
普通にバンドやってるよりも産みの苦しみがあるのだろうけど、スタイルを貫いてほしいバンドです。