統合失調症とは、思考や行動、感情を1つの目的に沿ってまとめていく能力、すなわち統合する能力が長期間にわたって低下し、その経過中に、ある種の幻覚、妄想、ひどくまとまりのない行動が見られる病態のことをいいます。

 

猫の飼育は、統合失調症のリスク因子とされています。

 

オーストラリアのクイーンズランド大学脳研究所のグループは、猫の飼育と統合失調症との関係を報告した17の文献についてメタ解析を行った結果、猫の飼育と統合失調症関連疾患のリスク増との間に有意な正の相関があり、猫と接触した人は統合失調症を発症するリスクが約2倍あると、2023年12月論文発表しました。

Cat Ownership and Schizophrenia-Related Disorders and Psychotic-Like Experiences: A Systematic Review and Meta-Analysis - PubMed (nih.gov)

 

なぜ、猫を飼育すると統合失調症になるのかについては、ネコの体内に寄生する「トキソプラズマ」が影響している可能性があるといわれています。

 

トキソプラズマの抗体価が高い人は、統合失調症だけでなく、 双極性障害、強迫性障害、うつ病、アルツハイマー病、 パーキンソン病の発症リスクが高いとされています。

 

他には、トキソプラズマに感染した人は性的魅力が高いとの面白い研究結果もあります。

 

トキソプラズマは、我々が日常的に食べている牛肉、豚肉、鶏肉などに寄生していることがあるため、生肉を食べると感染するおそれがあります。

 

また、猫の排泄物土の中にいることもあるので、感染猫の世話やガーデニングなどをした後、十分な手洗いをせずに食事をすると感染するリスクがあります。

 

トキソプラズマは、全ての温血動物に感染する可能性があり、人は全人口の1/3がトキソプラズマ原虫に感染しているとされていますが、糞便にオーシスト(小さな虫体を含んだ卵のようなもの)を排泄するのは猫科の動物だけです。

Behavioral biology of Toxoplasma gondii infection - PMC (nih.gov)

Toxoplasmosis and behavioural changes - PubMed (nih.gov)

 

研究によっては、猫の飼育は統合失調症と関係ないと結論付けているものもあるため、あくまでも可能性のレベルではありますが、トキソプラズマのことは頭の片隅に置いておいた方がよいかもしれません。

 

【追伸:ワクについて】

筆者の大切な家族、オキナインコのワクを滞在先の軽井沢でロストし3カ月が経ちました。

動物病院の選び方と諸々 ~ペットと飼い主の幸せのために~ (ameblo.jp)

ワクは慎重な性格ですが人懐っこく甘えん坊で、うちに来た客や工事の人の肩にも自分から飛び乗るような子なので、9割方、どなたかに救いを求め、保護され飼われていると思っています。

ワクは我々家族のことが大好きで、雛のときから慣れ親しんだ家に帰りたいと思っているはずです。

ワクを保護して下さった心優しい方には誠心誠意お礼をさせていただきます。

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