一昨日の続き。
売上を上げたい。これは経営者であれば誰しも考えることだと思います。ごく一部の特殊な例外を除いてはこれを願わない経営者なんてあり得ない、そんなレベルのことだと思います。
では、売上を上げるために何をすればいいのか?
もしこの問いに「○○さえすればすぐに売上が上がる」という明確な回答があれば誰も苦労しません。つまんない世の中になるかもしれませんよね。誰もお金に困らなくなるのはいいのですが(インフレ懸念については無視すると)、どこへ行ってもみんな同じ顧客アピール、みんな同じ広告、みんな同じ見込み客開拓となってしまいます。これでは資本主義という名の全体主義?社会主義?となってしまうかもしれませんね。
ここで、売上というものを明確に再定義しておく必要があります。
ジェイ・エイブラハムというアメリカの世界屈指のコンサルタントはこのように再定義しているそうです。
「売上=顧客数×客単価×購入回数」
つまり、顧客を増やし、客単価を上げ、回転をよくしてやれば売上は上がるということです。
この数式は売上を因数分解しているのですが、その結果は上記のように掛け算になります。掛け算のいいところは「その因数を少しだけ全体に伸ばしてやるだけで全体が極端に大きくなる」ということです。
少し分かりにくいので例を挙げて説明しますと、売上を現在の2倍にしたい場合、上記の掛け算のどこをどういじればいいでしょうか?
顧客数を2倍にして客単価と購入回数は現状維持。これだと2倍になりますね。また、客単価を2倍にして顧客数と購入回数を現状維持。これでも2倍になります。
しかし、顧客数を2倍にして客単価と購入回数を現状維持するというのは至難の業といえるでしょう。顧客数を2倍にするにはどうしますか?バーゲンセールをやれば一時的に顧客数は伸びますが、客単価は下がります。客単価を2倍にして~というのも同様に至難の業の範囲を出ないでしょう。
現実的なのは、「この3つのうち2つないし3つを少しずつ上げる」ということでしょう。数字上の話をすれば、この3つの数字を全て3割アップしたとします。すると1.3の3乗となりますから、売上は2.2倍弱となります。
これとて、必ずしも簡単なことではないかもしれません。しかし、この3つの要素の上げ幅目標を最適化していくと戦略が見えてきます。
例えば、店の近くに駅ができて顧客数が1.5倍くらいに伸びることが見込まれているとします。そうすれば残りの客単価と購買回数で3割増しの実績が上げられれば売上は2倍になります(もっとも、顧客数が1.5倍になるのであれば売上は2倍以上を目指すのが普通でしょうけど)。どこに力を入れればいいかが分かるんですね。
中学生のとき、何も分からずにただ教科書に「このように問題を解け」と書いてあったからそのようにやってきただけで「これが何の役に立つのか全然想像すらできなかった」分野の項目がオトナになってから一つ役に立ったような気がします!!