MTXと悪性リンパ腫等発症に関する学術記事がありました。

参考のためにUPしてみます。ダウン

_pdf (jst.go.jp)⇒PDFでDLされます。

 

MTXについては、下記にUPしてありますので一部重複もあります。

私のリウマチ性多発筋痛症(PMR)の治療=免疫抑制剤MTXの全てが解るかも?

MTX飲用者には参考に成るかと思います。

 

リウマチ患者に悪性リンパ腫が多いので敢えて下記を記します。

リウマチ患者薬物治療ガイドライン

メトトレキサート(MTX) 診療ガイドライン

MTX2016kanni.pdf (ryumachi-jp.com)

基本

リウマチと診断されたなら、MTXを投与する。

リウマチ患者のメイン治療薬はMTXでありステロイドは補助的治療薬である。

※PMR患者のメイン治療薬は、ステロイドでありMTXは補助的治療薬である。

 

MTX投与量の基本

高齢者等は、週2~4mgから開始し慎重に漸増する。

通常は6~8mgから開始する。

高活動性の場合は8mgから開始する。

副作用が生じた場合は下記により対処する

MTXの投与量については、通常、関節リウマチ治療では6〜8 mg/週から開始されることが多いです。投与量は患者の状態や副作用のリスクを考慮して決定されます。特に予後不良因子を持つ非高齢者では、8 mg/週から開始することが推奨されています。副作用のリスクが高い患者では低用量から開始し、慎重に増量することが勧められています

 

MTX関連悪性リンパ腫とは

メトトレキサート(methotrexate:MTX)関連悪性リンパ腫とは,治療のため使用したMTXにより悪性 リンパ腫が発症してしまった現象を示す。

近年の解析から悪性リンパ腫のみなら ず他のリンパ球異常症も出現することから,MTX 関連リンパ増殖性疾患(MTX related lymphoproliferative disorders:MTX-LPD)と呼ばれるこ とが多い。

 

MTX関連LPDは、リンパ節だけでなく、リンパ節外の病変としても発見されることがあり、消化管、皮膚、肺、唾液腺、甲状腺、扁桃、鼻腔などで見つかることが特徴です

日本での報告によると、MTX投与後約5年で発症するケースが多いとされています

 

WHO分類ではメトトレキサート関連悪性リンパ腫に分類され,様々な亜型が出現する。その基礎疾患のほとんどが関節リウマ チである

 

一般的に、MTXは関節リウマチの治療に広く使用されており、その他の病態での使用は限られているため、リウマチ患者におけるLPDの発症率の方がより詳細に研究されています。

 

*MTXと悪性リンパ腫の関連ですが、MTXを服用していると悪性リンパ腫が増加する可能性が言われておりますが、リウマチがきちんとコントロールされないと悪性リンパ腫の発症率が上昇する事が分かっておりますので、アンカードラッグであるMTXでリウマチを適切にコントロールする事が重要です。

リンパ腫の種類 - リンパ腫のお話 (takeda.co.jp)

リウマチ治療のアンカードラッグである【メトトレキサート(MTX)】① | 東京のリウマチ専門医 湯川リウマチ内科クリニック (yukawa-clinic.jp)

 

MTX-LPDの症状

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の症状は、以下のようなものがあります:

これらの症状は、MTX-LPDの可能性を示唆していますが、これらの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けることが重要です。特に、MTX治療中にこれらの症状が現れた場合は、MTX-LPDを疑い、適切な診断と治療が必要になります。

 

MTX-LPDの診断方法

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の診断には、主に以下の方法が用いられます:

  1. 臨床的評価: MTX投与中の患者で、発熱やリンパ節腫脹などの症状が見られた場合、MTX-LPDを疑います
  2. 画像診断: CTスキャンやPETスキャンなどの画像診断を通じて、リンパ節や他の組織の異常を評価します。
  3. 生検: 病変部位から組織を採取し、病理学的検査によってリンパ腫の存在と種類を確定します。これはMTX-LPDの診断を確定するための最も重要な手段です
  4. 血液検査: 血液検査を行い、リンパ系の異常や感染症のマーカー、腫瘍マーカーなどを調べます。
  5. 免疫学的検査: エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)の感染状態を調べるために、血液や組織サンプルで免疫学的検査を行うことがあります。MTX-LPDではEBV陽性率が高いため、この検査は診断に役立ちます

MTX-LPDの疑いがある場合は、速やかに医師の診察を受けることが重要です。

 

MTX-LPDの治療法

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の治療法には以下のようなものがあります:

  1. MTXの中止: MTX-LPDが疑われる場合、まずMTXの投与を中止し、その後2週間の経過観察を行います。この期間に病変が退縮することがあります
  2. 経過観察: MTX中止後に症状が軽快したり、病変が退縮した場合は、追加治療を行わずに慎重な経過観察を続けます
  3. 化学療法: MTX中止のみで症状が改善しない場合や、病変が増悪する場合は、組織生検で診断を確定した後、組織型に応じた化学療法が必要となることがあります
  4. 関節リウマチの治療: MTX-LPDが寛解した後の関節リウマチの治療には、免疫抑制作用を持つ薬剤を極力避け、MTXの再使用やTNF阻害作用を持つ生物製剤の使用は再発のリスクを考慮し原則行わないとされています

これらの治療法は、MTX-LPDの症状や病変の進行状況に応じて選択されます。治療の選択肢については、専門の医師と相談しながら決定することが重要です。

 

悪性リンパ腫化学療法

がん診療ガイドライン│造血器腫瘍│診療ガイドライン (jsco-cpg.jp)

MTXの中止だけでは改善しない場合や、病状が進行している場合は、一般的な悪性リンパ腫の治療と同様の化学療法が必要になることがあります。これには、悪性リンパ腫の種類に応じた標準的な化学療法レジメンが含まれます。例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の場合、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)という組み合わせ療法が一般的です

MTX-LPDの治療においては、MTXの中止が最初のステップであり、それによって症状が改善するかどうかを見極めることが重要です。改善が見られない場合や、病状が進行している場合には、一般的な悪性リンパ腫の治療と同じ化学療法が適用されることがあります。ただし、MTX-LPDの場合、EBV陽性であるかどうかが治療選択に影響を与える重要な要素となります。

 

MTX-LPD発症時の対応

MTX使用中にLPDが発症した場合、MTXの中止が第一の治療選択となります。

LPD様症状の検出発熱リンパ節腫脹,LDH,CRP,sIL-2高値)

  ダウン

MTXを即中止⇒ CT リンパ節生検 骨髄検査 EBV (悪性腫瘍から見つかった最初のウイルス)等をしらべる。

  ダウン

③2カ月程度経過を見る。                     <PR                            CR

  ダウン                                               ダウン           ダウン

④半年程度はLPDが 縮小する可能性   ダウン           ダウン

                   ダウン           ダウン

                  化学療法        経過観察

 

PR(部分奏効)とは、治療に対する反応で全てのがんは消失しないが、治療前に比べてがんの大きさが縮小した状態が、ある一定期間継続することです。 英語表記でPartial Response(パーシャルレスポンス)、略してPR(ピーアール)、日本語では部分奏効といいます。

 

※CRとはがんの兆候がすべてなくなる状態を言う(必ずしも治癒ではない状態)

 

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の場合、メトトレキサートの中止によって30%の患者で悪性リンパ腫が消失し、60%の患者で組織型に応じた化学療法治療が必要になるとの報告があります

 

MTX中止後の代替薬

代替薬については、医師の診断と患者さんの状態によって異なります。MTX-LPDの治療には免疫抑制剤や生物学的製剤が使用されることがあります。例えば、TNF阻害剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプトなど)がMTX-LPDの治療に用いられることがありますが、これらの薬剤もリンパ増殖性疾患(LPD)の発症リスクがあるため、慎重な使用が必要です

 

MTX-LPDの治療においては、MTXの中止後に病状が改善することが多いですが、完全な寛解に至らない場合は、組織型に応じた化学療法が行われることがあります。

最も効果的な代替薬を選択するには、医師との相談が不可欠です。

 

MTX-LPDを予防する方法

メトトレキサート(MTX)に関連したリンパ増殖性疾患(LPD)、特にMTX-LPDの予防には、いくつかの方法があります。これらの予防策は、MTXの使用に関連するリスクを最小限に抑えることを目的としています。

  1. 定期的なモニタリング: MTX治療を受けている患者さんは、定期的に血液検査を行い、リンパ系の異常がないかをチェックすることが重要です。特に、MTX内服開始後半年以内は2~4週ごと、その後状態が安定している場合には4~12週ごとに検査を行うことが望ましいとされています
  2. 感染症の予防: MTX治療中の患者さんは感染症に対する抵抗力が低下するため、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を積極的に行うことが推奨されています
  3. 禁忌と慎重投与の遵守: MTXは妊婦や重大な感染症、血液・リンパ系障害を有する患者には投与禁忌です。また、軽度の臓器障害を有する患者や高齢者、低アルブミン血症を認める患者には特に慎重に経過観察しながら投与する必要があります
  4. 葉酸の併用: 8mg/週以上のMTXを内服する場合、副作用予防目的でMTX内服最終日の翌日または翌々日に葉酸の内服が勧められています

これらの予防策は、MTX-LPDのリスクを減らすために有効ですが、完全にリスクを排除するものではありません。MTX治療を受けている場合は、医師の指導に従い、定期的な健康チェックを怠らないようにしてください。

 

MTX-LPDの予後

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の予後は、個々の症例によって異なりますが、一般的には以下のような特徴があります:

  1. MTX中止による自然軽快: MTX-LPDの多くの症例では、MTXの投与を中止することで症状が自然に軽快することが報告されています。特に、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)陽性の症例では、MTX中止後1~2週間で腫瘍の退縮傾向がみられることが多いです
  2. 寛解率: WHOの分類第4版では、MTX中止により約30%の症例で腫瘍の退縮がおこり、寛解を得られるとされています。EBV陽性例では寛解率が高いとされています
  3. 再発の可能性: MTX中止で寛解を得られても、約半数の症例で再発すると報告されており、慎重な経過観察が必要です
  4. 長期予後: MTX-LPDの長期予後についての報告はまだ少ないですが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)での5年生存率は58~74%との報告があります

MTX-LPDの予後は、MTXの中止、病変の種類、EBVの有無、治療への反応などによって大きく異なります。MTX-LPDの診断を受けた場合は、専門の医師と密接に連携し、適切な治療計画と経過観察を行うことが重要です。

 

MTX-LPDの長期予後についてはまだ十分な報告がないものの、一般のリンパ腫に比べて予後が不良であるとされる報告もあります。

 

MTX-LPDの再発を予防する方法

MTX-LPD予防方法と同様ですが、特に下記が重要です。

  1. 再発リスクの評価: MTX-LPDが寛解した後の関節リウマチの治療には、免疫抑制作用を持つ薬剤を極力避け、MTXの再使用やTNF阻害作用を持つ生物製剤の使用は再発のリスクを考慮し原則行わないとされています

これらの予防策は、MTX-LPDの再発リスクを減らすために有効ですが、完全にリスクを排除するものではありません。

 

 

MTX投与量とMTX-LPD発症の関係
少量のMTXを免疫抑制剤として使用する自己免疫性疾患からの報告が主である。

投与量4mg以下であれば発症しないという明確なデータはありません

尋常性乾癬症,皮膚筋炎,クローン病,若年性RA などの散発的な報告とは対照的に,そのほとん どが関節リウマチ患者(rheumatoid arthritis: RA)による症例である。

 

埼玉医科大学総合医療センターにおいて,現在まで 50 症例以上のOIIA-LPDs (その他の医原性リンパ増殖性疾患)を経験しているが,いずれもRA患者である。

 

※上記のように、少量(6~8mg投与)での発症報告が主であるとの記載がある反面、

学術記事によると、MTX用量では週8mg以下より8mg超えた用量の方が、リスク(ハザード比の数値)は高か ったとの解析結果がある。ダウン

我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究

202013002A --buntan2_0.pdf (niph.go.jp)

リウマチ学会・血液学会・病理学会等の確実な連携確保等の課題も有り、データの取得数等により、データ解析結果には相違があると推定

一般的にはMTXの投与量が多いほど、また長期間使用するほど副作用のリスクが高まるとされています。

 

悪性リンパ腫自然消滅理由

MTXを中止することで約半数の患者のLPD(リンパ増殖性疾患)が消退することが明らかになっておりその一部にEBウイルスの関連が示唆されている一方で、病態は不明な点が多い。(MTX中止で、LPDが消退しても、約50%の患者は寛解後に再燃する)

※EBウイルス⇒ほとんどの人が感染するごくありふれたウイルスです。多くの人は子供の頃に感染して、そのとき風邪の症状がでるのみです。世界中で95%以上の人がEBウイルスに感染しています ふつうの風邪と区別のつかないような軽い症状がでた後に、体にEBウイルスが残ります。

EBウイルスに感染歴がある方は、MTX内服を中止しても改善せず化学療法が必要となることが多い傾向にあります。

 

一方で、EBウイルス感染の既往が無い方、またEBウイルスとは無関係にMTX-LPDを発症した方はMTX内服中止で改善することが多いようです。

おそらくは、MTX内服によるEBウイルスの再活性化がEBウイルス関連MTX-LPDの発症の原因となると考えられています。

メトトレキサート関連リンパ腫の最新の話題 | 大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科 東永内科リウマチ科 (touei-clinic.jp)

 

MTX飲用による悪性リンパ腫自然消滅例

本病態は 本邦からの報告が際立って多く,本章ではそれ らの検討を中心にメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の解説を行う.

 MTX-LPDの自然消滅について RAが注目されている理由の 1 つ に,MTX中止によるLPDの自然消腿が挙げられ る。

_pdf (jst.go.jp).⇒メトトレキサート関連悪性リンパ腫参照

 

自然消滅実例-1

53 歳女性,RAに対しMTXが開 始され,その 5 年後に全身リンパ節腫大が出現した。

 

頸部リンパ節生検によりホジキンリンパ腫と診断され,骨髄 浸潤を認めたことから臨床病期は第 4 期であっ た.

 

診断後MTXを中止したところ,骨髄を含め た全身の腫瘍の速やかな消失を認め,完全寛解 (complete response:CR)の状態に達した。

 

こ のようにMTXの中止だけでLPD(関節リウマチ(RA)治療中に発生するリンパ増殖性疾患)が消失してしま う現象は他に類を見ることがなく,LPD治療を 考える上でも示唆に富むものと言える。

 

MTXを中止することで約半数の患者のLPDが消退することが明らかになっており

早期発見,早期診断が徹底される事により、 LPDによる死亡症例は劇的に減少していること を踏まえると、特に高齢者に対する注意深い投 与やMTXの早期中止を行うことで、その予後は 良好である可能性が高い

 

まずは発熱,リ ンパ節腫脹,LDH,CRP,sIL-2 高値などの所見 が得られたならば,すぐさまMTXを中止,全身 検索とともにリンパ節生検,骨髄検査などを行 い,約 2 カ月程度の観察期間を設けるLDP を少しでも疑わせる所見があればMTXの一時中 止をすべきである。

この女性の例の場合、MTX中止によりRA疾患は再燃したのかは分かりませんでした。

しかし、MTX-LPDの既往を持つ患者では、MTXの再使用やTNF阻害作用を持つ生物製剤の使用は再発のリスクを考慮し、原則使用しないとされていますので、RAが再燃した場合は他の薬剤に変更されたと推定します。

 

関節リウマチ治療中に発生するリンパ増殖性疾患/リンパ腫に関する日本リウマチ学会、日本血液学会、日本病理学会合意事項について | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR) (ryumachi-jp.com)

メトトレキサート関連リンパ腫の最新の話題 | 大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科 東永内科リウマチ科 (touei-clinic.jp)

 

自然消滅実例-2

59才女性で,職業は専業主婦.既往歴は,2002年(53才時)に腹部CTにて胆石と左腎結石を指摘されるが,無症状であり特に治療していない.家族歴は,祖母がRAである.

病歴

1993年(44才時)にRA発症。

2002年8月よりMTXが処方開始されている.MTX8mg/週によりRAのコントロ
ールは良好であった。

2006年5月に,左耳下腺部の腫脹が出現。6月に耳鼻咽喉科を受診.PETスキャンで
耳下腺腫瘍と診断された。

 

穿刺細胞診ではリンパ球が吸引され非悪性の所見であったが,確定診断目的で2006年7月に全身麻酔下に腫瘍摘出術を実施した.

 

細胞診の結果

細胞診の結果、低悪性度の非ホジキンB細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)stageⅠと診断された.低悪性度であり,MTXにより誘発されたリンパ腫はMTXの中止のみで縮小する場合があることから,本症例においてMTX中止のみで経過観察を行った。

経過中,耳下腺や頚部リンパ節の腫大は発現せず,リンパ腫の再発は認めなかった

 

経過観察中RA悪化

MTXの中止2週間後より,RAの症状が徐々に悪化し始め,2006年9月にステロイド(プレドニゾロン5mg/日)の処方を開始し,2007年3月にはプレドニゾロンを7mg/日にまで増量するも,RAの症状は改善しなかった。

 

そこで2007年5月に,RAとリンパ腫への双方への加療を目的としてリツキシマブの投与を開始した。

悪性B細胞リンパ腫を合併したためにMTXの投与を中止せざるを得なかったRA患者に
対してリツキシマブによる治療を行い,RAも悪性リンパ腫も良好なコントロールを得た.本邦ではリツキシマブのRAに対する治験が実施されていないことから,リツキシマブのRAへの適応拡大は難しいが,同じCD20に対するヒト化抗体であるオクレリズマブのRAに対する治験が実施されており,ヒト型抗体であるオファツムマブとともに今後が期待される。

リツキサン(リツキシマブ) | がん情報サイト「オンコロ」 (oncolo.jp)

 

MTX-LPDと一般的な悪性リンパ腫の違い

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)と一般的な悪性リンパ腫は、いくつかの重要な点で異なります。以下に主な違いをまとめました:

  1. 発症の原因:
  2. 病理組織型:
  3. 治療と予後:

これらの違いは、MTX-LPDが特定の薬剤に関連していること、EBV陽性率が高いこと、そしてMTXの中止による寛解の可能性があることに基づいています。

 

※EBウイルス・EBVウイルス

EBウイルスとEBVウイルスは同じものを指しています。EBは「Epstein-Barr」の略で、EBVは「Epstein-Barr Virus」の略です。このウイルスはヘルペスウイルス科に属し、主に唾液を介して感染します。日本では成人の約90%が感染しているとされ、多くの場合は無症状ですが、活性化すると様々な症状を引き起こすことがあります

 

EBウイルスは、特に慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)や伝染性単核症などの疾患を引き起こすことが知られています。CAEBVは非常にまれな疾患で、EBウイルスが何らかの要因で活性化し、発熱や蚊刺過敏症、悪性リンパ腫など多彩な症状を引き起こします。一方、伝染性単核症は「キス病」とも呼ばれ、発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れますが、通常は自然に治癒します

 

その他

  1. リウマチ患者はガンになり易いか
    • 関節リウマチ患者は癌になり易いかと言えば、悪性腫瘍全体のリスクは一般集団と変わりませんでした。

      しかし、悪性リンパ腫のリスクは一般集団よりも2倍増加します。

      特にRF(リウマチ因子)が高い方、活動性の高い方がリスクは高いと報告されています。

      肺がんのリスクも1.63倍増加します。

      リウマチ患者はがんになりやすいのか | シーズンズ神奈川リウマチクリニック (seasons-kanagawa.jp)

       

      リウマチ以外でMTX飲用者は大丈夫?

      リウマチ以外の病態でメトトレキサート(MTX)を使用している患者さんにおいても、リンパ増殖性疾患(LPD)が発症するケースは報告されています。しかし、リウマチ患者と比較してどの程度の頻度でLPDが発症するかについては、明確な統計データは現在の所ありませんが、リウマチ以外の飲用者も同様のリスクがあります。                  

まとめ

LPD(リンパ増殖性疾患)で死なない為に

当然ですが、MTX中止により悪性リンパ腫が回復する人もいれば、化学療法を実施しても亡くなる方もいます。やはり早期発見・早期治療が重要との事です。

  1. 定期的な健康診断:
    • 悪性リンパ腫は明確な原因が分かっていないため、予防法はありません。しかし、定期的な健康診断を受け、異常が指摘された場合は早めに医療機関を受診しましょう。
  2. リンパ節の異常を放置しない:
    • くびや腋の下のリンパ節にしこりや腫れがあれば、放置せずに早めに医療機関で相談しましょう。                      ※リンパの腫れ方MTX内服とリンパ節の腫れ|とうきょうスカイツリー駅前内科 (skytree-clinic.jp)

      一般的にカゼや虫歯など感染による一過性のリンパ節腫脹の場合、表面がコリコリ・ツルツル(平滑)であり、よく動き(可動性良好)、触れると痛み(圧痛)があります。

      一方で悪性のリンパ節の腫れ方はゴツゴツ・ゴリゴリしていて(表面不整)、痛みもなく、ベッタと張り付いていて動きが悪い(可動性不良)傾向にあります。悪性リンパ腫は、痛くないと記載されている場合もありますが、患者によっては痛かったという人もいますので注意が必要です

  3. 治療終了後も注意:                           治療が終了しても、何年も経過した後に晩期の副作用として、新たながん(二次発がん)や心不全、不妊などが発生することがあります。            治療終了後は、再発を調べる検査だけでなく、晩期の副作用のチェックも受けるようにしましょう。
  4. 体調の変化に注意:                           治療後に体調の変化、発熱、疲れやすさなど気になる症状があれば、早めに担当医に相談してください。

MTXによる悪性リンパ腫は、50~70%の患者がMTXを中止する事により自然緩解するようです。但し、その内約半数は、再発するようです。

発症後の生存率は、70~85%

しかし、早期発見・早期診断により対処すれば亡くなる事は少ないようです

特にリンパの腫れ(頸部・脇の下)には、十分注意をされ異常があれば「即受診」を心がけましょう。

 

私の体調報告

経緯が分からない方はご覧ください。ダウン

右脇の下のシコリの関係で〇大病院へ紹介状を書いてもらった結果を報告します。

 

2/5 PMRの診察

CRP  2.7  (脇の下の痛みが原因と推定)

右脇の下のシコリの話をする。2/7日、〇大病院の血液内科で診察予定を伝える。

悪性リンパ腫だったら、直ぐにMTXは中止しなければならないとの事。

血液内科の医師の名前を聞かれる・知り合いだったようです。

 

2/7日 〇大病院血液内科受診

血液内科の先生に診てもらったところ、脇の下のシコリは幾つもある。良性か悪成かは、組織検査をしないと分からない。しかし、現在の状況では小さいので組織を取るのも難しい。

また幾つもあるので、全ての塊から組織を取るとなると取り残しの可能性も出て来る。取り残した箇所が悪性だと困る事になる。

 

なので、取ると決めたら全摘出となる。しかし、全摘出となるとリスク(リンパ浮腫)が大きいので、少し様子見でも良いと思うとの事でした。

様子見の間に確認したいことがあるのでと、薬を処方されました。

感染症治療薬「レボフロキサシン錠250mg」昼食後2錠を5日分。

 

現在飲んでいるMTXは中止した方が良いとの事。できればステロイドも中止した方が良いです=血液内科的医師の本音だと思います。貴方がPMRで見ていただいている病院へは、毎週金曜日に行き診察しています。なので、その病院で次回は見ましょうとの事。

 

更につづけた言葉に少しショックを受けました。

脇の下の腫れ以外に気になる事があるとの事。右肺に何か影か?炎症のようなものがある。左肺にも小さいが何かがある。

専門医に診させるので明日来られますかとの事。

 

2/8日 〇大病院呼吸器内科受診

呼吸器内科の医師に診察を受けました。

CT画像を見て、右肺が7mm・左肺が3mmの何かがある。

左肺は、「淡」のようにも見えるが、右肺は何かがあるように見える。組織を取るにも小さくて難しい。仮に悪性であっても3か月程度ごとにCTで確認すれば大丈夫との事でした。

 

PMRで受診している病院へ紹介状を書きますとの事で、PMR治療病院で診てもらえることになりました。

 

3/4日 PMR診察

CRP  0.59

状況を話す。MTX・ステロイドも止めた方が良いと言われた旨を伝える。

うーん・・・そんなに簡単にはいかないんだよね・・・

いずれにせよ、血液内科の結果が出てからだね。

血液内科の医師とは話をされたようです。

 

4/12日 血液内科医師診察

CRP 0.03

右脇の下のしこりは、殆ど分からない程度に小さくなっている。何らかの炎症が起きていて感染症治療薬で治ったのでしょう

左の脇の下の奥にごく小さなシコリがある(触診)ので、それが無くなれば、私の診察は中止で良いでしょう。次回は、6月7日です。

今のところ、病名は言われません。推定では言わないのでしょうか?

次回、最後になるかもしれないので色々と聞いてみたいと思います。

多分、リンパ節炎だと思います。

ただ、風邪をひいた訳で無し・発熱も無かったし・・・全く理由が思いつきません。

 

5/17日 呼吸器内科医師の診察

CT検査後診察を受ける。

うーん・・・両肺とも消えていますね!

〇大病院のCTと今回撮ったCTを比較してみました。

確かに、右肺の閃光を放っていた物が殆ど薄くて分かりません。

さらに左肺は全く分かりません状態でした。

この状況なら、癌では無いですね

断言しても良いでしょう。

何か薬を飲みましたか?

〇大病院の血液内科医師の指示で、感染症治療薬「レボフロキサシン錠250mg」昼食後2錠を5日分を飲みました。

あーなるほど、原因は分からないけど何らかの炎症が起きていて、投薬治療の結果治ったという事ですね。

呼吸器内科としては、もう診察は不要です

という事で、肺癌の疑いは無罪放免となりました。

 

5/20 PMR診察

CRP 0.02

順調な旨を伝える。

脇の下のしこりは、殆ど分からないくらいに成った旨伝え確認する。

シコリが小さくならなければ、MTXは中止するつもりだったと言われました。

 

私から、MTXの減量12mg⇒8mgへの減量を依頼しました。

 

理由は何ですか?

①下半身のダルさが強い。②MTX飲用は悪性リンパ腫の可能性があるのでリスクの低減を図りたい。

 

私はPMRで、PMRの治療薬のメインはステロイドですよね。

MTXは、リウマチ治療の主役なのにステロイド以上の量というのも気に成ります。

 

でもね、高齢者の場合、PMRかリウマチか分からない事もあるんでね・・・

 

うーん・・・再燃するかもしれませんよ。

ご自身で、色々勉強もされているようですから、再燃覚悟なら良いでしょう。

という事で、1か月目は10mg ・2か月目は8mgに減量決定。

 

一般的にはMTXの投与量が多いほど、また長期間使用するほど副作用のリスクが高まるとされていますので、私の減量目標は4mgです。

PMR次回は、7月22日診察予定です。

 

6/7 血液内科医師診察

5/17に撮ったCTでは、脇の下のシコリは消えて写っていない。ただし、触診では何か分からないがシコリのようなものがある。脂肪の場合は、CTには映らないので脂肪かもしれない。いずれにせよ、悪性では無いと判断したい。再度大きくなるようだと組織検査を検討する。血液内科としては、再度腫れが出たら診察するという事で今回で終了としたいとの事で無罪放免でした。

リンパ節炎で無かったか聞きましたが、組織検査をしていないので明言できませんとの事でした。

最後まで読んでいただきありがとうございましたお願い

それではまたお会いしましょうねバイバイ