それでも生きる 母の悪性リンパ腫との戦い -3ページ目

それでも生きる 母の悪性リンパ腫との戦い

元気印の母が突然悪性リンパ腫に侵されてしまいました。
その中でも、日本では症例のすくないダブルヒットリンパ腫。
同じ病気を抱えている方やそのご家族の為に少しでも情報を共有できたらと思っています。

最初に、現在の医療で、悪性リンパ腫は治癒が可能です。新しい薬の開発により、治る病気と言われています。
今現在、悪性リンパ腫と闘っている方々は希望を持って治療に励んで頂きたいと思います。

母は、悪性リンパ腫の中でも、ダブルヒットリンパ腫という薬の効かない病気でした。
抗がん剤を入れると、一旦は効いたように見えるのですが、一週間から数週間で新たな場所に転移を繰り返す、本当に悪魔のように恐ろしい病気でした。

気管、肩、脊髄、脳、そして最後は末梢神経に癌細胞が見つかりました。

母は64歳という若さで命を落としてしまいました。

悪性リンパ腫と診断されてから、ちょうど1年でした。

1年前は、普通に元気いっぱいに過ごしていた母が、1年後には、寝たきりで、意識もなくなり、あっという間に天国へいってしまいました。

この一年間、私たち家族にとって、本当に息のつく間もない怒濤の日々でした。
抗がん剤や放射線治療の副作用は軽かったのですが、進行が早い病気だったため、一日一日が戦いでした。

私たち家族にとって、かけがえのない存在だった母がいなくなり、みんなの心にぽっかり穴があいてしまったようです。

しかし母が私たち家族に残してくれたものを大切に生きていかなくてはと思います。

そして癌と闘っている方たちと、情報を共有していけたらという思いは強まるばかりです。

今現在、癌と戦っている人はどのくらいいるのでしょうか。
一般的には3人に1人は癌になると言われているので、1億2685万人分の3とそのご家族となるわけですよね。

癌患者さんやそのご家族は、どんな情報を得たいと思われるのでしょうか。

ほとんどの方にとって、
突然の癌宣告はショックなことであり、
もしかすると既に体が思うように動かない状態かもしれません。
そこからの情報収集は大変な労力が必要になります。

母の病気をきっかけにそんなことを考えるようになりました。


手術や治療方法について
副作用やリスクについて
病院について
食事療法について
セカンドオピニオンについて
民間治療について
治療をしながらの仕事について
患者さんやご家族の心のケアについて

それ以外にも、様々な疑問を抱えることになり、それらが患者さんやそのご家族の不安へとつながります。

癌治療で一番よくないのは
不安になることです。
メンタルが弱くなってしまえば、
良くなるものも治らなくなってしまいます。

このブログは私の記録の為に始めましたが

同じ境遇にいる方々に少しでもお役に立つことができれば幸いです。

(患者さんに対するサポートは現在お休みしております。)

いつも通りに母の病室に入ると
看護師さんが、母の体を拭いて下さっていました。
「今、お体を綺麗にしたところですよ~。それから、呼吸が安定していないので、今日か明日には心臓が停止するかもしれません。夜も付き添われるようでしたらベッドを用意しますね~。家族待機室というのもありますからね~」
「・・・??あ、はい。」

こんな流れで突然母の余命を宣告されました。

勿論、いつ心臓が止まるかは覚悟していましたが、こんな軽く説明を受けるものなのかと驚きました。
「身体を拭きましたよ~」と同じテンションで、しかも母の横で、たんたんと。

ほとんど意識がない母ですが、私たちの問いかけに答えることもあり、意識が全くないわけではありません。

その時は、あまりもの驚きで、返す言葉も見つかりませんでした。

担当の医師が何度か様子を見に来て下さいましたが、なんの説明もありませんでした。

母の温かい手を握れるのも残り僅かなのかもしれないと思うと、寂しい気持ちでいっぱいになります。

人の命を預かるお仕事に就いてる方々にとって、一つの命の重みが、毎日の雑務で忙殺されてしまわないことを願うばかりです。
母の意識がなくなってからも、
たくさん話しかけています。

反応がない母を見ているのは
大変辛いですが。  


以前、脳に転移した際も
同じような意識障害が起きました。

その後の抗がん剤治療により
意識を取り戻した母に、
その時のことを聞いてみたところ
私たちの話し声は
届いていたとのことです。


今の母の意識障害が
何から来るものなのか
定かではありません。
恐らくまた脳にできた癌細胞が
悪さをしているのでは、とのことです。


左目は瞑ったままで、
右目は開きっぱなしです。


起きているのか
寝ているのか、
一見わからないのですが
よーく観察していると
なんとなく分かってきます。

首が動いたり、
黒目の動きが大きく動いたりした時
起きていることが多いように思います。
その時はつかさず、
「分かる?みんないるよ!」とか
「お口の中、綺麗にする?」など
聞いてみると
首をたてに動かしてくれます。

たまに、手を握り返してくれます。


本当に一瞬のやり取りですが
とても嬉しい瞬間です。

以前、何かで読んだのですが、
意識障害の方に対して
返事を求めるような問いかけは
患者さんを疲れさせてしまい良くないという専門家の意見がありました。

ですので、
問いかけ以外に
病室に来ている人の名前をあげあり、
娘の声を聞かせたりもしています。

あとは、笑顔で手を振ってみたり、
手を握ってあげたり
頑張ってるねと誉めてあげたりしています。

返ってくる返事がなくても、
私たちの声が届いてると信じ、
毎日声をかけ続けています。



風邪ひとつひかず、
いつも元気一杯の母の変わり果てた姿は、正直見ていられないほど辛いですが、

今の私たちにできる
数少ないこと。

母に寂しい思いをさせないこと。
母に安心してもらうこと。

今日も明るく話しかけることにしてます。

母は、ある日突然、大学病院でガンと宣告されました。


もし、癌と宣告されたら、

まずはどうしたらよいのでしょう。


癌の知識が全くなかった私は、

そもそも「悪性リンパ腫」という病名も知りませんでした。

白血病と並ぶ血液の癌と聞いて

初めてショックを受けたくらいです。


そして、情報を集めていくと

現在、新しい薬のおかげで完治が可能な病気でもあるということを知りました。


母の場合、この後に、ダブルヒットリンパ腫と判断され、

更に癌細胞が脳に転移してしまったという最悪のパターンでしたが、

再発せずに元気に過ごされている方もたくさんいるようです。


<癌と宣告されたら>


①まずは、その病気についての情報を得ることが大切だと思います。


・ 病気について書かれている書籍や論文を読む

・ NPO団体などに加入し、情報を共有する

  (悪性リンパ腫の場合であればネクサス・ジャパンというNPO団体があります)

・ ネットなどで検索をかける(信憑性はないかもしれませんが)

・ 同じ病気を患っている方、もしくはそのご家族の方にお話しが聞けると

  いろんな情報が得られることがあります。


②病院を探す


母の場合は、救急車で運び込まれた先が偶然にも悪性リンパ腫の

患者さんが多い大学病院でしたので、そのまま入院しておりますが、

自分で決める場合は、よく調べて行くことが大切だと思います。



③セカンドオピニオンを探す


治療方針が決まった後は、セカンドオピニオンに相談し

今の治療方法で良いのかお話を伺うことはとても大事だと思います。

担当医に遠慮してセカンドオピニオンについて言いづらいという気持ちもわかりますが、

丁寧にお話をすれば理解を示して下さるはずです。


また、治療に患者本人が積極的だということは

医師にとっても印象がよいそうです。




④現在の緩和ケアについて情報を得ておく


癌には痛みが伴うことが多くあります。

末期の患者さんだけでなく、最初の段階から痛みを取り除くために、

治療をしながら、緩和ケアを並行に行うことをしているようです。



⑤介護が必要になりそうな場合


看護申請については、実際その時にならないとできませんが、

どのような行政のサービスが受けられるのかを知っておくのは無駄ではないと思います。

というのも、介護が必要なときになってから調べるのでは一苦労です。

母も突然、手足が不自由になったので、

前もって準備しておくと安心だと思います。


⑥宅配弁当や外注サービスについて調べておく


上の⑤と重複しますが、必要になってから調べるのは一苦労ですので

前もって用意しておくと便利です。

治療が始まると、副作用については人それぞれですが、

家事などする気が起きない場合も多いと思いますので、

登録だけでもしておくとよいかもしれません。


私たちのように母親が患ってしまった場合、

料理のできない父が宅配サービスを使っていました。

ヘルシーで美味しいお弁当もたくさんあります。



この他に、お仕事をされている方であれば、

お仕事のことや、

お子さんがいる方では、

お子さんを預けられる場所等、

それぞれあると思います。


でも、実際、癌を宣告されてから

頭の中を切り替えてこれだけのことができる人は

なかなかいないと思います。



3人に1人は癌になる時代のようです。

癌になったら、
どんなことでも、
気軽に相談できる方がいると心強いなと思います。