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それでも生きる 母の悪性リンパ腫との戦い

元気印の母が突然悪性リンパ腫に侵されてしまいました。
その中でも、日本では症例のすくないダブルヒットリンパ腫。
同じ病気を抱えている方やそのご家族の為に少しでも情報を共有できたらと思っています。

悪性リンパ腫の代表的な症状は以下の通りです。

①リンパ節の腫れ・しこり
②痛み・発熱
③全身倦怠感・体重減少・寝汗・かゆみ


母の場合は、どれも当てはまりませんでした。
ただ、咳が止まらなかったので
喘息と疑われていました。


早めの診断で適切な治療が行われ
少しでも多くの命が助かることを祈ってやみません。
新薬の開発により、悪性リンパ腫の5年生存率が以外と高いのです。


ホジキンリンパ腫の場合、
Ⅰ期90%
Ⅱ期80~90%
Ⅲ期50%~90%
Ⅳ期40~65%、

非ホジキンリンパ腫は、
Ⅰ期、Ⅱ期70~90%、
Ⅲ期、Ⅳ期50%~70%

悪性リンパ腫は種類がとても多いので一概には言えませんが、
他のがんに比べると高い水準を保っているようです。




ステージIII~IV期の進行している場合であっても、
適切な治療により、平均生存率は10年前後となっています

充分治癒可能な病気と言えるそうです。


一人でも多くの方が助かりますように。
がん患者さんの家族は「第二の患者」と言われるように
患者さん本人と同様に苦しい時を一緒に過ごすことになります。

患者さんの心のサポートと同じように
ご家族のサポートも必要なのです。

家族ががんと宣告されたとき、
家族が苦しい治療に耐えているとき、
再発したとき、、
患者さんと同じくらい辛い思いをするはずです。

私たちも、母の辛い症状をすぐそばで見て来て、
本当に辛かったです。
今思い出しても胸が痛くなるほど、
辛い時の母は可哀相でした。

「かわれるものならかわってあげたい。」と
本気で思いました。

手足が不自由になったとき
「私がママの手となり足となるからね」
「目が見えなくなってきたら、ママの目になるから何の心配もないよ」
と言ってあげたことがありました。
実際は並大抵のことではないと思います。
しかし、母の看病はほんの数週間で、
あまりの進行の速さに、家で生活するのはすぐに困難な状況になってしまい、
ほぼ病院の看護師さんたちにお世話になっていました。




患者さんの看病疲れ。
これはどうしようもないことですが、
本当につらい時もあります。
サポートをしている家族もそれぞれの生活があります。
今までの生活がガラっと変わるのですから、
それなりのストレスが発生してもおかしくはありません。

私も、妊娠6カ月から臨月まで
家族4人分の食事の支度をしてきました。
4人分の買い物をすると、荷物も重くなり、
家までの帰り道によくお腹が張ってしまい
何度も休憩しながら帰りました。

この時は、幸せな妊婦さんたちが少し羨ましく思いましたが、
母の役に立てると思えばなんてことなかったです。

がんと闘っている患者さんにとって
メンタルはとても大切です。
そしてそれを支えられるのが家族だと思います。

我が家の場合は、
弟はがむしゃらに病気について勉強し、
母の質問にはお医者様と同じ回答をしていて
そのことに母はとても安堵感を覚えたそうです。

また父はほぼ毎日病院に通い、
母と一緒に過ごしました。
仲良し夫婦と病院では有名になっていたそうです。

私と言えば、妊娠中だったため、
母の言いつけのもと、病院には立ち入り禁止でした。
ですので、何もできない父の家で、父と旦那の食事や家事を担いました。
母が退院した際は、はりきってご飯を作っていました。
また、出産後は赤ちゃんを連れて母のもとにほぼ毎日通いました。
生まれたての子と一緒にバスの乗り降りは正直大変でしたが
以外にすぐに慣れました。
何より孫を見るのが一番の薬だと信じていました。

難しい病気にかかり、
最後の最後まで私たち家族は奇跡を信じました。
やれることは全てやったつもりです。
悔いもありません。

手足が動けなくなってしまった母を支えて歩いた時に、
母が言ってくれたことがあります。
「(看病を)どんなにやってあげても、足りなかったとは思わないでね。
充分やってくれたからね。」
その言葉を信じようと思います。
私たちは充分やった。
これ以上ないくらいやった。

母の最期の優しさです。



がんと闘っている患者さんやそのご家族のかたの負担が少しでも軽くなることを祈ってやみません。
中枢神経系原発悪性リンパ腫って?

脳にはリンパ系組織がないのに、なぜ悪性リンパ腫が発生するのでしょうか?
答えはまだ分かっていないないようです。

脳に原発することは稀なようですが、
近年は増加傾向を示していて、全国集計では原発性脳腫瘍の2.9%を占めているそうです。
特に中高年に多く、50歳以上が80%を占めているようです。

母もこの2.9%に入ってしまいました。

脳局所症状(麻痺、失語、など)が50%
頭蓋内圧亢進症状(頭痛、吐気、嘔吐、など)が1/3~1/4
精神症状が1/5
にみられるようです。

母は、手足の麻痺、失語が見られました。
これは本当に見ていて辛い症状です。
本人もとても辛かったと思います。

治療前は、頭痛、嘔吐、意識障害も見られました。


治療方法は、化学治療と放射線治療になるようです。


とても怖い病気ですが、
研究が進み一刻も早く治癒可能になることを願っています。

そして日本では使えない薬が早く使えるようになることを祈って。

参考文献(英文ですが)
Deckert M, Paulus W. Malignant lymphomas. In: WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System, edited by Louis DN, Ohgaki H, Wiestler OD, Cavenee WK. pp. 188–196, 2007, WHO Press, Geneva, Switzerland.
Ostrom QT, Gittleman H, Liao P, et al. CBTRUS statistical report: primary brain and central nervous system tumors diagnosed in the United States in 2007–2011. Neuro Oncol. 2014;16 Suppl 4:iv1– iv63.
Morris PG, Correa DD, Yahalom J, et al. Rituximab, methotrexate, procarbazine, and vincristine followed by consolidation reduced-dose whole-brain radiotherapy and cytarabine in newly diagnosed primary CNS lymphoma: final results and long-term outcome. J Clin Oncol. 2013;31(31):3971-3979.
Ferreri AJ, Reni M, Foppoli M, et al. High-dose cytarabine plus high-dose methotrexate versus high-dose methotrexate alone in patients with primary CNS lymphoma: a randomised phase 2 trial. Lancet. 2009;374(9700):1512-20.
Omuro A, Correa DD, DeAngelis LM, et al. R-MPV followed by high-dose chemotherapy with TBC and autologous stem-cell transplant for newly diagnosed primary CNS lymphoma. Blood. 2015;125(9):1403-1410.
悪性リンパ腫とはどのような病気なのでしょうか。
簡単にまとめてみました。

悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(がん)です。

リンパ腫の国内予測罹患数(2014年)は男性15,300人、
女性12,600人とされており、癌患者全体の3%にあたるようです。
癌の中でも珍しい疾患です。

リンパ系組織は全身に分布しているため、
全身で発生する可能性を持っています。(特に非ホジキンリンパ腫)

しかし、以前も書いた通り、悪性リンパ腫は化学療法や放射線療法により
治癒することが可能となってきた疾患です。

ただ、リンパ腫はその型によって予後や治療方法が大きく変わってくるため、
どの種類のリンパ腫なのかを正確に診断することがとても大切になってきます。



 血液のがんには3つに分けられます。

悪性リンパ腫 ②白血病 ③多発性骨髄腫

 
 悪性リンパ腫には2種類に分けられます。

非ホジキリンパ種 ②ホジキリンパ種

 非ホジキリンパ種は更に2種類に分けられます

①B細胞腫瘍 ②T/NK細胞リンパ腫




とにかく、自分がどの型のリンパ腫なのか、
またどのステージにいるのかをしっかりと診断することが
治療方針を定める上にも非常に重要になってきます。

詳しくは以下のURLを参考にしてみてください。
http://ganjoho.jp/public/cancer/data/ML.html#prg1