採用担当者の妻・・・ -4ページ目

◆女性が働くことについて(1)

ここ20年で女性をとりまく就職環境は大きく変わった。
女性の立場からすれば、前進したといえるだろう。

にもかかわらず、
「子供できたらここ来ている(働いてる)場合じゃないでしょう…」

ということを平気で言う人が最近もいて、びっくりした。
オジサマ層もそうだが、意外に、女性層にこういう発言は多い。

と思ったら雑誌『日経ウーマン』に特集が組まれていた。

「産む生き方、産まない生き方」

タイトルは良かったのだが、
「産む人生は仕事との両立が大変(だから産めない、産まない)…」
の記事が前半を占めていて、違和感を覚えた。

もちろん、子育てと仕事の両立の問題は背景に重く長い歴史をもっているし、女性にはまだまだ半永久的テーマ、といっても大げさではない。

わかったうえでしっくりこなかったのは、それでも、女性が産むか産まないかを仕事との兼ね合いで悩む、その実態は5年位前と比べてかなり様子が違ってきていると、実感していたから。

もちろん、この5年の間に、読み手である自分の価値観が変化したことも影響しているだろう。

それにしても…5年経っても、同じことがいまだに書かれていて残念だった。

でも。

最後まで読んで納得。
エッセイスト/政治コラムニスト・岸本裕紀子氏のコメント。

「予測不能なことを楽しむだけの心の余裕がないのでしょう」
さらにここからは雑誌記事からの引用。

岸本さんは今の20代前半に関心を抱いている。「彼らはあまり深く考え込まずに、パパっと結婚し子供を産んでいる。今までの世代と明らかに違います」。
企業に依存するという価値観が彼らにはなく、身近な人をとても大事にする。



さて、夫は女性を雇うといことについて、
ここだけの話

「数年働いてくれれば(採用コストをペイできるので)いい」

といういい方を今でもすることがある。

一瞬古臭いなあと思ったが、
実際、出産や結婚によって休業や退職をするのは女性に多いため、
冷静な意見として受け入れた。

といいながら、内定者、気がついたら女性のほうが数が多くなっていた、ということもよくあるから。

新しい時代のことを喜びつつ、私の青春も過去の話に落ち着いていることをかなり実感。


◆営業職と体育会系

「体育会系出身者に特化した人材紹介会社があるんだよ…」

話の流れでそんな話が出た。

「ふうーん。
体育会系は縦社会だから、忠誠心でもって粘り強くすぐに辞めない?
ぎりぎりまで練習に励むから就職しそこなう人多いから?
でも、OBのツテで就職ルート強そうだよね…」

などとどこぞの主婦(採妻)に無茶苦茶いわれており。

そして夫までもが

「…まあ~(大学の)先生たちからして言ってるからね

『脳みそまで筋肉ですから…』


その人材紹介会社では、営業系職種の斡旋に積極的、と聞いて、
なぜ体育会系に絞るのかがようやくわかった。

多くの会社で営業力の必要性は優先順位トップランク。
そういう企業にだけに特化しても、市場は大きい。

かたや、体育会系の学生は、就業のためのテクニックを磨く時間をそれほど割けずにきている。
そこで、ノウハウを伝授し、スポーツで培った強さを社会での強みに育て上げ、営業職のたまごとして送り出す。

なかなか社会貢献性の高いサービスだな感心した。

ただ営業といっても、白地からアポイントを獲得する飛びこみ営業はもちろん、コンサルなど専門職に近いものもあれば、広報的なものまで、仕事の内容は本当に幅広い。

コピーライターという仕事も、営業部門からのし上がってきた人は強い、とある大手広告業界企業の話としてで聞いたことがある。

共通項として言えるのは、要するに、顧客満足を獲得し、会社に金をもたらすキーマン、というところだろう。重要なポジションだ。

そう思うと、体育会系だけに紹介するのはちょっともったいない仕事だと改めて思う。


それにしても、仕事探し自体が、すでに“営業”なのだろう。
できる限り多くの企業を訪問し、多くの可能性を求めた人が
春には笑うという。

営業ができる人は人生もできる人なのかもしれない。

◆人気者ほど無断引用?

以前、とある記事執筆の請負先の担当者と折り合いが悪く、請負をやめたことがある。

直接の原因は、その担当者がボツにした私の文章が
私の知らない間に、その担当者の文章としてインターネットサイトの関連コーナーにそっくりそのまま載っていた
ことだ。


書く仕事といっても、その世界を3角形になぞらえたなら、私のポジションは頂点ではもちろんなく、限りなく底辺に近いところ。超フリーななんでもやのコピー(商業)ライター。様々な状況に応じて表現を変えることは良くあることだしそれがまた好きでやっている。だからボツにされたこと自体にはストレスはないのだが、ボツでも引用するなら一言断りがあってほしかっただけのことだ。

それまでにもその担当者と付き合うようになってから度々トラブルが発生し、非常にやりにくさを感じていた。ただそこを蒸し返しても仕方がないし、あたりさわりなくお断りして請けるのを避けた。

ところがその担当者はそれから数ヶ月して、会社を去っていた。社長は大きな人員入れ替えをしていた。リストラかどうかは知らないが、なるべくしてなった結果として捉えたい。

そんなことを思い出したのはこの記事を見たからだ。

人気ウェブログは頻繁に「無断引用」――ウェブログ間の情報の流れを解析

この記事ではブログに関連する話だが、ネット上での無断引用の実態について興味深い調査結果。

三角形の底辺あたりにいる無名の立場が認められる記事に、ちょっと嬉しい気持ちになった。
それでも、自分が生み出したモノに情報源のフラグを立てることはなかなか難しいだろうが。





◆就職課と就職力

朝日新聞の夕刊に「就職力」という記事が載っていた。

「ああ、知ってる○○大だよ…」

その紙面を差し出してくる夫。

「いや興味あるかと思って」

大学の“就職力”についての分析記事が連載されているらしい。

たしかに、大学は学問の場であるかもしれないが、就職先を意識して過ごすところでもある。

だが就職支援には、積極的な介入をするところは少ない。
社会という大海原を前に、途方にくれる学生は多いだろう。
なにしろ、自分がそうだった。

でもあまりにも社会に迎合する場にはなってほしくないしなあ、などと思っていたところへ、この日の記事はかなり興味深かった。
(以下、同紙から。記事は、戸田拓氏による。)

・新入生は入学式の前に就職適性検査がある
・プレゼンの能力を「特訓」してくれるなど「3種の支援プログラム」がある
・就職課の職員が「外回り担当」をし「新規就職先の開拓へ全国を行脚」


さらに想像してちょっと笑ってしまったのは
就職課調査役が300人の学生と携帯メール交換していて、きめ細かい配慮をしている、という下り。

「面接会場から不安な思いを送信してくる学生には絵文字メールで激励」

「仕事中しょっちゅう“おねーちゃん”とメール交換している」

と職場の女子から白い目で見られているという、
どこかの採用担当者の上司の話を思い出してしまった。
それももしかしたら真剣仕事中なのかもしれない。



台所で君の真心と

おろしがねは小さなこの子にはひとつの生活体験だと思ったのです

小さな社会勉強はよしんばでよく

ただ好奇心旺盛の君には格好のお遊びでいいと思っていました。



いつのまに君はそんなにも力強く生きてきたのか

「できたよおかあさん」

そういってさしだした

真っ白い淡雪のようなだいこんおろし。

その山に小さな手が雪の紅葉のように真っ赤に映えて。


甘口に涙の味

ああ 気づきを与えられたのは私のほうでした

小さな君の魂の深く広く、そしてあたたかきを。






◆体育会系と燃え尽き症候群

採用も終盤にさしかかったある日、
ニコニコ笑顔帰宅の夫。
“体育会系”の新卒者に内定を出したという。
夫の会社では、特にスポーツマンタイプが優遇されるという
社風はないのだが、最終面接での役員の言では

「いいよ~こういう人材は」

たしかに、その学生に関して言えば、その道ひとすじハンパではない
経験と結果を出してきた。
大学自体もそのスポーツで全国・世界レベルの選手を
輩出しているところで、そこでレギュラーをつとめたというのだから、

「いいよ~こういう人材は」

といわしめるだけのバックボーンは背負っているのだろう。

大会などにより就職活動は遅れがちになる彼ら。
不利な環境下で、縁あって大学から紹介されて面接に来た。
紹介と聞いただけでやる気をなくしている夫も
このときは「うーん、いいかも」と思ったという。

採妻「でもなんで(そのスポーツの)プロにならなかったの」
夫「いや~、厳しい世界だからね…そこまでは、という本人の決断だね」
採妻「そうね…故障したら一発でおしまいだしねえ」

ひたむきな選手生活から一転、
春から普通の!?サラリーマンの
生活をする彼の、決断に乾杯。
人生の引き出しは一つじゃない。

そういう転身でまた開花する人生もたくさんあるが、
こんな人達もたくさん見てきた。

「ケガさえなければ一生ボールを追っていた」
「検事になりたかったが片親で生活苦、大学も中退」

あるいは

「この会社に入るはずだったのに、こんなはずじゃなかった」

どれもその後はくよくよグチの多い、しょぼくれ人生、しょぼくれ会社員。
そんな人達も何人も見てきた。

そうカテゴライズしているのは自分自身なんだけど。
他の切り口で表現できない融通のなさが気になる。
目の前にあるいくつもの引き出しに手をかけるのも
自分自身。

そんな悩める人達が
新しい世界で、何をかまた掴むよう祈りたい。



◆正直(辞退者に寄せる)

現在中途採用に忙しい夫だが、内定が本当に、確定し出す時期で新卒内定者に関する話題が多い。

といっても、以下はもう3年ほど前の記録。
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正直な学生が夫は大好き。

今日の内定者との会話

学生「あのうーまだ就職活動続けてもいいですか?」

夫  「へ?」

学生「いや、もっといろいろな企業を見ておきたいと思いまして」

「…。しょうがないなあ…わかったよおまえだけ特別だぞ」

で、この学生がほんとに「見ておきたい」だけで終わったかどうかは 来年4月1日に判明します。

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──最近になって、その彼はその後どうしたか、とたずねてみたところ

「覚えていない…」

…昔のことすぎて確認できなかった…残念。

このようなハプニングがあってもそのころはまだまだ新卒採用活動を楽しげにこなしていた夫。

それが年々変化してきている。
先日もこのblog「このごろの若者」で書いたが、
年々、ぼやき度が増しており。
先日はとうとう

「(新卒は、)もーホントつまんないよ」

とのたまっていた。

実際、今頃はすでに来春新卒者向けに会社説明会の告知などをしていてもおかしくないのだが、

「ああ…どうしようかねえ」

…などとボヤボヤしており。ホントどうするつもりなのか…



余計なお世話で考えるに新卒採用は、
夫がこの仕事の醍醐味ととらえている「人に接する」実感に、イマイチ欠けているんだろう。

学生は、まるでつかみどころのない生き物のようだ。

コミュニケーション能力が大事と各種マニュアル本に書いてはいるが、そのコミュニケーション自体、とっているという実感を持ちにくい。

たまによい出会いがあった、と思っても、毎年、今頃の時期に、手のひらを返すかのような態度で「内定辞退」の一方的宣告をされると、ますますわけがわからなくなる。

「4月からはもちろん御社で」と言われて、それが本当かどうかとさぐりをいれなければならない自分にも嫌気がさしているだろう。

よく、「正直で謙虚な」姿勢で面接に臨めなどとマニュアル本に書いてある。
夫を見ている限り、これは本当だ。
そういう姿勢から出てくる言葉には、人を引き寄せる力がある。


数百万といわれる企業の数、自分の可能性を試せる会社はたくさんあるに決まっている。「ぜひ御社で」という言葉には信用性はない。
それに会社で働くということも、実際経験しないものにわかるはずがないと知っている。だから、業界研究したといって、それは心に響く言葉にはなりにくい。

それに、人生は長い。目先の利益のために小手先をつかったとしても、
人生は結局「正直者が勝つ」


「やってみないとわからない。ただ、あたえられたチャンスには全力で尽くしたい」

そのキモチが、真っ白な未経験者のキモチのコアな部分だと思うし、それが求められている姿勢の核心だと思う。

人間相手の商売だ。採用担当者は、そんなに話のわからない相手ではない。
少なくとも夫は正直者に悪いことは言わない。

「ただ、春には、本当にうちで頑張ろうと思って入社してほしい。そのために就職活動をつづけてその見極めをしてほしい」

これ真の本心で伝えている。

その投げかけに響く返答を待っている。


実際、最近はぎりぎりまであきらめないで就活をする流れが大きくなってきているし、
それどころか、「やりたいことがみつからない」などで卒業後すぐに定職に就かない人も増えているし、
また多くはなくても、「起業」する学生も増えているらしいから、
そういうキモチを伝えたくらいで、態勢に影響はない。

(いたずらに結論先延ばして就職しないよりなにかに飛び込んでいくほうがいい。そのステージとして会社を選ぶのも悪くない:参照当blog「走りながら」)

就職活動は自分探しの旅の一過程にすぎない。できることは精一杯、多少カッコ悪くてもあがくくらいが丁度いい。
そうすれば結果を満足で受けとめられるだろうし、一回り大きくなって次の春を迎えられるのでは。


とはいえ、採用にかける情熱!?に家族も犠牲!?になる日常だったりしている。

内定者の実家が小料理屋だと聞けば、一家の外食先にそこが選ばれ、
子供も楽しみにしている、年1回の家族旅行は内定者の大学お礼参りのついでにされ、どう考えてもレジャーとは縁がなさそうな場所が選ばれたりしている。

そんな生活も、結構面白いとは思っているのだが。



◆大学からのお礼

最近まで、学内セミナーへ出席したり、
教授との懇親会など、大学側との交流に忙しかった夫。

都内の大学主催で、都内のホテルで立食パーティを兼ねた採用に関する講演会や懇親会などもある。

場所によっては、丸1日を費やして、そういった催し物に出かけていく。

その合間に、地方で開催される就職フェアに出展のため、新幹線で日帰りなども
こなしている。
オフィスから数時間かけて移動をするというだけでも、結構疲れる仕事になる。

また大学によっては、とてつもなく駅から遠い山の中にあったりして、

「どうやっていくねん、こんなところまで…」

と思わずつぶやいてしまう場所の場合もある。

「真っ暗で恐い…タクシーなんてつかまりそうにないこのあたり…終電にまにあわんかもしれんこのままでは…」

と山奥から悲愴な電話がかかってきたこともある。そういうとき、

内定者などが気を利かせて

「私、車ですから駅まで送り迎えしますよ」

などと言ってくれると、本当にありがたいらしい。


東京から遠く離れた大学のあるゼミは、毎年、教授が学生たちを引き連れて、企業回りをしているという。そういったお客様を迎える場合もある。

が、断然でかけることが多い。

出かけた先々で、遠路はるばるをねぎらう意味で、足代の代わりにと大学から手土産を帰りに渡されることも多い。以下のようなものがあって、我が家にお裾分けがくることもままある。

・有名どころ菓子メーカーの菓子詰め合わせ
・信州そば
・ささかまぼこ
・国内有名メーカーの革製品
・オリジナルQUOカード

企業間で慣例的に、やりとりのある手土産、お中元、お歳暮、粗品、とは違って大学から企業の一担当者に渡されるもの、と考えると、ちょっと立ち止まって考えたくなった。どうしてこれを選んだんだろう?

信州そばといって、信州方面の大学ではなかった。
なぜ「信州そば」なんだろう。

上記有名どころ菓子メーカーの中には「六花○」があった。
「六花○」は北海道生まれのお菓子。いただいた先の大学は、都内の学校。
なぜ「六花○」?

社長がその大学出身だから?
と思って調べれば、「六花○」社長は慶△義塾大出身。頂いた先の大学はぜんぜん違った。

気にはなっても、夫がその理由を就職課相手に話題にするはずもなく…

里帰りするときに近所で適当に
みつくろうお土産、それと同じレベルでたいした理由はないのかもしれない。
それならそうと、誰かはっきり教えてくれないものか…

1人いまいち不完全燃焼の1日であった。




◆人生相談化する採用面接

定休日の土曜だというのに「面接あるから会社へ行く」。
「ハートをゲットできるようにがんばってね♪」と送り出した。

中途採用の場合には履歴書を拝見して、その経験が現在の需要とリンクする場合には“2時間フルコース”(適性試験などもついでに受けてもらう)がはじまる。夫もただ話を聞くだけではなく、会社や仕事に魅力を感じてもらえるようにアピールしなければいけない。
本当に「ハートをゲット」するために、がんばっている。

箸にも棒にもかからない場合には“15分コース”でお話だけとなるが、
夫が疲れるのはどちらかといえば“15分コース”のようだ。帰ってきたときの表情が語っている。

10時頃、ご帰還。

「…」

 すばやく夫の口元を見る。

(あ、「へ」の字だ…なにかやられましたね。おかしいなでも帰ってくるの遅いし“15分コース”じゃなかったのかしら)

採妻「…どうだった?」

「もーオレ本当に人生相談向きなのかもしれん…」

(参考:当blog「走りながら」「このごろの若者」)

採妻「なになにどうしたの…」

── その応募者、夫の会社に来る前に別の会社で面接があったらしいのだが、
そこで(応募者によれば自分のキャリアが使い物にならないという趣旨で)「怒られた」らしく、自信喪失。

「あたしゃもうだめです…」

夫の会社で面接を受ける気力をなくし、このまま帰るとの電話が入ったという。

相手の電話口からは、電車のアナウンスも聞こえてきており、その自信喪失の弱弱しい声と合間っていやあな雰囲気をかもし出す。

(ホームにいるのか…まてよもしや自殺なんてことは…)
…とにかくせっかく近くまで来てるんだから話しだけでもしようと説得したという。

といっても、ボランティア精神では決してなかった夫。

実は目論見があり…

その目論見どおり、グループ企業への応募の橋渡しをして
後日面談の約束をとりつけ、無事終了。

今回、その応募者はある分野に特化した仕事経歴があり、それが
「ドンピシャで、願ったり叶ったり」だったそうだ。

それにしても、名実ともに人助けの1日となったようだ。


応募者によれば、夫の会社に来る前に受け「怒られた」という会社は、
例の危険な人材紹介会社「腹黒社」経由の応募だったらしい。
夫の会社は転職サイト経由。

「でもな、人材紹介会社通してたら、“15分コース”だったよ」

「どうして」

「だって採用してかかる経費もったいないもの」

「ああなるほど…
(ケチですもんねあなた…は呑みこんどいて…)

…それが人材紹介会社ばかりがたのみの綱とはいえないゆえんね。

だから怒ったんじゃない」

「なんで」

「希望からまったく外れたキャリアを紹介されたんじゃ。何のために人材紹介使っているんだ!ていう怒り…」

「ああ笑 よくあるらしいぜそういうクレームも」

本人は全人格否定された気持ちでさぞつらかったことだろう。

内情はこのように複雑だったりするから落ち込むことなかれ。

本当に不当に怒られたりしたならば、そんな会社入社しないで正解である。




◆個人情報保護法と採用担当者

「1番は医者。2番目は採用担当者なんだって」。

難しいなぞなぞだなあと答えを聞けば

それは「個人情報にふれる機会の多さ」で、

夫の仕事は、医者の次に個人情報の扱いには気をつけなきゃいけない職業なんだそうだ。

なるほど、言われてみれば、履歴書からしてまず、個人情報満載だ。

この話、先日開かれた、ある企業主催の個人情報保護に関するセミナーに出席した夫が仕入れてきた。

セミナーはその企業がつくったソフトの営業が目的。
もちろん、情報管理と漏洩などのリスク回避をセットにした、採用担当者が使って便利なパッケージ商品。だが、夫はハナからソフトなんてどうでもよく、ひとえに「タダ」好きなだけ。


さて、
4月からの法定によれば、本人からの請求があった場合にはその情報はいつでも
公開しなければいけない。
ただし、有料でかまわない。

「ええー金がかかるの、自分の情報なのに」

「そりゃそうだろ…でないときりがないし。
それにほら、よく役所で証明書貰うときに金いるじゃん。手数料500円とか。あんなかんじだよ」

夫も再応募者でないかどうかのすり合わせをするのに、履歴書などの情報をしばらく保管しておくケースがあるが、
特に新卒の場合、不採用分の履歴書は(コストが膨大になるので)返却せず、処分している。

その処分も、それを専門に扱う会社があり、そこに依頼が基本。
すると「安全な形で廃棄しました」という証明書を発行してくれるのだそう。
ここもものすごく高いんだそうで、今後、どうするかは検討中だとか。

「でもどうやって処理するのかしら。処理前のゴミからデータ流出するっていう話しもあるじゃない」

「だから、きりがないんだよ、こういう問題は考え出すと…」


ほんとうに、個人情報、守ろうと思って神経質になればなるほど、今の世の中、
息もできなくなりそうだ。

それでも神経を尖らせて、守りとおすため日夜努力するか。

きりがないとあきらめて開き直るか。

時間のロスや無駄な心労を考えれば、あきらめるのも良い選択だ、とある雑誌で随分前に読んだことがある。

夫も以前、ある応募者から面接時に
「応募の秘密厳守という記載が求人情報に見当たらなかったが、それでいいのか」
とつっこまれたことがあると言っていた。

法律ができ、
「そのような法に触れることは一切ありませんからご安心を…」
などと切りかえすのには役にたつな…
それから、
「質問ありますかと聞かれて聞くこと他になかったのその人…秘密厳守、そんなのフツーはあたりまえじゃん!そんなことあえて聞いてくる…ヘンな人」
などとこんなところで変人よばわりされずに済むという利点もあるかもな…