2024年2月17日(土)、座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)。今年も東京の落語4団体が揃う唯一の落語会「座・高円寺寄席/おしくら饅頭、四派でドカン」を鑑賞(*1)。私は新宿末廣亭の会員として最低年4回は寄席に行くのだが、それでもこの落語会はここ数年間、毎年欠かさず参加している。


 【左上:三遊亭萬橘、右上:林家彦いち、左下:瀧川鯉八、右下:立川談笑】

私は座・高円寺の絵本イベント(絵本の旅@カフェ)にも毎土曜参加しており(*2)、1回参加するとスタンプ1個もらえ10個貯まるとチケットと交換できる。この1年間でチケット3枚分ゲットしたが、毎年参加する元同僚2人が都合がつかないというので今年はカミさんと落語通の知人の3人で参加した。

出順は楽屋に入った順。開演2時間前に楽屋入りしたトップバッターの立川談笑師匠(立川流)は「訛りが凄く何度聴いても殆ど理解できない来訪者の言伝に困惑する骨董屋の店番」という古典落語。何度か聴いた事はあったが、落語通の知人が「金名竹(きんめいちく)」という噺だと教えてくれた。


ネットで調べたところ、訛りは元々上方言葉だったらしいが、名古屋弁や英語訛りなど様々なバージョンがあるようだ。談笑さんは「壺算⇒液晶TV算」「居酒屋⇒イラサリマテー」など古典落語に独自のアレンジをして演じているがこの噺も彼は津軽弁にアレンジしていた。


2番手は昨年に続き三遊亭萬橘師匠(円楽党)。彼は「吉原通いをやめられない若旦那のために番頭がお店の二階に吉原の街を作る」という「頭山」(*3)のようなシュールな設定。この二階の吉原で冷やかし客として花魁や若い衆との喧嘩騒ぎを一人で演じる若旦那を大熱演して爆笑を奪った。

この噺もご一緒した落語通の知人に古典落語だと聞き、ネットで調べたところ「二階ぞめき」という噺だと分かった。萬橘さんは百栄さんとの二人会などでよく知っているが、彼は兼好さんと並ぶ円楽党のホープだけあって、そのトボけた味わいと芸の達者ぶりには確かなものがある。


中入り(休憩)を挟んだ3番手は瀧川鯉八師匠(芸協)。「芸協」は他の3派と違って毎年違う噺家だ。5年前は三遊亭遊雀さん、一昨年は桂文治さん、昨年は柳亭小痴楽さん。鯉八さんは初めて聴いたが、カミさん曰く「あれ、もう落語じゃないよね」というくらい創造的で異次元の新作、若い人達も大ウケだった。

そしてトリはやはり新作の名手である林家彦いち師匠(落協)。彼は“エベレスト山頂のラーメン屋“や“タイ人のボクシングセコンド“など、いつも意表を突いた設定の新作落語を聴かせてくれる。今年は、最近激変した下北沢の街並みを舞台にしたタイムトラベルネタで、大いに笑わせてくれた。

今年も四派の旗手達が古典2席、新作2席とバランス良く楽しませてくれた。来年も是非是非行くぞー!

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*1:落語四派の概要や過去の開催結果は下記ご参照。
落語四派は高円寺でだけドカン | Saigottimoのブログ
*2:絵本の旅@カフェについては下記ご参照。
絵本の旅@カフェ再開しました | Saigottimoのブログ
*3:「頭山」は頭の上に木が育ってお花見客が殺到するという超現実的な設定のナンセンス古典落語。

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