公開から1週間目となる本日(7/7)、映画「エルヴィス」を観てきた。追加料金がかかるIMAX版にするかどうか迷ったものの、プレスリー好きとしては折角だから大画面・最高画質&最高音響というフルスペック版IMAX上映はこの日が最終日となる池袋の映画館までわざわざ足を運んだのだ。

私は女声はエディット・ピアフ、男声はエルヴィス・プレスリーが特に凄いと思っている。ピアフの歌は聴くと鳥肌が立つので怖いがエルヴィスの声は好きだし同じ男声ヴォーカルとして意識するので人形↓にも反映されている。
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   【映画「エルヴィス」オフィシャルサイトより】


さて映画を観ての感想だが、まず申し上げたいのは、エルヴィスに興味が無い人でも音楽映画として充分に楽しめる作品になっている事と、エルヴィス・ファンには顔立ちこそ違えどオースティン・バトラーのパフォーマンスは本物と見紛うばかりの素晴らしさで聴き応えがある事である。

次に、この映画はマネージャーのパーカー大佐(トム・ハンクスが名演)の視点で描かれている点が秀逸であり、実質的な主役はエルヴィスではなく大佐である。その大佐の視点で「誰がエルヴィスを殺したのか」という問いへの答えを導くシナリオなのだが、最後に明かす彼の結論はなかなか興味深い。

エルヴィスに関する本は何冊も読んでおりパーカー大佐も含めて周辺の人物や時代背景等*1はそれなりに知っているので映画を観た人が誤解しないように幾つか付記したい。まず、彼は声のために煙草も吸わなかったくらいで、彼を死に導いた薬は医師処方薬であって“違法ドラッグ”ではない

もう1点は、彼の妻プリシラが善く描かれ過ぎである。彼女は出産後にエルヴィスを裏切って彼が雇っていた空手教師と駆落ちした上にその相手もすぐ捨てて芸能界で散々浮名を流しTVや映画で女優として活躍。挙句、彼の死後に権利管理団体を立上げCEOにもなっており、こんな健気な妻ではない

とはいえ映画全体としては、エルヴィスの少年期から壮年期まで('50~'70)の米国社会の大事件や変化、ティーン時代のガールフレンドの存在、超マザコンぶり、黒&ピンク好きという独特の色彩感覚等も丁寧に描かれていたし、BBキングやリトル・リチャード等もしっかり顔を出す。

ビートルズやビング・クロスビーはアイリッシュ(英国系)だし、シナトラやトニー・ベネットはイタリア系、サッチモやエラはアフリカ系だがエルヴィスはネイティブアメリカン(米国先住民)の血が流れる“生粋の米国人”だからかも知れないが、彼は米国において特別な存在なのだろう。
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*1:エルヴィスが台頭した音楽の時代背景は下記ご参照。
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