先日、このブログで大晦日の「第71回NHK紅白歌合戦」でのあいみょんのことを書いたが、その前日(12/30)に「第11回Jazz de 紅白2020」がラドンナ原宿で開催された。コロナ禍で前者は無観客だったが後者は感染対策を施して客席数も減らし、出場歌手も紅白5組に絞っての少数精鋭での開催となった。
私の歌仲間からSEABIRD一金(第一金曜日)ライブのマッキーこと牧かおるさんが出場し、1st.setで「ソ・ダンソ・サンバ(So Danco Samba)」「ミスティ(Misty)」、2nd.setで「麗しき人生(The Good Life)」を歌い上げ満席の会場を唸らせた。圧巻の歌唱に司会者から普段は何処で?と訊かれ、SEABIRDと答えてくれて誇らしかった。
♪The Good Life…牧かおる 2020/12/30 ラドンナ原宿♪
この「麗しき人生(The Good Life)」、一般的にはトニー•ベネットのヒット曲(1963)として知られるが、原曲はフランスの映画音楽。ギタリストで歌手のサッシャ•ディステルの器楽曲(1962)が米国に渡って英詞が付いたらしい。その後はフランク・シナトラやジュリー・ロンドン、シャーリー・ホーンらも歌ってスタンダードになった。
youtubeには、ニューヨークの街中と思しきステージでのトニー•ベネットとビリー・ジョエルの豪華なLiveデュエットも上がっている。またこの曲はフランスに逆輸入され仏語の訳詞が付いて「La bell Vie(美しい人生)」としてディステルやブリッジウォーター盤もあるが、男性3人の仏語の掛け合い画像は特に素晴らしい!
原曲はフランス産だが仏詞は英詞の翻訳らしいので原詞は英語。原詞は専門サイトをご参照戴くとして、よく読むと「麗しき人生(The Good Life)」というタイトルながら、決して単純な人生讃歌ではない。むしろアンニュイかつ、ちょっとシニカルな内容だ。以下にナンチャッテ意訳を試みると・・・
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ああ、良い人生!歓びに溢れているように見える
貴方はチャンスも掴まないから本当の恋に落ちることも無く、
貴方が感じているであろう全ての悲しみも覆い隠してくれる
でも偽のロマンスなどで誤魔化さずに自分に正直で居て
良い人生!自由で居るにはね
そして、貴方が知らない心の痛みなどを探索するにはね
でも学ぶためにはそれらに独りで向き合う必要がある
もし「何故そうなるの?」と思ったら、
今でも私が貴方を求めていることを思い出して欲しい
そして目を覚まし、その“良い人生”に別れのキスを!
(translated by Saigottimo)
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1/4(月)、NHKの「ストーリーズ」【特集】で、昨年7月に76歳で亡くなった世界的なファッションデザイナー山本寛斎のドキュメンタリー番組を観た。その中で昨年2月から急性骨髄性白血病に罹り闘病中に彼が書き綴っていたという大学ノートに目が留まった。そこには「人生は美しく自由である」と手書きで大書されていた。
若い頃に散々苦労してようやく掴んだパリコレの舞台で大失敗を経験し、それでも自身の個性を信じて道を模索し切り拓いてきた巨匠。きっと彼の人生は美しくはなく不自由だったに違いない。だからこそ彼は「人生は美しく自由であるべきであり、そうありたい」と渇望し、生涯を懸けて追い求めたように私には思えた。
彼が最期まで情熱を燃やし続けた若手登用のファッションイベントは、比叡山の本殿でハイテクの限りを尽くした、前代未聞にして実に自由で美しいものだった。そして、その開催の10日前に旅立った彼の人生は、間違いなく「La bell Vie(美しい人生)」と称されるものであったろう。
Saigottimo

