看護師長と話した後、

俺は、子どもの面会をした。







担当の看護師に話を聞いたところ、

妻は、母子手帳を持ってきていた。



まぁ当然だな。








そして、搾乳した母乳も、

3回分持ってきていた。



3回分で3ccだった…。








俺が、母子手帳を持ってくるよう、

連絡をしたから、

面会にも来たんだろう。








面会ノートには、


「体調が悪くて2日間来れなかった。」


と書いてあった…。







母子手帳を持ってこいと言われて、

その日のうちに来れるんだったら、


その程度の体調不良なら、

見舞いくらい毎日来れるはずだと思った。






母乳だって、3回分あったって、

3ccしかないんだから、

毎日持ってくれば良いはずだ。






自分で持って来られないんだったら、

親に頼めばいい。







少なくとも、面会時間外に来るんじゃない!









翌日は、検査結果が出る予定の日だ。



俺は、診察時間の14時に来ると、

看護師に伝えてもらうよう頼んだ。



入院患者の容態を聞ける時間は、

午後の診察時間だったから、

その一番最初の時刻をお願いした。







そのまま俺は、自宅まで歩いて帰った。




決められた時間帯だけの面会だから、

みんなそれぞれ事情があって、

この決まられた面会時間には、

どうしても来られない家族が、

割と多くいるって聞いていた。






そういう人も、

できれば来られる時間に来たいはずだ。





でも、みんな我慢している。

そんな身勝手なことはできないって、

誰に言われなくても、

常識として理解しているんだ。







だから、入室記録には、

その時間帯の記帳しかなかった。




妻以外の、誰一人として、

面会時間外の面会なんかしていない。






俺は、どうしても妻を許せなかった。






そして、病院側も、

そんな妻の入室を許可したのか?






俺は、すかさず看護師長を捕まえて、

事情の説明を求めた。






すると、病院側としては、

妻に規則を説明したけども、

妻が強引に面会して帰って行ったらしい。










そんなんで良いのか?



ちょっと納得できないけど、

妻が迷惑をかけたのであれば、

夫として、子どもの父親として、

病院へ詫びを入れておいた。







でも、面会時間外の面会は、

断じて許可しないよう、

強く看護師長へ求めておいた。






看護師長も、

管理体制に甘さがあったことを認め、

詫びの上、再発防止に努める旨があった。




夕方、仕事を終わらせて、

帰宅の道中、

そのまま病院へ寄った。





本来ならば、

まだこの時間じゃ仕事は終わらない。




でも、事情を理解してくれている

職場の連中は、

俺じゃなくてもできることは、

率先して、引き受けてくれて、

俺は、面会時間には、

帰れるようになっていた。






職場の連中に感謝しつつ、

病院へ着いていた。









受付の記帳を確認すると、



なんと!

妻は、17時に来ていた!






この時間は、面会時間外だった。



この病室は、新生児室で、

感染症に罹っている新生児だけが、

特別な環境で治療している病室だ。








おいおい、これは一体どういうことだ?



なんで、こんな時間に来てたんだ?








答えは、カンタンだ。




そう、俺に会いたくないからだろう。






つまり、子どものことよりも、

自分の感情を優先している証拠だ。





だけど、自分の子どもだけじゃなくて、

他の子どもたちもいる病室だ。









妻のやってることは、

どうしても気に入らないね…。






あくまでも自分中心の妻には、

心底腹が立ってきた……。




病院へ着いたけど、

入室記録にも機長がなかったから、

まだ妻は来ていないようだった。








俺は、先に子どもの面会をしておいた。



順調に回復しているようだったから、

安心しながら、子どもに触れていた。




ミルクを与え、

オムツを交換して、

子どもを抱っこして、

明るくて、良い話題だけを、

子どもに話しかけていた。







看護師に確認したけど、

まだ妻は来ていないらしく、

母子手帳の催促をされてしまった。







(子どものためにも、

 さっさと母子手帳を持ってこいよ…。)



妻が母子手帳を、

まだ持て来ていなかったことに、

腹が立っていた…。








子どもとの面会後、

ナースステーションの横のロビーで、

妻が母子手帳を持ってくるのを、

まだかまだかと待っていた。






でも、妻は、現れなかった…。







どういうことなんだ?





俺には理解できなかったけど、

もしかしたら、

夕方の面会に来るつもりかも知れない。







俺は、そう言い聞かせながら、

仕事に戻っていった。

    


俺は、空き時間を作って、

妻の携帯電話へ連絡してみた。






予想どおり、つながらなかった…。







すぐさま、妻の実家へ電話をしてみた。







やはり、留守番電話だった…。



そのままメッセージを吹き込んだ。








「子どもの母子手帳が必要だから、

 病院へ持ってきてほしい。

 体調が悪くて来られなければ、
 
 俺が取りに行くから、

 その場合は、連絡を欲しい。」










おそらく、妻は、俺に連絡しないだろう。


でも、こうすれば、

少なくとも、母子手帳だけは、

病院へ持ってくるはずだ。








俺は、子どもの病院の

一回目の面会時間になるのを待って、

面会へ行くことにした。










今日こそは、妻が、来ているはずだ。



さすがに、母子手帳だけは、

持ってくるだろう。




面会時間の間、待っていれば、

妻と話ができるはずだ。






俺は、そんな期待をしながら、

子どもの入院する病院へ向かった。