この前、地元の裁判所で養育費請求をしたから、


今日、審判期日の通知書が届いた。






いつ見ても、裁判所からの書類は、ギョっとする…。






とうとう、養育費請求の裁判が始まる。






相手は、二度目のシングルマザーになったわけで、


前回の離婚のときには、元夫から、


ちゃんと養育費をもらっていたようだ。




ってことは、今回の離婚では、


逆に払わなきゃならなくなるってことくらい、


分かっているはずだろう。






いや、何とか払わなくて済むようにと、


色々と画策しているかもしれない…。






裁判が始まるまでは、



あーでもない。


こーでもない。



って思案に暮れてしまう…。






これから、父親からの養育費請求って判例を、


ちゃんと勉強しなくちゃならない…。





母親に対する養育費請求って、俺の周りでは、


まったく聞いたことがないから、聞く相手がいない…。






そもそも、俺の周りには、


シングルファーザーが少ないんだよね…。




って、みんなそうかも。






とにかく、養育費請求の裁判が始まるんだ!



がんばるぞー!

俺は何度か転勤を繰り返し、順調に出世していった。






シングルマザーとの遠距離恋愛は、


何度もケンカを繰り返しながらも、順調に続いていった。




いま思えば、おかしいことは、何度となくあった…。




彼女には、普通ではないと思えるほどに、


気性が荒い一面があることも知った…。




物を投げられて、額を切ったこともあった…。



包丁を振り回されたこともあった…。




俺も気が長い方じゃない…。





物を投げられたときは、引っ叩いてしまった……。



包丁を振り回されたときは、なだめ諭した……。





遠距離恋愛だったから、彼女が子どもを連れて、


俺のところに来ることもあった。




でも、ケンカすると、彼女は怒り狂ったようになり、

そのまま電車に乗って帰ってしまうこともあった…。




ドライブ中にケンカになると、彼女は車が止まるのを待たず、


無茶して降りてしまうこともあった…。


子どもがいても同じだった……。




それでも、どうにか交際は続いていった。




あの頃、ちゃんと考えていたら、


こんなことには、なっていなかったのに……。

あるとき、彼女から夜中に電話があった。


「おなかが凄く痛い。けど、救急車を呼びたくない。」




俺は、高速を飛ばして彼女の部屋に駆けつけた。



その日、子どもは彼女の実家へ泊まりに行っていた。


俺は、彼女の容体がかなり悪かったので、


救急車を呼んで一緒に病院へ行った。



病院について、彼女が処置をしてもらっている間に、

俺は、彼女の実家へ連絡して、彼女の父親を呼んだ。





彼女の父親は、病院に到着するなり、彼女の容体を気にするのではなく、


「君は娘とどういう関係なんだ?」


と問い詰めてきた。



「彼女は、いま処置してもらってるので、まだ容体は分かりません。


俺は、彼女と交際しています。」

「交際してるだ?」


それだけの反応だった……。



娘の容態が気にならないのか?



俺には、彼女の父親の対応を、どうしても理解できなかった…。




彼女は、翌日に精密検査をすることになり、


その日は入院することなく帰宅した。




彼女は、彼女の父親の車で送られ、俺は、その後をついて行った。



彼女は実家ではなく、彼女の部屋に送られた。



彼女の父親は、


「明日、迎えに来るから、今日は君が面倒をみなさい。」


と言って帰って行った。




イマイチ、彼女の父親の真意が分からなかったけど、


俺は言われたとおりにした。



たぶん、彼女がそう言ったんだろう。




翌日、彼女は精密検査をして、そのまま入院した。




数日後、彼女は、無事に退院した。





この一件は、彼女が入院し、退院しただけのことだけど、

俺にとっては、彼女の父親との初対面だったし、

俺は、彼女の父親の感覚と合わないと実感した一件だった。





そう、親を見れば、だいたい分かるはずだった…。


俺と彼女の価値観や考え方が、全く合わなかったことに…。


でも、このときの俺には、まだ全然分かっていなかった……。

ある日、俺は出張していた。



飛行機に乗らなければ帰ってこられない所にいた。

その日は帰れない予定になっていた。


だから、その日、彼女は、絶対に俺と会うことはないはずだった。





ちょっとしたサプライズのつもりだった。




いま思えば、やめておけば知らずに済んだことだと思う。


確かに、よくある話だろう。




俺は、仕事を早めに切り上げて、最終便に乗って帰ってきた。




帰宅したころには、もう終電もない時間だった。


そう、俺は、深夜の高速を飛ばして、彼女の家に向かったんだ。




到着し、車を停め、彼女の部屋へ向かうと、男が彼女と出てきた。



真っ暗だったから、男の顔は見えなかった。


彼女は、俺に気づかなかったようだ。



そのまま、彼女は、その男を車に乗せて出掛けていった。





俺は頭が真っ白になり、その場から動けなかった。





しばらくして、ようやく我に帰った。




俺は、彼女のPHSに電話したが、彼女は出なかった…。





少し経ってから、彼女が電話をしてきた。



「今、どこ?」


「…。お姉ちゃんと一緒にいる。」


「……。今、近くのコンビニにいるから来てよ。」


「……。わかった…。」



俺は、感情を押し殺して、彼女を待った。





彼女は、嘘をつき通そうとしたが、当然、押し問答になった。



最終的に、彼女は事実を認めて謝り、事情を説明し始めた。



彼女によると、その男とは、「元夫」らしい…。



その「元夫」が、「子どもに会わせろ」と言ってきたので、


どうしても断り切れず、子どもの寝顔だけを見させて、


わざわざ「元夫」を送ってきたと言う……。




俺には、彼女の話を、どうしても信じられなかった…。



でも、結婚したこともなければ、離婚したこともなく、


子どものいない俺には、彼女の話を絶対に嘘だと、


決めつけることもできなかった。





いま思えば、あの時に終わらせていれば、


その後の人生も大きく変わっていたのだろう。





でも、結局、俺は彼女との交際を続けることにしてしまった……。



彼女との交際が始まってから、


彼女は実家を出て自立し始めていた。





俺たちは、お互いの家を行き来しながら、


順調に交際をしていた。



そのうち、彼女の子どもも一緒にデートしていた。




あるとき、俺は他の県へ転勤することになった。


もともと車で1時間以上の距離があったが、

その転勤によって、遠距離恋愛になった。



仕事を考えると、栄転だったので嬉しかったけど、


恋愛を考えると、複雑な近況だった……。




遠距離恋愛となれば、電話は必需品だった。


しかし、シングルマザーの彼女に、


経済的な負担をかけることはできなかった。


彼女から電話があれば、必ず俺から折り返していた。



遠距離恋愛になってからは、会う頻度が減ったけど、


それでも、お互いが行き来しながら順調に交際していた。





彼女は、子どもを連れて来たり、一人で来ることもあった。


彼女が来るときは、俺が交通費とプラスαでお金を出していた。



俺が行くときは、当面の食料を買いだめしてから帰っていた。




だから、彼女には経済的な負担をかけていなかったはずだけど、

いま思えば、彼女が来るときは、体力的な負担が大きかったと思う。


なぜなら、帰った後の洗濯や掃除など、


たまった家事が、かなり大変だっただろうし、

子どもを連れての遠距離の移動は、かなり疲れるはずだから…。





そんな中、ある事件が起こった……。