12・11オール埼玉総行動総決起集会 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

2023年は、逆転の年です。

ロシアのウクライナ侵攻を言い訳とした軍拡とそれに伴う防衛費倍増を許さず、社会保障の削減や負担増、増税の方針を転換させ、不十分なコロナ対策を見直し、疲弊している医療従事者・介護従事者を支援し、人員増のための施策を行ない、憲法改悪を阻止し、安心して働ける職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。

そして、戦争・紛争が一刻も早く終結し、避難している人々が安心して過ごせるようになることを願います。

 

 

12月11日、オール埼玉総行動総決起集会に参加しました。

その際に行なわれた菱山南帆子さんの講演の概要をまとめます。

 

菱山さんは、これだけ大勢の人が集まるところはなかなかなく、全国各地に埼玉のパワーを伝えたいと述べました。

まず、ガザ情勢が取り上げられました。

ガザではたった2ヶ月で1万7,000人以上の市民が亡くなり、そのうちの約8,000人が子どもだということでした。ガザの平均年齢は18歳だそうです。こんな状況にしてしまったことを、大人は反省しなければならないと述べました。

リアルタイムでガザの状況は届いているそうです。子どもたちは心の傷を一生負うことになり、一刻も早く停戦しなければならないと指摘しました。病院が電源停止し、保育器が止まって未熟児が亡くなっているそうです。菱山さんも未熟児として生まれ、すぐに保育器に入れられたそうです。その際、取り違えられないように太ももに名前を書いたそうですが、今、ガザでは、子どもが死んでもわかるように手足に名前を書いているそうです。

日本国憲法には、全ての国が平和でなければならないと書いてあると指摘しました。

しかし、自民党、維新はそれを変えようとしています。公明党の北側氏は、立憲民主党は抜きで改憲案をつくると言っているそうです。維新はそれをあおっており、自民党は憲法審査会を欠席し、大事な時だけ出席しているそうです。

来年の選挙で維新が野党第一党になったら、9月には憲法が変えられてしまうと指摘しました。最初に緊急事態の衆院任期延長で「改憲のお試し」をし、国民を改憲に慣れさせようとしているそうです。

同一進行で、戦争準備のための法律づくりを行なっているそうです。岸田政権は安倍政権よりも邪悪だと述べました。

国会外での「新たな戦前」として、Jアラートのことが取り上げられました。沖縄では大騒ぎになりました。飛行体が飛んで10分以上経って、とっくにどこかに落ちているのにテレビで「逃げろ」と言い、戦時下の訓練が行なわれたと指摘しました。八王子ではJアラートの時間に合わせてバケツリレーが行なわれ、新潟ではJアラートがなった時に白タオルを結ぶ「白タオル運動」が行なわれたそうです。

それらのことは、実質的には何の意味もありませんが、心の戦争準備には絶大な効果を発揮すると指摘しました。

「国民保護ポータルサイト」には、”明暗を分けるのは避難行動”だとして、近くに建物があればそこへ避難し、なければ物陰に隠れると、そんな馬鹿なことが書いてあるそうです。

若い人は町内会には入りませんが、SNSで節約動画を発信し、おしゃれに前向きに節約することが勧められているそうです。これは”新たな贅沢は敵”であり、怒りのかすめ取りだと指摘しました。どうせ年金がもらえないから貯金をしなければいけないなど、怒るよりも自分で何とかした方がいいやと考えるようになっているそうです。

日本は恐ろしく貧しくなっており、お金がなくなっていると指摘しました。

国立科学博物館がクラウドファンディングで資金を集めたことが話題になりました。クラウドファンディングと言えば聞こえはいいですが、カンパ、募金という意味であり、国立なのにカンパを集めないと存続できないということです。

おしゃれな感じで抵抗感をなくすということは他にも共通しており、「Jアラート」は「空襲警報」であり、「地下シェルター」は「防空壕」だと指摘しました。

のど自慢の伴奏が生演奏からカラオケになり、フィリピンの看護師が日本よりも韓国へ出稼ぎに行くようになっているそうです。

若い人たちから怒りを奪う様々な仕掛けの一つとして、転職サイトの宣伝があげられました。転職サイトは労働組合つぶしであり、労働条件に不満を持っている人が労働組合に入って職場に踏みとどまって権利を守ることよりも、転職サイトを使って自分から辞めていくようにする仕掛けだと指摘しました。このように、その裏には権利を手放す仕掛けがたくさんつくられていると述べました。

そうした状況にある若い人たちには、共感と労わりが必要であると指摘しました。彼らは怒ったり、抵抗したりするとひどい目に逢うと思っており、闘ったことによる成功体験がないのです。

市民運動や労働者の横のつながりの素晴らしさを伝えていかなければらないと述べました。

スシローの迷惑動画は、タッチパネルやベルトコンベアなどにより、その向こうにいる人への想像力がどんどん奪われているから起こったことだと指摘しました。

街頭行動でのチラシの受け取りは、大きな駅では受け取ってくれないが、私鉄の小さな駅の方が受け取ってもらえるそうです。

少子化の今だからこそ、人が大切にされる社会、人と自然が共存できる社会に、大人の責任として変えていかねればならないと述べました。

V字回復の兆しとして、西武デパートのストライキのことがあげられました。労働組合の人たちがシャッター前であいさつし、そこへ多くの労働組合がのぼり旗を立てて応援に来ている様子がSNSやニュースで拡散さて、歓迎されたそうです。

 

岸田政権は崩れて行こうとしているこの時、維新に取られてはならないと述べました。

そして、私たちの手にまともな政治を取り戻さなければならず、カルトのようなところに巻き込まれてはならないと述べました。

自民党にも維新にもできない政治をするべきであり、それは、ジェンダー平等の実現と命が大切にされる政治だと指摘しました。

ジェンダー平等の社会に戦争ないと述べました。戦争は家父長制の塊であり、自民党も維新もジェンダー平等は考えておらず、セクハラ、差別の向き合えていないと指摘しました。

私たちの運動もまだ、ジェンダー平等は実現していないと述べました。菱山さんは、少し前までは「女要員扱い」され、何かの記者会見の時などに男性ばかりの時に来てほしいと呼ばれることがあったそうですが、そろそろ言われなくなってきたそうです。そうしたことがあった時、”やっちまった”と思うことから始めるだけでも、差別と向き合えているということであり、伸びしろがあると指摘しました。

江東区長選で、「古い政治を変えたい」、「おじさん政治を変えたい」と女性候補は言っていましたが、その前にはおじさんばかりだったそうです。

そして、命と暮らしが守られる政治とはどういったものかが語られました。

コロナ感染の死者は、大阪が一番多かったそうです。自民党もコロナ禍で自助共助を強調したと指摘しました。

バス停で女性が殺される事件が起こりました。彼女はDVが原因で離婚し、非正規雇用で働いていましたが、コロナ禍でクビを切られてホームレス状態になったそうです。多くの人が「権利は簡単に使ってはならない」と思わされてきました。

こんなひどい政治をする人たちに命と暮らしは預けられないと述べました。

スローガンだけでなく、ストーリーを持っていることが大事だと指摘しました。

私たちを選んだらこういう未来になるよというハッピーエンドのストーリーを持つということです。

一人一人が楽しく生きる必要があり、私たち自身が運動を楽しみ、その姿を見せることで希望が持てると述べました。

暗闇を歩いている若者が上を向けるように、楽しく、わかりやすく、竹林のようにしっかり根を張って、真っ直ぐ伸びながら横でつながることが提起されました。

そして、次の世代にバトンを渡せるように、明るく、楽しく頑張りましょうと呼びかけました。

 

追加です。

参加者・参加団体の発言もよかったので、概要をまとめます。

まず、イスラエル出身で秩父在住のダニー・ネフセタイさんが発言しました。

ネフセタイさんは3年間イスラエルの空軍にいたそうです。今、ガザの光景を見て悲しんでいると述べました。

戦闘機のパイロットを目指していましたが試験に受からなかったそうですが、もし受かっていたら爆弾を落としていただろうと述べました。任務と言われたら、「はい、わかりました」と従ってしまっていただろうと述べました。

ひどい人でも悪い人でもないが、だまされているのだと指摘しました。

私たちの子ども、孫にそうしたことを味合わせたくなければ、戦争を止めるしかないと述べました。そして、今の政府の、戦闘をしようとする人をつぶさなければならないと述べました。

夫婦ゲンカと戦争の共通点は、やっている時はいつまで続くかわからないが、終わってみるとなぜ争っていたらわからないことだと指摘しました。

講演を聴いて一つだけ疑問なことは、日本はお金がない国ではないのではないかということだと述べました。お金がないのではなく、私たちのために使うか、軍需産業のために使うかだと指摘しました。そして、私たちのためにお金と使わせなければならないと述べました。

F35戦闘機は、1時間飛ばすのに604万円かかるそうです。これは国民年金の9年分だそうです。燃料代と部品とメンテナンスのためで、部品は使用できる時間が決まっているそうです。

ジェット燃料は1時間に560リットル消費し、車では1,800台分の排気ガスと出すそうです。

そのF35戦闘機を、日本は147機買おうとしているそうです。

国がどんどん武器を買う時は、環境のことも私たちのことも考えていないと指摘しました。

そうなっているのは、歴史の勉強の仕方にあると述べました。戦争はずっと続くものと思わされていますが、ヨーロッパの49か国は戦争しておらず、普通の生活をしており、戦争をしているのは2ヵ国のみだと指摘しました。人口の2%だけが戦争をしていて、他は普通の生活をしていると述べました。だから、戦争はがんばれば止められると述べました。

ネフセタイさんは7年前、『国のために死ぬのはすばらしい?』という本を書いたそうです。人は国のために生まれたのでないと述べました。イスラエルの教育ではそうだったが、日本に来て違うと思ったそうです。

次は、『元イスラエル兵士が語る非戦論』という本を出すそうです。

私たちを戦争へ導こうとする政治家ではなく、ここにいるような人たちとともに戦争のない未来をつくろうと呼びかけました。

 

次に、埼玉憲法会議の渡辺さんが発言しました。

岸田首相は来年9月までに改憲すると言っており、この臨時国会で改憲案をつくろうとしていると指摘しました。

この11月が山場だと考え、埼玉憲法会議では67ヵ所636人が参加する9の日宣伝を行なったそうです。3万4,000円の募金が集まったそうです。

若い人に変化があり、内閣支持率が下がっているそうです。

浦和駅東口で中学生と対話ができ、真剣に話を聞いてくれ、ジャンケンで代表を決めてマイクを握り、「戦争は嫌だ!」と発言してくれたそうです。宣伝の写真を撮る高校生もいたそうです。

埼玉県では、虐待防止条例をストップし、所沢市長選で勝利しました。

3つの駅で宣伝をした自治体もあり、宣伝している人たちにさし入れをもらったところもあったそうです。そして、臨時国会での改憲案まとめは阻止されたと述べました。

戦争させない埼玉の会への激励も増えているそうです。継続は力だと述べました。

情勢は厳しさを増しています。憲法審査会の議論で、維新が自民党に詰めよる場面もあったと指摘しました。条文案制定のための作業部会をつくろうとしているそうです。

埼玉憲法会議では右翼とも対話し、日本を守ろうと呼びかけているそうです。

パーティー券問題はあるし、安倍国葬に税金が使われていることもあると述べました。

二度と改憲を口に出させないために頑張っていこうと呼びかけました。

最後に、毎週金曜日の宣伝の再現をするとして、第九の合唱のメロディーで9条の歌を歌って締めくくりました。

 

以上で報告を終わります。