まず、台風と水害の被害に遭われた皆さんにお見舞い申し上げます。
2019年は、正念場の年です。
憲法9条を中心とする憲法改悪を断念させ、沖縄の辺野古新基地建設をストップさせ、「自己責任論」を背景に進行し続ける社会保障切り下げに歯止めをかけ、特定秘密保護法・戦争法・共謀罪法などの悪法の廃止を求め、「働き方改革」一括法に含まれている毒を制し、よい部分を生かし、労働者をはじめとする99%の人たちのいのちと健康と働く権利を守るために行動し、憲法が活きる社会となることを目指し、声を上げ続けることを提起します。
11月1日、「ピースフォーラム2019」が開催されました。
今年の記念講演は、八法亭みややっこさんこと、弁護士の飯田美弥子先生に講師をお願いし、「歴史に学び、未来を志向する日本国憲法」というテーマでお話しいただきました。
落語を文章でご紹介するのも野暮ですので、今回は憲法の学習としてのポイントのみをまとめたいと思います。
八法亭みややっこさんとしての講演は、今回が265回目とのことでした。「安倍さんのせいで休む暇なし」だそうです。まさしくそうですね!
まずは、「憲法」とは何かということから始まりました。「憲法」は、法のピラミッドの頂点に立つものであり、国の形・あり様を決める法形態だと指摘されました。
日本の「憲法」は聖徳太子が制定した「一七条の憲法」が最初です。これは一条に「和を以て貴しとなし」とありますが、当時の世の中が乱れていたからこの条文から始まっているそうです。そして、仏教で国を統合しようとしているものだそうです。
その後、平安時代を経て武家の世の中になると憲法よりもお定め書きなどが重視されていましたが、明治時代になって大日本帝国憲法が制定されました。しかし、大日本帝国憲法は天皇主権を志向しており、形だけ立憲主義をまねただけの、見せかけの権力分立を採用している憲法だったということが指摘されました。立憲主義とは、国は人権保障のために存在しており、そのために憲法によって国家権力を分立させ、権力を縛るという考え方です。
日本では、日本国憲法がつくられて、やっと国民主権と三権分立が宣言されました。日本国憲法はつくられてから70年以上経っているので古びているなどと言われていますが、ヨーロッパ諸国の憲法は18世紀につくられているそうです。
日本国憲法の理念で重要なものの第一は、個人の尊厳原理です。つまり、何が幸せかは人それぞれであり、好きなように生きなさいという考え方です。そのために、憲法は人権保障と国民主権を定めています。
そして、もう一つの日本国憲法の重要な理念は、平和主義です。平和でなければ人は幸せになれないのであり、武力で平和はつくれないと、平和主義を世界に先駆けて宣言したのが日本国憲法です。
大日本帝国憲法の下では、そうした重要な理念が一つも実現されていませんでした。
当時の日本は男性中心社会であり、女性は無能力者とされ、選挙権もありませんでした。教育は統制され、天皇のために命を投げ出すことが教えられていました。靖国神社信仰が強制され、言論も統制されていました。選挙も制限選挙であり、男性も高額納税者でなければ選挙権がありませんでした。
本来、納税しているから権利が認められるというのはおかしく、世の中の役に立つかどうかは関係なく、生まれたての赤ちゃんからお年寄りにまで認められているのが人権であるということが指摘されました。
2012年につくられた自民党改憲草案は、安倍首相の理想が書かれているものであり、国の下に国民がいる、国のために国民がいるという考え方でつくられているそうです。
自民党改憲草案の第3条2項には、「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」とあります。現在、東京都の「10・23通達」に反対して、日の丸に頭を下げなかったり、君が代を歌わなかったりした教員が処分を受けたことを撤回するように求める裁判が行なわれているそうです。
第9条は「戦争放棄」から「安全保障」に変えられ、国は「国民と協力して、領土・領海及び領空を保全し…」となっています。
第102条、最後の条文の第1項は「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」となっており、立憲主義を否定しています。さらに、第2項では現行憲法の憲法尊重擁護義務の対象から「天皇及び摂政」を除いており、天皇が憲法から自由な存在になってしまっています。
また、第12条、第21条、第29条などの人権条項に「公益及び公の秩序」という語句が入ることにより、人権が制約されてしまっています。「公益及び公の秩序」とは、時の権力者が決めるものであり、現在では「安倍さんの好み」ということになってしまうそうです。
第13条の「個人として尊重」は、「人として尊重」となってしまっており、一人一人それぞれ違う幸せがあるということが否定されてしまっています。
第24条には家族相互の助け合い義務が付け加えられ、家族の問題は家族の中で解決しろという考え方が示されています。
また、第9章「緊急事態」が新設され、災害などに政府が迅速に対応するためだとしていますが、現在の政府は災害が起こっても国民そっちのけです。
第9条は、第1項の「戦力の不保持」が「戦力の不行使」とされ、第2項で「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」とし、平和主義を放棄しています。
しかし、自民党は9条を改正しようとしましたが9条の会の運動に阻まれ、次は96条を改正して改憲のハードルを下げようとしましたが、小林節氏に「裏口入学」だと批判されました。
その後、麻生副総理が「ナチスに学んだらどうか」と発言し、まさしくそれにならって、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行ないました。
しかし、日本国憲法の9条こそが平和を守る方法であり、輸出するなら憲法9条を輸出すべきだと指摘しました。
以上で報告を終わります。