労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

たくさんのご意見をいただきたいと思っていますので基本的にいただいたコメントは全て公開しますが、公開をご希望でない方からのご意見や表現に問題があるコメントは公開しないという選択をする余地を残すため、コメントは承認後公開とさせていただいています。トラックバックも承認後の公開となっております。(※「表現に問題があるコメント」とは、特定の個人を攻撃したり名誉を傷つけたりする表現を含むコメントや、特定の集団に対する差別表現などを含むコメントのことです。単に言葉遣いが乱暴であるという程度でしたら、基本的に公開しております。また、個人情報を明らかにしてしまうようなコメントについても、公開を差し控える場合があります)

なお、今のところアメンバー限定記事を書く予定はありませんので、アメンバーの新規登録は受け付けておりません。全ての記事を全ての方に公開していきますので、ご理解のほどをよろしくお願い致します。



2009.1.15追記 コメントのお返事を書いた記事についてはトラックバックできないように設定することにしました。同時に、コメントのお返事を書いた記事の無断転載は固くお断り致します。



2009.3.31追記 非公開コメントの基準に、「本筋から外れたことを持ち出して議論を混乱させるコメント」、「嫌がらせ、からかいと思われる表現を含むコメント」、「警告を受けても改めない人からのコメント」を追加します。そういったコメントに対してはお返事も致しません。(2009.3.14の基準は曖昧だったので変更しました)

2009.3.31現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開の扱いになっている人は1名です。


2011.10.20追記  トラブルがあり、一時コメント欄を閉めていましたが、本日から再開しています。なお、コメント非公開扱いの人が1名増え、2名となりました。


2011.12.25追記  非公開コメントの基準に、「人の不幸を楽しむためのコメント」、「人の不幸をあげつらうコメント」、「人の不幸を助長させるコメント」を追加します。


2012.3.19現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開と扱う人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は3名です。

「警告を受けても改めない人」の基準として、非公開コメントが通算10個を超した時点で完全コメント非公開扱いとすることとします。


2012.4.15追記  「表現に問題があるコメント」には当然セクハラ表現も含みます。コメントの内容のみならず、投稿者名にセクハラ表現を含むコメントも、本日より非公開と致します。過去にセクハラ表現を含む投稿者名を許容していたことに関しましては、不快感を抱かれた方にお詫び致します。


2012.8.20現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は4名です。


2013.10.30現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は5名です。


2015.10.29追記 これまで誹謗中傷、セクハラ、商業的宣伝目的のトラックバックの削除についての注意がありましたが、トラックバックは廃止になって久しいのでそれを削除し、同様のコメントを非公開扱いにするということに変更いたします。


2025年は、転換の年です。

今度こそ立憲野党による政権交代を実現し、悪政によって痛めつけられた医療・介護・社会保障を立て直し、防衛費倍増をやめさせて国民生活を豊かにするために税金を使わせ、平和憲法を活かした積極外交を行ない、核兵器禁止条約を批准し、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。

そして、戦争・紛争が一日も早く終結し、災害の被災者のための真の復興が行なわれ、世界中の人々が安心して暮らせるようになることを願います。

 

 

2月11日、「『建国記念の日』不承認 軍国主義思想の復活に反対し、思想と信教の自由を守る2・11埼玉県民集会」に参加しました。

以下、そこで行なわれた講演「敗戦80年、日本の戦争責任・植民地支配責任を問い直す」の概要をまとめます。講師は加藤圭木一橋大学教授でした。

 

加藤先生は人々の目線から見た植民地支配を研究していて、著書に『紙に描いた「日の丸」』などがあるそうです。植民地で行なわれていたのは、日の丸の強制、強権的な軍事基地建設、搾取、公害などだそうです。

また、1990年代から現在までは、歴史修正主義が強化された30年だと指摘しました。今の若い学生たちは、1945年以前のことも1945年以後のこともよく知らず、自分たちの受けてきた教育が排外主義的であることも知らないそうです。

加藤先生は1983年生まれで、現在41歳、歴史修正主義が拡大してくる中で生きてきたと述べました。狭山市出身で所沢高校に進学し、在学中に日の丸君が代が問題になったそうです。

先生の父親が小学校の教師で、子どもたちとキャンプへ行って戦後50年をテーマにキャンプファイヤーをやるなど、民主的な教育を実践していたそうです。当時、そのような教師たちの自主的な取り組みがたくさんあったそうです。先生の地元の「狭山ひまわり学校」では、1995年は「戦後50年」、別の年には「性教育」をテーマに議論したそうです。

1997年、日本軍「慰安婦」問題が中学校の教科書に載りました。加藤先生は中学2年生で、授業ではきちんとした説明がされなかったものの、それまでの学びがあったので、女性に対して「ひどいことがあった」ということは認識できたそうです。

なぜ1997年だったかというと、1990年代に被害者が名乗り出て証言し、歴史学者の吉見義明氏が関連史料を発見したことにより、1993年に河野談話で「歴史研究、歴史教育を通じてこのような問題を長く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという決意」が表明されたからだそうです。

しかし、中学校教科書に「慰安婦」が記述されたのは、1997~2001年度のみだったそうです。教科書攻撃が行なわれたためです。

教育学者の藤岡信勝氏は、「自由主義史観研究会」を発足し、1996年から産経新聞に「教科書が教えない歴史」という連載を開始したそうです。このタイトルがキャッチーで、多くの人たちに歴史修正主義が浸透していったそうです。そして、教科書執筆者への脅迫へと発展してしまったそうです。

1997年1月には「新しい歴史教科書をつくる会」が発足し、2月には「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が発足したそうです。この会の当時の会長が安倍元首相だったそうです。

2001年に「つくる会」の中学校教科書が検定に合格しますが、全国の市民が運動して教科書採択を阻止したそうです。

しかし、2002年版の教科書では「慰安婦」記述が後退し、記述したのは3社のみだったそうです。そして、そのうちの1社だった日本書籍は倒産してしまったそうです。

映画『教育と愛国』には、そういった経緯が取り上げられているそうです。

2006年版の教科書の「慰安婦」記述は2社のみで、沖縄戦の記述も後退してしまったそうです。

企業ぐるみの歴史修正主義も見られるようになり、フジ住宅では2013年頃から会社内で中国や韓国を批判する書籍や雑誌記事が置かれるようになり、差別主義的な文書を社内で掲示するなどといったことが行なわれたそうです。

2014年、第二次安倍政権下で教科書検定基準の改訂が行なわれ、2021年4月には政府閣議決定で「従軍慰安婦」ではなく「慰安婦」とすることが決められたそうです。つまり、日本軍の責任を否定するということであり、学問的成果を無視し、学問の自由を侵害するものだと指摘しました。この閣議決定は2022年の教科書検定に影響したそうです。

2024年に令和書籍の『国史』が検定に合格しましたが、この教科書は歴史修正主義で書かれているそうです。「慰安婦」という記述があるかどうかだけでなく、どう記述されているかも重要だと指摘しました。

大学でも、中高で日韓の問題は韓国が悪いと教わってきた学生が多数であり、ヘイトが悪い、侵略が悪いということはわかっていると言うが、それは一部のことだと思っているそうです。政権の立場が歴史修正主義的であるということは知らないそうです。

加藤先生は元所沢高校生として、1999年の国旗国歌法に関する経緯を振り返しました。所沢高校は、1989年に天皇が死去した際に半旗を掲げることに反発があり、国旗国歌を強制することに反対する決議が採択されたそうです。1997年、国旗国歌を強制したい校長と、自由自立を重んじる生徒、保護者、教師が対立したそうです。生徒たちは、毎年日の丸君が代を学ぶ学習会を開いており、侵略に使われたものと認識していたそうです。そして、生徒総会と職員会議で日の丸君が代は使わないと決めていたのに、校長と教頭が卒業式と入学式に使うことを強行したそうです。生徒たちは生徒会主催の卒業記念祭と入学を祝う会を開催し、入学式・卒業式は校長が勝手にやっていると出席しなかったそうです。しかし、生徒たちへのバッシングが起こったそうです。1999年、国旗国歌法が制定され、生徒たちは決議文を再検討することになったそうです。決議文に、国旗国歌の強制に法的根拠はないとしている部分があったからだそうです。4回、13時間の議論を行なったそうです。

このことは、国家権力が一つの学校の民主主義を踏みにじったということだと指摘しました。

2000年代、教育現場で「日の丸君が代」の強制が行なわれ、従わない教員の処分が行なわれたそうです。現場の教師は萎縮し、抑圧され、職員会議は議決機関ではなく補助機関にされてしまったそうです。現在の学生は、「日の丸君が代」が卒業式や入学式に使われるのが当たり前になっており、思想統制が完成してしまっていると指摘しました。若い人が気にしなければいいということではなく、歴史経過に問題があると述べました。

「日の丸君が代」の強制がなぜ問題なのかというと、第一に、「日の丸君が代」に限らず、どのような旗・歌であっても国旗国歌を強制すること自体に問題があると指摘しました。第二に、「日の丸君が代」の歴史的役割、民主主義との関係に問題があると述べました。「日の丸君が代」は侵略と植民地支配を遂行した天皇制による軍国主義の肯定であり、それらへの反省の欠如を示していると指摘しました。

1997年7月26日、「対話集会 日本で民主主義が死ぬ日-「日の丸・君が代」法制化を考える」が開催されたそうです。

反対運動の歴史が継承されていないのは思想統制の成果であり、対立があることすら知らない人が多いと指摘しました。

2006年、第一次安倍政権下で、教育基本法の改正が行なわれ、教育の国家統制が強化されたそうです。

「慰安婦」問題を考える教師への攻撃が行なわれ、性教育への弾圧も同様に行なわれたそうです。

現在は、日の丸はスポーツ競技やSNSでカジュアルに使われており、歴史があることも知らないと指摘しました。

 

戦後80年をめぐって、考えなければならないことが取り上げられました。

まず、「あの戦争」とは何を指すのかということです。

日米の戦争、対中国15年戦争、この部分だけを見るのでは不十分だと指摘しました。

加藤先生が教えている学生たちが『大学生が推す深掘りソウルガイド』という本を出したそうです。その第1章で、仁川国際空港が紹介されており、空港がある永宗島は、日本の朝鮮侵略の始まりとなった地点だと紹介しているそうです。150年前の1875年、「江華島事件」が起こりました。日本軍が徴発して朝鮮側に1発撃たせ、日本軍が侵攻をし、侵略を正当化したそうです。江華島は永宗島の北の大きな島で、江華島だけでなく永宗島も侵略されたそうです。朝鮮兵35人が殺害され、永宗鎮戦没英霊追慕碑が建てられているそうです。

1894年から1895年の日清戦争、1904年から1905年の日露戦争は朝鮮侵略戦争であり、戦場になったのは朝鮮と中国だと指摘しました。朝鮮民衆が自主的に封建王朝を乗り越えようとしたのを日本軍が制圧し、朝鮮民衆が3~5万人虐殺されたそうです。

1990年代、日韓歴史対話が行なわれ、君島和彦氏は韓国側から見れば「70年戦争」だと述べたそうです。

次に、アジアにとって「戦争」は終わったのかということが問いかけられました。

2024年に起こった韓国の12・3内乱事態は、尹大統領が「非常戒厳」を宣布したことで始まりました。

尹政権とはどのような政権化というと、日本から見ると「史上最悪の日韓関係」を改善したと見られていますが、それは歴史問題をなかったことにしようとすることだと指摘しました。徴用工問題については、韓国政府が日本被告企業に代わって賠償金を支払う「解決策」を示したそうです。軍事独裁政権の流れをくむ保守政権だそうです。反共、親米、親日であり、日米韓の軍事的連携の強化をはかるため、障害となる歴史問題を抑え込もうとしたということです。

その根源はどこにあるかというと、日本の民族分裂政策にあると指摘しました。日本の植民地支配に協力した「親日派」と呼ばれる人たちがいたそうです。1945年の解放後、「親日派」は支持されず、民族解放運動を闘った人たちが中心になって韓国国家建設を目指したそうです。しかし、米国軍政下で「親日派」が復権し、1950年に朝鮮戦争が起こり、「反共」を国是としたそうです。

韓国民主化後、2003年から2008年には進歩派の廬武鉉政権が歴史問題の真相究明を行なったそうです。それに対して「ニューライト」と呼ばれる勢力が台頭し、「自虐史観」であると攻撃したそうです。

尹政権は民主主義を否定し、植民地支配の歴史を歪曲し、人権を踏みにじってきたと指摘しました。そのため、韓国の人々の怒りをかい、弾劾されるに至ったとのことでした。

韓国では、日本が行なってきた植民地支配と民族分裂政策が影響しているそうです。

日本人の中には差別意識が根強く残っており、歴史を学ぶ必要があると指摘しました。

そして、「日本の平和」は朝鮮半島の分裂を前提としており、朝鮮半島では戦争は終わっていないと指摘しました。

加藤先生が教えている学生たちは、『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』という本を大月書店から出版したそうです。

学生たちが、自分たちが歴史を学んだ以上は何かしたいと考え、「モヤモヤ」という言葉を生みだしたそうです。この本は1万2,000部売れたそうです。

なぜあえて出版にしたかというと、手元に置きたくなるような本、親しみやすい本を目指したということと、歴史に関しては体系的な知識が必要だからだそうです。

この本はK-POPファンなどの中で話題になり、取材もされ、続編もつくられたそうです。

『大学生が推す深掘りソウルガイド』は、一般のガイドブックのように見えて歴史が学べる本となっているそうです。

これらの本は授業でも使えるそうです。教師が教えると反発されますが、大学生が語っているということで共感されるそうです。韓国でも関心をもたれているそうです。

こうした学生たちの活動があるということが、希望を持てることとして紹介されました。

 

以上で報告を終わります。

 

 

2025年は、転換の年です。

今度こそ立憲野党による政権交代を実現し、悪政によって痛めつけられた医療・介護・社会保障を立て直し、防衛費倍増をやめさせて国民生活を豊かにするために税金を使わせ、平和憲法を活かした積極外交を行ない、核兵器禁止条約を批准し、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。

そして、戦争・紛争が一日も早く終結し、災害の被災者のための真の復興が行なわれ、世界中の人々が安心して暮らせるようになることを願います。

 

 

2月5日は、当組合の中央執行委員会を行ないます。春闘要求について議論します。

 

2月6日は、岡山労働者学習協の早春レベルアップ学習会にオンライン参加します。

 

2月12日は、当組合の春闘要求決定のための中央委員会を開催します。

 

2月15日は、地域総行動に参加します。

 

2月17日は、当組合と理事会の中央経営協議会を行ないます。

 

2月19日は、2025年春闘の第1回中央交渉を行ないます。要求を提出します。

 

こんな感じで今月も頑張ります。

 

2025年は、転換の年です。

今度こそ立憲野党による政権交代を実現し、悪政によって痛めつけられた医療・介護・社会保障を立て直し、防衛費倍増をやめさせて国民生活を豊かにするために税金を使わせ、平和憲法を活かした積極外交を行ない、核兵器禁止条約を批准し、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。

そして、戦争・紛争が一日も早く終結し、災害の被災者のための真の復興が行なわれ、世界中の人々が安心して暮らせるようになることを願います。

 

 

1月28日、埼玉県社会保障推進協議会(以下、埼玉社保協)主催の2025年新春社会保障学習決起集会に参加しました。

以下、その概要をまとめます。

 

開会あいさつは、埼玉社保協の斎藤顕会長が行ないました。

1月24日に国会が開会し、石破首相の演説は実感とかけ離れた内容だったと指摘しました。国民の暮らしは大変な状況で、物価高騰がさらに窮状をもたらしています。高額療養費の上限引き上げが患者に追い打ちをかけようとしています。全世代型社会省は、若者と高齢者を対決させながら、負担増をもたらしています。年金は物価上昇に追いついていません。国民は今の暮らしを打開し、暮らしやすい社会をつくることを望んでいると指摘しました。様々な声を集めて、地域から政治を変えていく流れをつくろうと、決意を固め合う集会にしようと呼びかけました。

続いて、各団体からの発言が行なわれました。

医療生協さいたまの久保田さんは、受療権を守るたたかいについて発言しました。昨年12月2日に従来の健康保険証の発行が停止され、マイナ保険証での受診が少し増加し、混乱が続いていると述べました。マイナ保険証は資格確認に時間がかかり、トラブルが起きると長蛇の列ができてしまい、説明・サポートに人員が必要になり、読み取り機のコストもかかると指摘しました。マイナ保険証は患者にはメリットがなく、便利でも安全でもないと述べました。これは歴史に残る愚策であり、障害者、高齢者、認知症の方などの受療権が侵害されかねないと述べました。登録されている氏名の誤りなども改善されていないそうです。従来の保険証存続を求める運動がますます必要であると述べました。そして、医療を受ける権利は重要な人権であり、取り残される人がいないように現場が注視する必要があると述べました。

埼生連の笹井さんは、新生存権裁判について発言しました。自公政権が過半数割れとなり、少しはましな政治を願ってもいいだろうかと述べました2013年、生活保護基準が引き下げられ、憲法25条違反だとして「いのちのとりで」裁判が起こされました。今年で20年目を迎えています。全国29の裁判が行なわれ、原告は1,000人以上だそうです。その裁判の結果に、ここ2年で変化が起こっているそうです。2022年5月の熊本地裁勝利判決以降、ほとんどの裁判で原告が勝ち、地裁判決では18勝11敗となっているそうです。なるはやで基準を戻すべきだと述べました。1月9日の東京高裁での「いのちのとりで埼玉裁判」でには、100席の傍聴席が埋まったそうです。高裁での成績は現在のところ1勝3敗ですが、高裁でも勝利が続けられるよう頑張ると述べました。本日(1月28日)には国会で決起集会が行なわれ、490人が参加し、16ヵ所でZOOM視聴され、原告7人が発言したそうです。物価高騰により、米も卵も野菜も2倍以上に値上がりしています。生活保護を受けているのに生活が厳しく、「経済苦」で自死した人は2023年で118人にのぼったそうです。それなのに国は、生活保護世帯に月額500円の特例加算しか行なわないそうです。キャベツは1個400円、レタスもブロッコリーも1つ300円となっている今、1世帯に1か月500円では焼石に水だと指摘しました。まさに命の瀬戸際であり、参院選も頑張りましょうと呼びかけました。

埼商連の金澤さんは、国保問題について発言しました。埼商連は中小業者の団体であり、物価高騰、消費税10%、インボイスで追い打ちをかけられていると述べました。県議会では、自民党がインボイス廃止を求める意見書をあげたそうです。インボイスは大増税へレールを敷くものであり、大軍拡につながると指摘しました。国保は2027年に県で統一されることになっていますが、児玉郡や秩父郡市は所得、医療格差が大きく、診療科も不足していると述べました。群馬県の医療機関へ行く人もいて、クローズアップ現代で医師が「秩父市は医療崩壊している」と発言したそうです。国保は15万3,000世帯が滞納しており、差し押さえは7万件、16億円換価されているそうです。法定軽減は163億円となっているそうです。こうした中、国保の統一はあり得ないと指摘しました。みんなで一緒に取り組まないと方向は変えられないと述べ、一番大切なのは憲法25条、生存権の保障だとし、ともに頑張りましょうと呼びかけました。

埼玉土建の戸田さんは、土建国保を守るたたかいについて発言しました。土建国保は1970年に設立した、建設労働者のための国保組合です。建設労働者には社会的補償が少なく、それを補うために土建国保では所得補償、無料の健康診断とがん検診を設け、アスベスト対策も強化したそうです。1月からは、各支部で仲間の力で国保組合を守ることを掲げて、大学習運動に取り組み、制度学習やマイナ保険証問題の学習などを行ない、仲間の土建国保で助かったという声も集め、国保の財政状況も理解し、国の社会保障の状況を明らかにするようにしているそうです。これまでは保険証を渡す会を開いて学習の機会としていましたが、これからは資格確認書を渡す会とし、マイナ保険証のひもづけを解除することができることも知らせていくとのことでした。社会保障拡充のために頑張っていきましょうと呼びかけました。

 

続いて、記念講演が行なわれました。

講演は「戦争する国づくりストップ、社会保障を守るために」というテーマで、講師は全労連の秋山正臣議長でした。

秋山さんは元は兵庫県で公務員をしていて、30年前に阪神淡路大震災を経験したそうです。全労連の専従になって東京へ来て、副議長だった時に中央社保協の中央委員を務めたそうです。

はじめに、2024年の総選挙で自公政権が過半数割れとなり、かなり野党に気をつかうようになりましたが、問題は野党がまとまって国民のための政治を追求できるかだと述べました。補正予算は、国民民主党と維新の会が早々と賛成し、立憲民主党も危うく、オール与党化の危機にあると指摘しました。我々が監視を緩めれば違う方向へ行きかねないと述べました。

今日は5つのポイントについて話すと述べ、第一のポイントは社会保障とは何かだと述べました。

2011年度厚生労働省白書によると、1955年までを皆保険・皆年金実現以前とし、戦後、GHQが国家責任の原則、無差別平等の原則、最低生活保障の原則という「公的扶助三原則」を示し、1950年に生活保護法が制定されたそうです。1951年に社会福祉事業法が制定され、1954年に現在の厚生年金の姿になったそうです。

1956年から国民皆保険構想が始まったそうです。高度経済成長期の1960年、生活保護世帯の55.4%は世帯主や世帯員の病気が原因だったそうです。この頃がどんな時代だったかというと、理髪は1回250円、映画は1本140円で、サラリーマンの平均月収は4万5,000円だったそうです。1961年に国民皆保険・皆年金がスタートし、1964年は東京オリンピックが開催され、新幹線が開通しました。1973年には健康保険の家族給付率が引き上げられ、高額療養費制度が導入され、年金は物価スライド制が導入されたそうです。

しかし、1973年のオイルショックをきっかけに、社会保障の改悪が始まりました。1983年は年度予算に「マイナス・シーリング」が採用され、社会保障予算も厳しい抑制が行なわれたそうです。1994年には基礎年金支給が65歳からとされ、年金の一元化が行なわれ、3つの共済組合が厚生年金へ統合されたそうです。2000年には厚生年金保険法の改正により、2階部分も65歳から支給開始となったそうです。2008年には金融危機が起こり、後期高齢者医療制度がつくられたそうです。

つまり、経済成長と運動によって社会保障は改善されてきましたが、オイルショックやバブル崩壊で財政危機になると改悪へと向かうようになったということです。

税と社会保障の一体改革では、社会保障の負担は消費税を引き上げてまかなうとされました。しかし、消費税は中小業者いじめの税であり、低所得者ほど負担が重くなり、国にとっては取りやすい税だと指摘しました。

第二のポイントは、分野ごとに考えるということだと述べました。

医療分野については、医師や看護師は足りているのかというと、欧州は1000人あたりのベッド数と医師数がほぼ同じであるのに対して、看護師はベッド数よりの多いそうです。日本では看護師数とベッド数がほぼ同じで、医師は少ないそうです。そのため、日本の医師と看護師は長時間労働になっていると指摘しました。国民医療費はずっと増加し続けていますが、これは高齢化が進めば当然だと指摘しました。

介護分野については、介護保険料の引き上げが続き、2024年度は大阪府で9,000円超となっているそうです。利用料も引き上げられています。制度崩壊しかねない状況であり、一部では既に崩壊していると指摘しました。2024年度の介護報酬改悪により、訪問介護の事業所の倒産が増加し、介護事業所の倒産は過去最高になっているそうです。

年金分野については、年金財政の検証が行なわれ、パート労働者への年金保険料適用拡大が実施されようとしているそうです。拠出期間の延長も提案されており、40年間から45年間へ、60歳までから65歳までにしようとしているそうです。マクロ経済スライドの見直しも行なわれるそうです。そもそも、年金は物価が上がれば上がる仕組みですが、マクロ経済スライドで物価上昇よりも賃金の上昇が少なければ上昇率を抑える仕組みになっているそうです。

障害福祉サービスの分野では、支出が増加していますが、これは障害者の範囲が広がったからだそうです。以前は身体障害者だけが対象でしたが、知的障害者、精神障害者が対象となりました。

生活保護分野では、受給世帯が一時期減りましたが、最近また増加しており、高齢者世帯が多いそうです。

第三のポイントは、財政と社会保障だと述べました。

人口推計によると、人口は減少し、高齢化率が上昇するとされているそうです。1992年から2024年の予算の変化を見ると、社会保障が予算の4割を占めているのは変わりませんが、防衛費が4兆円から8兆円と倍増しているそうです。これは、2000年の省庁再編の影響があり、防衛庁が防衛省となったことで大臣がつき、予算を確保する力が強まったそうです。予算を圧縮しなければならないという議論になると、社会保障は最も支払いが多いので狙われるそうです。一人一人の国民の負担も増えており、保険料率が引き上げられているそうです。社会保障の負担は、国庫が37.7兆円、保険料が80.3兆円、地方負担が17兆円であり、保険料を下げるには国庫負担を引き上げる必要があると指摘しました。

第四のポイントは、戦争させないということだと述べました。

ようやくガザで停戦が行なわれましたが、イスラエルはまだレバノンなどで小競り合いを続けており、ヨルダン川西岸地区の支配も続いていると指摘しました。ウクライナとロシアの戦争も続いています。ウクライナは地政学上重要と見なされており、ロシアは黒海を抜けて地中海へ出るルートを確保したいのだそうです。中国の海洋進出も行なわれています。

一方、ASEANの取り組みは、対話で戦争をさせないというものだそうです。

アメリカはトランプ大統領となり、関税の引き上げを行いました。日本へは駐留米軍のための費用引き上げを言ってくるのではないかと述べました。NATO諸国へは軍事費をGDP比5%へ拡大することを求めており、日本へも軍事費増加が要求されれば、社会保障削減へ向かうだろうと指摘しました。

第五のポイントは、声を上げようということだと述べました。

ここで、近くの席の人たちと、「デモをやっても変わらないのではないか」、「署名にどれくらいの力があるのか」、「公務員だから中立の立場なので投票は行けない、政治活動は職場を混乱させるといったことをどう考えるか」ということを、5分間話し合うことが呼びかけられました。

話し合いの後、「デモをやっても変わらないのではないか」ということに対しては、社会にアピールすることができると述べました。しかし、日本ではデモが報道されないことが問題であり、デモをマスコミに報道させること、情報発信することが重要だと述べました。

「署名はどれくらい力があるのか」ということについては、集めれば力になり、特に地方では政策に跳ね返ってくると述べました。

「公務員だから投票に行けない」という考えに対しては、基本的人権として投票権があり、政党にも入れると述べました。ただし、政党の役員にはなれないそうです。

「政治活動は職場を混乱させる」という考えに対しては、大企業では職場での政治活動を就業規則で禁止しているところもあるが、いかに変えていくかが重要だと述べました。

声を上げれば変わるということが実感できることが重要であり、特に労働組合の運動で勝ち取ったことをアピールし、前向きになれる運動にしたいと述べました。

頑張ったことへのお礼、こうした集会へ集まってくれたことへの感謝の言葉を述べることも大事だと述べました。

運動は同じことを繰り返すとだれてしまい、変化が必要だと指摘しました。しかし、あきらめ悪く続けることも大事だと述べました。

政治を変えるには、投票率を上げる必要があると指摘しました。半分の人は投票に行っていないのであり、その人たちにどうアピールするかが重要だと述べました。その人たちが自主的に投票に言ってくれるような運動をしようと呼びかけました。

参議院選挙で自公の議席を減らさせるには野党共闘が必要であり、中央では難しいが、地域では話し合いが進んでいると述べました。東京都議選でもしっかりした運動をすべきであり、総選挙の可能性もあると述べました。少数与党での国会運営がどうなるか注視すべきであり、内閣不信任案可決の可能性もあると指摘しました。

社会保障予算をしっかり考える政党が伸びるように運動をするべきであり、仲間がいることが大事だと述べました。情報発信については、SNSの不確かな情報に流されないように、信頼できる職場の機関誌を広げるべきだと述べました。労働組合の運動については、権利は使わないと後退してしまうのであり、ストライキを行なうことを呼びかけました。賃上げや、非正規労働者を正規化することなどの要求があります。

運動することによって制度を改善させていくべきであり、戦費調達の圧力を跳ね返すために、団結して声を上げていこうと呼びかけました。

続いて、質疑応答が行なわれました。

連合もストライキをする動きがあるとのことだが、スト権投票が行なわれているのかという質問に対しては、連合は各単産で違いがあり、大手は使用者との話し合いで決めているが、UAゼンセンなどでストライキをやろうというところがあり、ストライキをやる場合はスト権投票を準備していると述べました。そごう労組は上部団体が知らないうちにストライキを準備したそうです。また、地方都市ではいくつかの労働組合でストライキが行なわれており、北海道のバス会社は、料金を取らずにバスを運行するというストライキを行なったそうです。しかし、連合の人はなかなか会ってくれず、新年会でも名刺交換だけだったと述べました。

兵庫県などでネットの力を見せつけられたが、どのような戦略を持っているかという質問に対しては、今広がっているのはYouTube、インスタ、TikTokなどの2分ほどの動画で、ワンイシューで広げていると述べました。しかし、きちんと伝えようとしたら時間が必要であり、やりにくいと述べました。全労連ではXの発信はやっているが、変なところで噛みつかれるのが悩みだそうです。発信するだけでなく、仲間が拡散することが大事であり、つなげる作業をしていきたいと述べました。

 

次に、行動提起が行なわれました。「戦争する国づくりを許さず、社会保障の拡充をめざし、25国民春闘で大幅賃上げを」がスローガンです。具体的には、「国民春闘に合流し、「いのちと暮らし守れ」の声を、全世代に広げよう」、「憲法の改正を許さないために、夏の参議院選挙で自公政権を少数与党に追い込もう」、「各分野の運動を前進させ、2025年自治体要請キャラバンを成功させよう」の3点が提起されました。

閉会のあいさつは、埼労連の藤田議長が行ないました。藤田議長は、非常に勉強になった講演だったと述べ、私たちの要求や課題ははっきりしており、国会や県議会を注視し、楽しい運動を行なっていこうと呼びかけました。

本集会の参加者は、12団体83人で、Zoom参加は8人だったと報告されました。

 

以上で報告を終わります。