国内外の災害の被災者の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い生活再建をお祈り申し上げます。
2026年は、正念場の年です。
医療・介護・福祉の制度改悪と負担増にストップをかけ、防衛費倍増をやめさせて庶民の生活を豊かにするために税金を使わせ、外国人や社会的弱者を敵視して真の闘うべき相手から目をそらさせる誤魔化しにだまされず、核抑止の矛盾を明らかにして核兵器禁止条約を批准させ、全産業平均よりも何万円も低い医療・介護従事者の賃金を改善し、最低賃金を大幅に引き上げ、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。
9月13日、第33回埼玉社会保障学校にオンライン参加しました。
以下、その概要をまとめます。
第一講座は、「日本の社会保障の現在地~あるべき社会保障への問題提起~」というテーマで、講師は労働者教育協会理事の原冨悟さんでした。
原冨さんは、みんなで議論したり、関心を持って調べたりするための話の糸口としての問題提起をしたいと述べました。
まず、「保険」なのに、医療・介護は給付の際に自己負担があるのはおかしいと思わないかと問いかけました。
1983年まで、労働者の医療費は窓口無料で、その年から1割負担になったそうです。
それ以降に社会へ出た人にとっては自己負担があるのが「当たり前」ですが、例えばイギリスでは国民医療を税金でまかなっているので、病院にはお金を払う窓口がないそうです。
制度上、「当たり前」と思っていることに疑問を持つべきであり、議論するべきだと指摘しました。
最低賃金についての議論の中で、エキタスがネットで「時給1,500円になったら何をする?」と聞くアンケートを行なったことがあったそうです。その回答の中に、「病院に行ける」というものがありましたが、これは窓口負担があることが前提になっていると指摘しました。この解決への道は2つあり、1つは賃金を上げることで、もう1つは医療費自己負担をなくすことだと述べました。
両面から考えてみるべきであり、レジメであげたもの以外にももっとあるはずだと指摘しました。
富裕層と貧困層の二極化は当たり前なのか、富裕層はなぜ豊かになったのかという問いが提示されました。
また、ミサイルを買う金はあっても、なぜ国保税や介護保険料は安くならないのかという問いが提示されました。
トマホークは1発7億円もしますが、日本はそれをアメリカから400発買う予定だそうです。しかし、アメリカがイラで使い過ぎてしまい、納期が遅れているそうです。
税制や社会保障はわかりにくいと言われますが、わかりにくいのが問題であり、社会保障は権利なのだから、権利を行使するために理解できなければならないと指摘しました。
2026年度予算は122兆3,092億円で、国民1人当たり100万円という水準だそうです。
政策経費は70兆円であり、防衛関連費は8兆9,843億円で、社会保障費は39兆559億円だそうです。
社会保障全体は、国庫から39兆円、社会保険料83兆円、地方税から22兆円だそうです。
税収構造の変化は、1989年は消費税3.3兆円、所得税21.4兆円、法人税19兆円だったのに対して、2026年は消費税21.7兆円、所得税25.3兆円、法人税20.7兆円だそうです。
所得税負担率は、所得1億円を越えると負担率が下がるようになっているそうです。
平均賃金は低下しており、1998年は485万円でしたが、2022年は458万円となり、2025年は478万円となっているそうです。
「社会保障国民会議」とは、内閣官房によると、「国民の受益と負担に深く関わる『給付付税額控除』や…消費税が社会保障の貴重な財源であるとの認識を有し…政党が共同で開催」するものだそうです。つまり、そうでない政党は排除されるということだそうです。
その「中間取りまとめ」が2026年7月29日に出されましたが、所得に連動したきめ細やかな給付、一定の税・社会保障料負担があるものを対象とする、令和9年4月から2年間、食料品の消費税を1%とする、食料品に係る消費税1%の範囲内で「所得に連動したきめ細やかな給付」を令和9年度に導入するという内容だったそうです。
つまり、中低所得勤労者に給付が限られ、消費税減税や物価対策とは政策対象が異なると指摘しました。そして、2年後に食料品の税率を戻せば大増税になると指摘しました。
どうもおかしいと述べました。
高市首相は「消費税現在は私の悲願」と言いましたが、2年間のつなぎに過ぎないものとなっています。
国会で、国民の見えるところで議論すべきであり、「給付付税額控除」ではなく「所得連動給付」だと指摘しました。
そして、財源を見つけて、消費税をゼロにすべきだと指摘しました。
発端は国民の「何となくの不満」ですが、「何となく」が何なのか、きちんと議論すべきだと述べました。
ここで、日本の社会保障の変遷を振り返りました。
戦後、憲法に基づいて、社会保障の制度整備が行なわれました。
1981年の臨調以降、90年代の新自由主義の下で、社会保障の削減が続きました。
2012年、社会保障制度改革推進法がつくられ、社会保障のさらなる切り下げが行なわれました。これは、当時与党の民主党と野党自民党の共犯だと指摘しました。
2019年に全世代型社会保障検討会議が設置され、世代間対立をあおり、現役世代の負担軽減が社会保障切り捨ての理由とされました。社会保障費の自然増の圧縮は、窓口負担増、給付の切り下げにつながりました。
後期高齢者医療費へ、現役就労者の健康保険から「支援金」が支払われていることも、世代間対立を制度上あおることになりました。
1954年のMSA(日米相互援助条約)反対闘争後、自衛隊へ予算をまわすために社会保障各分野の給付が削られたそうです。
MSA反対闘争と朝日訴訟は、憲法と社会保障は関係するという認識と軍事費に金をまわすなという運動につながり、1958年に中央社会保障推進協議会が発足したそうです。
しかし、せめぎ合いの歴史を経て、軍事大国化への歩みが進められ、防衛費へお金をまわすことの強化が行なわれ、2016年には5兆円を突破し、2025年にはGDP比2%枠が突破されてしまいました。
あるべき社会保障を考えるにあたって、2025年の国民生活基礎調査が示されました。
それによると、全世代では「大変苦しい」が23.3%、「やや苦しい」が32.2%、「普通」が38.5%、「ゆとりがある」が6.1%だったそうです。つまり、「大変苦しい」と「やや苦しい」を足すと5割以上であり、苦しいことが普通になっていると指摘しました。
高齢者世帯では「大変苦しい」が21%、「やや苦しい」が31.1%、「普通」が41.7%、「ゆとりがある」が6.2%だったそうです。
母子世帯では、「大変苦しい」が43.4%、「やや苦しい」が38.8%、「普通」が15.8%、「ゆとりがある」が2.1%だったそうです。
考える視点として、制度をつくるのは全く苦しんでいない人たちであり、生活と労働、暮らしと仕事に根ざして考えることが提起されました。
また、税と保険料の両面から、税の使い道を含めて考えることが提起されました。
社会保障は法律で定められており、日本国憲法を土台に据え、権利として考えることも提起されました。
法律は、「正当に選挙された」国会議員が議論して定めるものであり、それは国民の代表者が国会で決めるということだと指摘しました。
正当な代表者を選ぶという気概を持たなければならず、政治から逃げず、生活をよくしようと思ったら法律に、政治に向き合わなければならないと指摘しました。
そして、わかりやすい制度にしなければならないと指摘しました。
餓死した子どもの母親は、「生活保護という言葉は知っていたが、自分に関係があることとは知らなかった」と言っていたそうです。
制度を知ることによって改善の方向が見えてくるのであり、制度を「知る」、わかりやすくすることが必要だと述べました。
第二講座は、「憲法25条と社会保障~モラトリアム化したプログラム~」というテーマで、講師は元立命館大学教授の唐鎌直義さんでした。
唐鎌さんは大学の先生からヨーロッパの研究者は1つの大学に留まらないと言われて実践してきたため、20年以上の在籍が必要な「名誉教授」にはなれなかったそうです。また、長くいればいるほど退職金が上がるのが日本の制度であり、退職金が長くいた人の3分の1から4分の1だったそうです。
「モラトリアム」とは、執行猶予、執行停止の意味だそうです。
憲法25条はプログラム規定であると言われており、それは国が「これからこうしますよ」という規定だという意味だそうです。どこかの時点で「実施する」としなければならなかったのですが、そうはなっていません。
朝日訴訟の翌年、日本は世界第2位の経済大国となりましたが、憲法25条はプログラム規定のままでした。国は憲法25法を実施する気がなく、国民一人一人に生存権を保障していません。つまり、憲法25条がモラトリアム化している、執行停止になっているということだと指摘しました。
ヨーロッパでは国民に最低限の生活を保障しているのに対し、日本の国民年金の最低保障は月額1万数千円だそうです。
医療、介護、住宅にも最低保障がなく、困ったら生活保護を受けることになります。
生活保護を受けるのはとても厳しくなっています。
大阪で講演をした際、ある弁護士が「生活保護は簡単に受けられる」と言ったのに対して、高槻市のケースワーカーは「うちでは先生が言った通り厳しい」と述べたそうです。
日本の生活保護はあらゆるものをカバーするいい制度ですが、諸外国では制度ごとに最低保障があるから、生活保護は生活保障のみとなっているそうです。
「SDGs」は持続可能な経済発展の目標値という意味ですが、地球環境を守るには、それを阻害する社会保障の支出を抑えることになると指摘しました。
企業一家主義により、労働者も企業を守ろうとし、公害問題が黙認され、住民運動を行なうことになったと指摘しました。
日本の社会保障のレベルは低く、このレベルのままで高齢化して社会が破綻するなら、ヨーロッパはとっくに破綻しているはずだと指摘しました。
日本の社会保障は、ヨーロッパと比べて企業の負担が低すぎ、一方で国民の負担率は高く、日本では企業の内部留保が増大していると指摘しました。元の法人税に戻せば税収は増加します。
高齢者は元は多くが企業の労働者ですが、しかし、高齢者になった途端にどこにも属さない人になると述べました。
日本人にとって職歴が重いのは、労働組合が企業労働組合だからですが、イタリアでは年金者組合が最大組織だそうです。賃上げも年金引き上げも連動しており、最低保障年金は月8万円で、年間13カ月分が支給され、現在は14カ月分とする闘争をしているそうです。
なぜ日本の社会保障は「持続不可能」と言われるのかと問いかけました。ヨーロッパと比較すると高齢者保障も劣悪だと指摘しました。そして、ヨーロッパでは子育て支援も充実していますが、日本では子育ては母親が、できなければ祖父母がするものだとされ、日本の高齢者は56%は働いていると指摘しました。老人会が解散するなど、老後の楽しみがなくなっており、菊花展がなくなるなど高齢者文化も衰退しているそうです。
日本全体で消費が縮小傾向、つまり、国内でものが売れなくなっていますが、輸出した方がいいので企業は円安を歓迎しているそうです。海外へものを売るためには軍事力が必要だとして軍拡が進められていますが、資本主義として不健全だと指摘しました。
日本の社会保障の現状を国際比較で見てみると、2020年の国民総所得はアメリカが約21兆ドル、日本が約5兆2千億ドル、ドイツが約4兆ドル、フランスが約2兆7千億ドル、イギリスが約2兆6千億ドル、スウェーデンは5,645億ドルで、社会支出率はアメリカは36.82%、日本は36.27%、ドイツは42.60%、フランスは50.68%、イギリスは34.34%、スウェーデンは41.64%、1人当たり社会支出はアメリカが最も多く、次はスウェーデン、ドイツ、フランス、日本、イギリスの順だそうです。日本とアメリカの社会保障は市場任せだと指摘しました。
現役世代の日本人は圧倒的に低い社会保障で暮らしており、政策分野別社会支出の国際比較を見てみると、現役世代関連6分野の支出割合は、スウェーデンが36.5%、フランスが29.2%、ドイツが29.0%、イギリスが28.4%、アメリカが21.0%、日本が18.5%だそうです。特に失業分野への支出割合が低く、スウェーデンが1.9%、フランスが7.9%、ドイツが4.9%、イギリスが0.5%、アメリカが2.8%、日本が0.9%だそうです。イギリスが日本よりも低いですが、イギリスでは給付付き税額控除へ移行しているため、統計がわかりにくくなっているそうです。
高齢関連3分野の国民1人当たり社会支出の国際比較は、スウェーデンが14,394ドル、フランスが14,315ドル、ドイツが14,631ドル、イギリスが9,847ドル、日本が12,262ドル、アメリカが18,441ドルだそうです。
今の政治体制のままでは日本の社会保障がよくなることはなく、国民を「社会保障が破綻する」とだましていると指摘しました。
イギリスの警句に、「地獄への道は善意で舗装されている」というものがあるそうです。
現役世代関連6分野の国民1人当たり社会支出の国際比較は、スウェーデンが8,287ドル、フランスが5,904ドル、ドイツが5,967ドル、イギリスが3,905ドル、日本が2,783ドル、アメリカが4,890ドルだそうです。失業分野は、スウェーデンが431ドル、フランスが1,597ドル、ドイツが1,008ドル、イギリスが68ドル、日本が135ドル、アメリカが652ドルだそうです。積極的労働市場政策は、スウェーデンが772ドル、フランスが424ドル、ドイツが391ドル、イギリスがなし、日本が451ドル、アメリカが2,049ドルだそうです。これは2020年の数値なので、コロナ禍対策で数値が大きくなっているとのことでした。
社会保障財源の対GDP比での国際比較では、スウェーデンは事業主拠出が12%、被保険者拠出が2.8%、一般政府拠出が15.5%、合計30.3%だそうです。フランスは事業主拠出が14.1%、被保険者拠出が5.8%、一般政府拠出が13.5%、合計33.4%だそうです。ドイツは事業主拠出が10.8%、被保険者拠出が9.9%、一般政府拠出が10.4%、合計31.1%だそうです。イギリスは事業主拠出が7.9%、被保険者拠出が3.2%、一般政府拠出が14.0%、合計25.1%だそうです。日本は事業主拠出が6.6%、被保険者拠出が6.9%、一般政府拠出が9.5%、合計23.0%だそうです。
社会保障財源の構成比は、スウェーデンは事業主拠出39.60%、被保険者拠出9.24%、一般政府拠出51.16%だそうです。フランスは事業主拠出42.22%、被保険者拠出17.36%、一般政府拠出40.42%だそうです。ドイツは事業主拠出34.73%、被保険者拠出31.83%、一般政府拠出33.44%だそうです。イギリスは事業主拠出31.47%、被保険者拠出12.75%、一般政府拠出55.78%だそうです。日本は事業主拠出28.70%、被保険者拠出30.00%、一般政府拠出41.30%だそうです。
日本は被保険者拠出が圧倒的に高く、これ以上は社会保険料は上げられない水準ですが、上げられる余裕があるのが事業主拠出であり、労使折半ではなく3対7などにすべきだと指摘しました。
しかし、社会保障国民会議でもどこでも、企業負担は議論されていないそうです。
高齢期になるとどこにも組織されないのはおかしいと指摘しました。
労働組合は意見を言う場であり、世代間対立から労高連携へ向かうべきであり、労働組合の側から高齢者へ歩み寄るべきだと指摘しました。年金者組合も組合員が減っているそうですが、ヨーロッパでは最大の組織で、若者と一緒に運動しているそうです。フランスでは、年金闘争に高校生が参加しているそうです。
社会保障で幸せになる道を考えるべきであり、戦争経済ではなく、社会保障で明るい未来を目指すべきだと述べました。
高齢者は昔の現役労働者であり、今の現役高齢者は未来の高齢者だと指摘しました。両者は同じ階級であり、力を合わせられるはずだと述べました。
続いて、「高市政権の行方~社会保障を守るとともに、あるべき社会保障の展望を」というテーマでシンポジウムが行なわれました。
コーディネーターは埼玉社保協の段事務局長が務めました。
パネリストには、埼玉県生活と健康を守る会(埼生連)会長、全国生活と健康を守る会(全生連)理事の笹井敏子さんが加わりました。笹井さんは、元岩槻市議会議員であり、親の介護の後、生活と健康を守る会の運動に参加したそうです。生活と健康を守る会は1950年代につくられた運動体で、1954年に全生連が発足したそうです。助産制度、保育所づくりなどに取り組み、朝日訴訟の支援を行なったそうです。生活保護、医療などの運動を行ない、2013年からはいのちのとりで裁判に取り組みました。2025年6月に最高裁で勝利し、生活保護の引き下げが違法無効となりましたが、特定給付を半額とされてしまったそうです。かつて生活保護を受けていた人は自ら申請しないと給付を受けられないという問題もありますが、マスコミが取り上げないので知らない人が多いそうです。不服審査請求を全国で呼びかけているそうです。守る会は申請を助ける活動もしているそうです。今、34自治体に単組があり、会費は500~1,000円で、班活動も行なっているそうです。
唐鎌さんは、世代間対立を政府があおっているが、高齢者にも若者にも金持ちもいれば貧困者もいると指摘しました。高齢者が得をして若者が損をしているというイメージがあるが、運転手付きの高級車で送迎されている小学生もいると指摘しました。自分がどういう階級にいるかということを意識すべきであり、一般の人たちは労働者であり、自分が労働者だということに誇りを持ってほしいと述べました。イタリアでは労高連携が実現しているそうです。イギリスではパブ文化があり、地元のサッカーチームが勝利するとビールが振る舞われるそうです。パブはパブリック・ハウスであり、イギリスの炭鉱労働者は仕事に対する誇りを持っていると述べました。日本人は所属している会社に誇りを持っているが、労働者は仕事に対する誇りを持つべきであり、それが日本では軽く見られていると述べました。
段さんは、日本では会社に入ることがゴールになっており、だから労働組合に入ろうとは思わないと指摘しました。次に、原冨さんに、日本の社会保障の現在地について話してほしいと促しました。今、一気に戦前が始まったような状態だが、そこからどう盛り返すかと尋ねました。
原冨さんは、大企業の内部留保が600兆円を越えており、それについて考えたいと述べました。大企業の労働分配率は、2009年は54.5%、2024年は37.3%に下がっているそうです。労働分配率とは、稼ぎ出した価値から費用を除いた付加価値のうち、労働者へ分配される分だそうです。みんなが稼ぎ出した価値の60%は大企業が取り、そこから株主配当、役員報酬へ回った残りが内部留保になっているそうです。トヨタは役員報酬が21億円だそうです。税収構造の変化を見ると、1989年は消費税が3.3兆円、所得税が21.4兆円、法人税が19兆円でしたが、2026年は消費税が26.7兆円、所得税が25.3兆円、法人税が20.7兆円になっているそうです。大企業の内部留保の伸びは年20兆円であり、貯めこむくらいなら税金や社会保険料へ取るべきだと指摘しました。労働者がもっと声を上げるべきだと述べました。中小企業の労働分配率は高く、中小企業の経営者も大企業に搾取されていると指摘しました。社会保険料は高いと言うが、「労使折半」です。しかし、162条で健康保険組合は労使で社会保険料率を変えられると規定されており、多くが折半ではなくて使用者負担が高くなっているそうです。つまり、大企業は労働者を取り込むために社会保険料を下げ、労働運動を抑え込んできたのであり、結果として内部留保が増えたと指摘しました。
段さんは、社会保障拡充のためには労働者が闘わなければならないと述べました。
唐鎌さんは、地域の国保料は国費をあててあげるしかなく、それをやらないと公平にならないと述べました。
段さんは、そこは社保協が頑張るところだと述べました。そして、笹井さんに裁判闘争を頑張ってきた経験を話してほしいと促しました。
笹井さんは、行政訴訟は5件やっており、市長相手に弁護士なしで裁判闘争をしてきたと述べました。今も月5件程度の生活相談を受けているそうです。市議会議員時代、平成2年にクレサラ問題が起こり、多重債務の相談などを毎月5件ほど受けていたそうです。内容証明郵便を出すと督促が止まるのだそうです。岩槻市(当時)は男女差別がひどく、議会で質問をしていると「貧乏人の話だ」というヤジが飛んだそうです。32人中、女性は2人のみだったそうです。岩槻区役所の横に笹井事務所を置き、今でも相談を受けているそうです。100歳まで生きて生涯現役で、生活保護法が生活保障法になるまで頑張ると述べました。
段さんは、10月は笹井さんと一緒に埼玉高齢者大会を行なうと述べました。笹井さんの話を聴いて、社保協でも相談活動をしようと討議しているそうです。次に、唐鎌先生に、日本人は「自民党にまかせていれば安心」という思いがあったのではないかと思うが、高市政権が滅茶苦茶をやっても支持率が下がらず、日本の社会保障は進んでいると思っているのではないと問いかけました。
唐鎌さんは、日本の社会保障は現役世代分野が低く、傷害・労災・傷病が1.74%であり、家族分野が2.87%だと述べました。失業分野が際立って低く、0.33%だそうです。就労支援は1.09%だそうです。失業者を休ませない仕組みであり、大学教員も就労支援肯定派だと指摘しました。ある全盲の学生は、民間企業を対象に就活しましたが、就職できずに大学を卒業し、就労支援を受けた後、公務員を受けたら6月に決まったそうです。失業者は休んで自分を取り戻した方がいいのですが、しかし、失業手当の期間が短く追い詰められると指摘しました。一方イギリスでは、前に勤めていた仕事よりも悪い条件の仕事は紹介しないそうです。日本では派遣法ができてから何でもいいから就職させるようになり、日本だけ実質賃金が減少していると指摘しました。住宅への支出も日本は少なく、イギリスでは家賃補助があるそうです。生活保護も少ないと指摘しました。
ここで、アメリカの積極的労働市場政策が極端に高いのはなぜかという質問が出されました。
おそらく、コロナ禍の支援だと答えました。2020年は密を避けるために社会が止まったため、失業者に対して国が補助を行なったそうです。
段さんは、今、運動が高市政権を終わらせないと戦前に戻ってしまうと思われるが、あるべき社会保障とはどんなものかと問いかけました。
原冨さんは、社会保障財源を増やすことに尽きると述べました。世論調査を見ると支持率が新聞によって違うが、日経などは「どちらかと言うと」などにさら問いをしていると指摘しました。世の中の人は日本の社会保障がひどいとは思っていないが、議論することが必要だと述べました。労働組合には議論する場があり、他の団体でも議論の場をつくってほしいと述べました。
唐鎌さんは、憲法25条が生きる社会をつくるべきだと述べました。執行停止ではなく。
笹井さんは、国会前の運動が自覚的、非組織的になっていると述べました。笹井さんが高校生の時、高校は男子が400人、女子が50人で、女子トイレがなく、運動部に入ることもできなかったそうです。1年生の時から署名運動をし、差別を解消したと述べました。一緒に頑張りましょうと呼びかけました。
段さんは、11月29日には第6回25条埼玉集会、12月20日には埼玉県社保協総会があると述べ、参加を呼びかけました。
以上で報告を終わります。