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本日、10月16日の毎日新聞「記者の目」に、新型インフルエンザへの対応から「医療崩壊」を考えるという視点での記事が掲載されていましたのでご紹介したいと思います。引用部分は青で表記します。
記者の目:「医療崩壊」社会を突く新型インフル
毎日新聞 2009年10月16日(7面)
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20091016ddm004070152000c.html
◇感染症対策の底上げ、急務 まず地域内連携から
21世紀最初の新型インフルエンザ登場から間もなく半年になる。私は、新型インフルエンザが「医療崩壊」と指摘される今の社会の弱点を突いていることに気づいた。重症化しやすい妊婦や小児が受診する産婦人科や小児科は、医師不足で日常診療すら手薄だ。感染症対策は結局、身近な地域医療の底上げから取り組むしかない。
米国とメキシコで新型発生が判明した4月下旬、「来るべきものが来た」と身構えた。専門家が時間の問題と指摘していたからだ。
ところが国内で最初の小流行が一段落した5月下旬には、私自身、警戒心を解いてしまった。強毒型の鳥インフルエンザからの変異ではなく、「本格流行は冬」と甘く見たためだ。しかし、この認識は間違っていたと痛感する。
確かに新型は、ほとんどの人は軽症ですむ。早期の投与が有効な治療薬のタミフルが効き、早めの受診で過度な心配はいらない場合が多そうだ。7月下旬以降の国内推定患者は160万人以上だが死者は14日現在で26人。単純計算だと致死率は季節性(0・1%未満)を大きく下回る。
だが治療開始が遅れると重症化のリスクは高い。このウイルスは肺で増えやすく、専門家は呼吸状態に注意するよう呼びかける。
さらに、季節性の経験からは想定外の事態も起きている。
当初、重症化リスクが高いのは基礎疾患(持病)を持つ人とみられたが、実際は国内の入院患者の半数以上に持病がなく、また5~14歳の重症肺炎や脳症による入院が中心だった。高齢者がほとんどの季節性とは様相が大きく異なる点だ。
しかも極めて短時間で状態が悪化する患者がいる点も要注意だ。脳症が相次いでいる小児科の医師からは「たいしたことはない、との論調もあったが、現場の医師としては違うというのが実感だ」との声を聞く。重症者の割合が低いからというだけでなめてかかるのは誤りだ。
こうした中、今回の新型は医療崩壊が叫ばれる現状を浮き彫りにした。
第一に、リスクが高い患者が受診する小児科や産婦人科は、医師不足も深刻な診療科だという点だ。実際、毎日新聞が8~9月に実施した調査では22都県が「ピーク時に医師が足りなくなる恐れがある」と回答した。「日常が医師不足だ」と本音を隠さない自治体もある。厚生労働省が、病床などの施設面は、流行ピーク時にも対応できると公表したのとは対照的だ。
第二に、ワクチンを含む総合戦略が未完成、ということだ。
ワクチンは緊急時に必要な量を国内で調達できず、生産体制の脆弱(ぜいじゃく)さが明白になった。途上国支援どころか安全性確認と並行して輸入を見切り発車で決めざるを得ない状態だ。このように発生前に準備を終えるべき多くの事項が固まらないまま、流行に突入してしまった。
だが今からでも遅くはない。今回とは別の新型インフルエンザや新たな感染症、特により強力なものが、いつの日か私たちを襲う。そのときまでに、今回の新型が浮き彫りにした私たちの弱点を克服しておくことが重要だ。医師不足を解消し、救急患者の受け入れを断らなくてもすむ医療を「普通の医療」にする必要がある。
他地域より先に真夏の流行開始を経験した沖縄県では救急病院と医師会が話し合い、軽症者は開業医が診察し、重症肺炎などで入院が必要な患者は中核病院が診るなど役割分担を明確にした。週末には開業医が中核病院の応援にも入った。
医師不足はすぐには解決しないが、沖縄のような地域内での連携ならさほどお金をかけずに実行可能だ。
大病院任せにせず、地域の病院間で連携が円滑に進めば、現場の負担感はかなり解消する。このような身近な医療での地道な努力を普段から積み重ねてこそ、非常時への備えになる。
5月に多数の感染者がでた神戸市では、国の方針に従い当初、「発熱外来」を設置して、まずそこで対応しようとしたが、患者が殺到し、たちまち機能しなくなった。そこで医師会に協力を要請し、一般医療機関で診察するとともに、軽症者は自宅療養とすることを独自に決断した。
9月に東京であった報告会で、同市の担当者は、この時の教訓から「新型だからといって、準備もなしにいきなり日常と違う体制にしても使いこなせず、うまくいかない」と強調した。同感だ。感染症対策で問われているのは、日本の医療のあり方そのものといえる。
今日は私が担当をしている病院の支部執行委員会の定例日で、委員会が終わった後に病院の事務の方と少し新型インフルエンザ対策についてお話ししました。
やはり小児科にはインフルエンザ症状の患者さんが多く受診しているそうで、1日に150人受診するとそのうち140人はインフルエンザ症状という状況だそうです。なので、病院としてはインフルエンザ疑いの患者さんは大人も小児科の診察室で集中して診察することにし、他の疾患の患者さんたちとの接触を最小限にする対策をとるそうです。
なぜお子さんにインフルエンザ感染が集中しているのかという点については、その方が興味深い考察を述べていました。それは、集団生活をしているというだけでなく、子どもは大人よりも濃厚接触をする機会が多いし、手洗い・うがいなどの予防対策を大人ほど徹底して行なっていないからではないかということです。なるほど、と思いました。
通常の季節性インフルエンザと違って高齢者への感染の報告は少ないですが、それはまだ流行の初期の段階だからで、今後流行が拡大すれば高齢者の患者も増加するだろうという予想もされていました。
となると、これから冬季に向けて、医療機関における外来機能のパンク、入院ベッド数の不足が懸念されます。今でも既に地域によっては休日の診療体制がパンクしている状況だそうです。しかし、そもそも医師不足、看護師不足で崩壊寸前の日本の医療が急に充実することなどあり得ないのですから、現在の貧しい体制でも何とか医療を成り立たせていく工夫が必要です。
そのためには、各報道機関が徒に人々の恐怖心をあおるのではなく、正しい情報を提供して患者さんたちが冷静に合理的に行動できるように働きかける必要があると思います。たとえば、重症化の兆候について詳しく伝え、軽症での夜間や休日の受診は避けるよう促すことです。
そうした工夫を、今回の新型インフルエンザ対策をきっかけに日常的な医療機関の利用の仕方としても定着させることができれば、医療崩壊の歯止めにもなるのではないでしょうか。
医師が増える十数年後までを何とか乗り切ることができるように、医療者側も患者側も努力していくことができればよいと思います。
以下、「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様からの情報提供です。
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2009091214
「職場の労使困りごと相談会」 福島県労働委員会
10/18 福島市勤労青少年ホーム、郡山市労働福祉会館
http://www.pref.ehime.jp/tiroui/roudousoudan.htm
7月から月に2回無料労働相談 10/23
愛媛県労働委員会 先着3名
電話 089(912)2996
対象は個人の労働者など
【「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ 推薦】
http://mainichi.jp/area/nara/news/20091008ddlk29040676000c.html
10月22日15時~ 奈良で初の無料労働相談会 奈良県労働委員会
奈良市大森町の県奈良総合庁舎と県保健環境研究センターの2会場
相談時間は30分。事前申し込みが必要。
弁護士や労働組合幹部、民間企業経営者らによる県労働委員が3人1組で、労使間のトラブルなどの相談に応じる。
問い合わせは、県労働委員会事務局(0742-23-3530)
こちらもよろしくお願いします。8月31日から福岡高裁で控訴審が始まりました。
緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html
毎日新聞からの情報です。
http://mainichi.jp/life/job/news/20091012ddm013100026000c.html
11月21日午前10時~午後4時
東京弁護士会の女性弁護士が「セクハラ被害110番」
03・3503・8671、当日のみ