「週刊金曜日」特集・「派遣」を問う | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

2月の行動予定でも書きましたが、現在私は労働組合青年部のスキーツアーで志賀高原に来ています。スキーもスノーボードもできないのに!(4年間北海道の大学に通っていましたが……いろいろな方に「もったいない!」と言われましたが、北海道の冬は家にこもっているのが正解なのです! 家の中は非常に暖かいですから)

そんな訳で、パソコンは持ってきましたし、泊まっているホテルは全室有線LAN無料使用可なので、今日は日がな一日パソコン三昧です。いつもの休日と変わりませんね。


前置きはこれくらいにして。

前述のように状況で手元にあまり資料となるようなものがありませんので、今日は「週刊金曜日」の記事をご紹介したいと思います。

今手元にあるのは、2009年1月30日号(736号)。特集『「派遣」を問う』が掲載されています。

まず、掲載順に内容をかいつまんでご紹介します。



むごい国 いのちの村  「派遣村」がつきつけたもの p10~15

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長のインタビュー。聞き手は「週刊金曜日」編集部の山村清二さん。

 年越し派遣村がつくられた経緯と、「派遣切り」の実態、どのような制度改正が必要か、正規労働者と非正規労働者の問題の共有の必要性、三月末の「雇い止め」に対する対策などが語られています。


「すべり台社会」に階段を  湯浅誠  p11

 反貧困ネットワーク事務局長・「派遣村」村長の湯浅誠さんが、1月15日の集会で語った発言のまとめ。

 同集会については当ブログでも報告しています。

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10193282509.html

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10193390805.html


「派遣村」ボランティア体験記  広瀬美紀  p13

 フォトジャーナリストの広瀬美紀さんが1月2日から5日まで参加した「派遣村」ボランティアの活動の報告。


現行「派遣法」の問題点と改正案  宇都宮健児  p15

 「派遣村」名誉村長の宇都宮弁護士が労働者派遣法の問題点を挙げ、抜本改正の必要を訴えていらっしゃいます。また、改正を待っていては現在進行している事態には対処できないので、「派遣切り」にあった労働者に対する就職や衣食住の保障と、これ以上の「派遣切り」を許さない緊急特別立法の必要性を提起しています。


こうして貧困はつくられた  五十嵐仁  p16~17

 法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁所長が派遣法の改定を軸に労働法制の変遷を解説し、多くのワーキングプアが生み出された仕組みを明らかにしていらっしゃいます。

 重要な結語の部分を引用させていただきます。引用部分は青で表記します。


 派遣労働の規制には、働き口がなくなるという反対論がある。しかし、問題は、派遣の規制緩和によって労働の量は増えたが質が低下し劣悪化したという点にある。ワーキングプアを生み出すような労働は根絶されなければならない。

 労働基準法第一条で謳われている「人たるに値する生活を営むための必要を満たす」ために、安定した雇用と生活できる賃金が保障されるかどうかが問題なのである。派遣労働の再規制においても、この視点が基本とされるべきであろう。

                    (「週刊金曜日」2009年1月30日号 p17)



日本国憲法第25条生存権、第27条勤労の権利に基づいて制定された労働基準法は、言わば「労働法の中の憲法」。すべての労働に関わる法は、労働基準法の定める最低基準を下回るような労働を生み出さないようにつくられなければなりません。労働者派遣法だけでなく、他の労働法規について考える時も、その視点が重要であると感じました。


「週刊金曜日」はバックナンバーの注文も受け付けていますので、是非お読みください。

http://www.kinyobi.co.jp/faq/faq_kaito.php?qno=pur1