昨夜まで、少子高齢化が進む日本においては、介護用ロボットや高齢者見守りシステムなどにプロダクトデザイナーの活躍する場があるのではないかとご案内をしました。
今夜はこの見守りシステムにおけるセーフティデザイン事例をご紹介します。
まず見守りシステムというのはいくつかのパターンがあります。
①在宅向けのシステム
⇒これは単身かご夫婦でお住まいになっている高齢者が自宅で緊急事態になった時に外線通報される仕組みです。最近よく聞く「サービス付高齢者住宅」も多くがこちらです。
②施設向けのシステム
⇒こちらは、有料老人ホーム、特養、老人保健施設などの施設型、つまり必ず介護(医療)スタッフが館内に居るタイプで使われるシステムです。この場合緊急事態が発生したら外線ではなく館内のスタッフに連絡通報がいきます。
私が以前デザインをしたシステムは上記の②にあたるシステムで、高齢者の方が常時胸に掛けて利用いただく様にペンダント型の呼出ボタンです。
↓
丸く可愛らしい形の外観で、中央部分の断面を窪ませ、誤って誤報などがおきないように工夫をしました。しかしながらいざという時にはパッと押せる様に何度もモックアップを作成して仕上げたものです。
重さも重要なポイントで、ある重量を超えるととたんに「肩が凝る」などのクレームが出て、常時掛けなくなるといったことが起こるため、技術部と詳細の設計についても何度も討議を繰り返しました。
落下時の耐衝撃性などにも、最新の注意を払い設計をされています。
またこうした商品の注意点は「飲み込まない様な大きさにする」、「万が一口に入れても有害でない素材を使う」などの配慮も必要です。子供向けのおもちゃに近い配慮ですが、これは認知症の方に対する注意点です。
まさに「セーフティデザイン」ですね。
このように、あまり一般の方(特に若い方)には知られていないアイテムですが、今後ますますニーズが高まる可能性がある領域だと考えています。
つづく。