インバル/都響 定期演奏会 | バレエ・コンサート三昧

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東京都交響楽団 定期演奏会

(2/16/2024  サントリーホール)


指揮/エリアフ・インバル
語り/ジェイ・レディモア*
ソプラノ/冨平安希子*
合唱/新国立劇場合唱団*
児童合唱/東京少年少女合唱隊*


ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70

バーンスタイン:交響曲第3番《カディッシュ》*(日本語字幕付き)


マエストロ・インバルさんの88才のお誕生日の夜に行われたコンサート。


前半は、軽妙洒脱なショスタコーヴィチの交響曲第9番。

ユーモアたっぷりのオーケストラ音楽。

1945年8月に作られたというから、日本では終戦(敗戦)の時期。東京が焼け野原になっている時。

そんな時期にこんなパロディ的な軽く楽しい作品を。

当時のソ連は戦勝気分で、みんな浮かれていたのかな。


「交響曲第9番」を作るという特別な重圧から逃れる意味もあったのかもしれないけれど、ショスタコーヴィチさんが、「戦勝なんて・・・」と表に出せない反戦の思い、独裁国家に対する反感の思いを込めた皮肉的な作品とも言われている。


そう言えば、プロコフィエフの名作、バレエ音楽「シンデレラ」も1945年に初演されている。

当時のソ連は、国家としてはともかく、音楽はすごい。

(プロコフィエフはウクライナ生まれの作曲家)


インバルさん指揮の都響は、軽快でパワフル。

88才とはとても思えないエネルギー。

都響の演奏も自由自在の心地良い響き。

ファゴットのソロ、素晴らしかった〜


後半のバーンスタイン作曲「カディッシュ」は、平和への祈りが込められた壮大な作品。

語りが入り、合唱が入り、少年合唱も。

音楽的にもたくさんの新しい試みが加えられているすごい作品。


素晴らしかった〜

無調と変拍子が交錯する複雑な作品だけれど、不安定な音楽の中の奥の深いところに調和があるような。


音楽は、究極は祈りなのかもしれない。

言葉のない共通言語とも言われる音楽にあえて語りを入れるチャレンジ。


イスラエル生まれのインバルさんだからこその、同じユダヤ系のバーンスタインに対する深い理解と誇りを感じる堂々とした演奏。


こういう複雑な作品を並べたプログラムを選曲する88才のマエストロもすごい。


新国立劇場合唱団、東京少年少女合唱隊の合唱も素晴らしい。

合唱も難しそう。

こういう複雑難解な作品を短期間に自分達のものにしてこなしてしまう都響の底力もすごい。


ブラボー!






終演後のカーテンコール時のみ写真撮影OKだったので。