伊勢うどん | (続)ワタシ、サビてます。

(続)ワタシ、サビてます。

個人の日々の”よしなしごと”を、ただ綴っています。

2月の中旬頃、ちょっと伯母のことでバタバタしていた。

施設にいる伯母に元気がなく、ゴハンが食べられないため、訪問医による血液検査をしてもらったらしい。肝臓関係の数値が悪く、一度、大きな病院で診察してもらって欲しいと。

姉と一緒に伊勢へ。色々検査してもらうも原因はわからないし、他は異常がない。老衰による機能低下と診断され、入院も可能だが、施設に帰る方が良いという。だけど施設は、ゴハンを食べられないなら入院してもらって欲しいと・・・。

 

結局入院で様子を見ることになり、その当日夜から伯母の食欲は回復し、発熱もなく、1週間で退院となった。

 

退院付添いは、従兄と。病院へ行く前に昼食を取ることにした。


私は伊勢で用事がある時には「伊勢うどん」を食べることが多い。神経使って食欲がない時の胃に優しいから。

 

「まだ食べたことがない店の伊勢うどん試して良い?」と、従兄に同意を得て、伊勢市駅近くに移転した「山口屋」さんへ。外宮参拝客に人気なのか、我々が入った後は、平日なのに人がかなり並んでいた。

 

「ごちゃいせうどん、いってみる?」と、従兄に勧めて置きながら、量的に食べれるか心配で迷ったが、いっとくことにした。

 


揚げ、エビ天、肉、ねぎ、麩、かまぼこが乗っている。いわゆる「かやく」の豪華版。真っ黒なタレは薄めの味。

 

余裕でいける量だった。美味しいけど、私はやっぱり、宇治山田「ちとせさん」のタレが好みかな(過去記事)。

 

入院時の伯母は目を開けるのも辛そうに見えた。でも点滴処置中には、私と姉の会話に参加している素振りも見せ、何やら言葉を発していた。病室移動の際は「痛い、痛い」と大きな声も出た。おそらく医療行為への抵抗のため痛くないのに「痛い」と訴えていたと思う。

 

退院時は顔艶も良く、笑みを浮かべ、手を振れば振り返す。

 

病院、施設のやり取りの中で「看取りを」という言葉が度々出て来た。98歳、認知症、老衰が進み、何があってもおかしくない伯母は積極治療は望まないはずなので、退院後は施設での看取りという話の流れに。

 

「看取りを希望されるなら、訪問医の先生と会って、話をしてください」と施設の人に言われ、街の病院の午後の診察時間に合わせて、再度、一人で伊勢訪問。

気が思い中、食べる昼ご飯はやっぱり伊勢うどん。訪問した火曜日は多くの店が定休日。でも河崎の「つたや」さんは営業のため、強風吹く中、歩いて行ってみた。

 

 

往きの電車の中で、何を食べるか随分と迷っていた。店のオススメの焼豚か、あるいは(お値段が一番高い)ニシンか。いや、かやくもありだ。

 

 

結局、彩りが良い「かやく伊勢うどん」。美味しい!「ちとせ」さんのかやくも好きだけど、こちらも良い!

 

食べ終わる頃に入って来た男性が「ニシン伊勢うどんと、チャーハン」と注文。「おっ!ニシン来た!」と心の中がザワつく。男性は何やら頷きながらニシン伊勢うどんを食べている。そして次に入って来た親子が「ニシンと、かつ丼」と。

 

ちょっと、ここは、ニシンだったのかーーー!!? 

 

ニシンが行けそうな腹ではあったが、頼む勇気もなく店を出た。病院での面談時間まで1時間あるので、歩いて祖父母、伯父らが眠る墓を参ることに。

 

「伯母さん、もしかしたら、そちらへ向かわれる日が近いのかも。できるだけゆっくり穏やかに、お迎えください」と、墓前でつぶやく。

 

そして訪問医の先生との面談。伯母の入退院の経緯を再確認し合い、「看取り」について、ちょっと”池乃めだか”風の先生は「う~ん、どうかな。伯母さん、今、元気だし」と。「私の考えが間違っていたら遠慮なく言ってね、あなたはどう思う?」と聞いてくださる。「退院時に看取りという流れになったが、私も退院時の元気な伯母の姿を見ると、違和感を覚える」と伝えた。

 

結論、元気な伯母さんがいる事実を踏まえ、また具合が悪くなったその時に、相談しながら決めて行くことにした。親族としては、すぐに伊勢には駆け付けられない状況もあって、”看取り”という言葉に、皆、どこか頼ってしまった部分がある。でも、きちんと伯母の”今”に向き合うことが出来ていなかったと猛省。

 

夕方の電車に間に合い、ちゃらっとお土産も買った。

 

 

また、様々な状況で伊勢へ出向くことが増えるかもしれない。でも、「あのニシン伊勢うどんリベンジ”が出来るかも!もう一つ、行ってない店にも行こう」と、気持ちを前向きに立て直して、帰って来た。