「僕僕先生」
仁木英之氏の「僕僕先生」
bookデータベースより
時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこでひとりの美少女と出会う。自らを僕僕と名乗るその少女、なんと何千何万年も生き続ける仙人で…。不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、五色の雲と駿馬を走らせ天地陰陽を大冒険!第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。
こういうのまってました。
ひさびさにきました、どストライクです。
大賞をとっていることからもわかるとおり、ファンタジー。
シリーズの第1弾です。
文庫化されているのはまだ今作だけ。
はやく次が読みたくてうずうずしています。
舞台は少し古い時代の中国。
個人的には中国ときくとなぜだか乗り気になれないところがあります。
三国志とかに手がでないのもそのせいかな?と…。
今作もはじめはあまり期待してませんでした。
中国ということもあったし、導入部で読みづらいような書き方がしてあったりで、少し失敗かなとも思いました。
しかし、それを補って余りある素晴らしきファンタジーの世界。
読みづらい感じも導入だけでした。
「なんの脅しだったの!?」と思ったりしましたが。。。
面白いのでOKです!笑
毎日を気ままに暮らしていた王弁君。
仙人である僕僕と出会い、ともに旅をする事になります。
なんといっても2人ののんびりした雰囲気がいいですね。
急ぐ旅でもないですし、そもそも僕僕は何千何万年も生きています。
たまに、王弁が人だということをわすれ、
「歩くと2万年くらいだな。」
とかいってます。
王弁も王弁でそんな僕僕に密かに恋心を抱いたり、背に乗せてくれない名馬と数週間格闘したりと、のんびりながらも刺激的な旅になっています。
全体通して、ほのぼのしていてあたたかい。
こういう作品はなかなか見つけにくいと感じます。
一番好きなタイプの小説ですね。
登場人物(人じゃないほうが多いですが…)も皇帝から世界を作った神様までさまざま。
かなり現実からはかけ離れた世界ですが、僕僕の話を聞いているとなんだかそんなこともありそうに思えてきます。
僕僕の仙人としての浮き世離れした顔と人間味に溢れた子供のような顔のギャップがいいですね。
こんな仙人とならいっしょに旅してみたいかも知れません。
王弁君が出会う、人智を超えた世界や天上の者たち。
僕僕先生との旅は王弁君をどのように変えていくのでしょうか。
読み終えるのがもったいない。
まだこの世界にいたいと思わせてくれる。
そんな一冊でありました。
- 僕僕先生 (新潮文庫)/仁木 英之
- ¥540
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「告白」
湊かなえ氏の「告白」
bookデ-タベ-スより
愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。
ワ-ルドカップや前期のテストで(という口実で)さぼりぎみになっていましたが、またぼちぼち更新していこうと思います。
映画、大ヒットしていますね。
私はまだ見ていませんが。。。
早く見ないといけないですね。
多くの方が映画を見て文庫を手にされたのではないでしょうか?
まだ読んでない方はぜひ。
物語はモノロ-グで構成されています。
「主人公」「級友」「犯人」「犯人の家族」が、それぞれ語り真相に迫っていきます。
今作の最大の魅力、読んでいて感動するくらい面白いと思った点は人間くささでした。
それぞれがそれぞれにとっての真実を語っていきます。
それはその人にとっての真実であり、それゆえに全員の真実にはなりえない。
つまり、話がかみ合わないのです。
だれもが自分の都合で物事を解釈し、嘘をつき、事実を捻じ曲げる。
なんて人間らしいんだろう。というのが感想でした。
こんなに人間くさい登場人物にであったのは初めてです。
だからおもしろかったのでしょう。
現実の出来事を見ているようでした。
ついでに、
「さまよう刃」でも気になったのですが、わが子のこととなるとこんなにも親というのは盲目になれるのでしょうか。
自分が親にならなければわからないですかね。
「さまよう刃」での加害者の親はただただ愚かで共感できる点が見当たらなかったのですが、今作では、ある程度共感できると感じられました。
それも1つのポイントですね。
絶対的な悪や絶対的な被害者が存在しない。
人間らしさが際立ちます。
強がってみてもやはり子供で、なにかに依存していなければ生きられない。
だからこそ、何をするかわからない。
教師という聖職者であっても、愛する者を天秤にかけることはできない。
だからこそ、なんでもできる。
たとえそこに、なんの救いもないとしても・・・。
話題の作品。
読んでみる価値ありだと思います。
- 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)/湊 かなえ
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「インシテミル」
米澤穂信氏の「インシテミル」
bookデータベースより
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
久しぶりにミステリーものを読みました。
最近は金欠であっぷあっぷしています。。。この作品も借り物です。
いやー、おもしろかった。
読み始めの感覚としては、「saw」の舞台や設定に似ている感じがしました。
ちなみに「saw」は高校のときに一晩で読み切りました。
映画も面白いですが、小説も面白い作品です。
そんな「saw」に似ている雰囲気に期待しつつ読み進みました。
12人の男女が地下施設に閉じ込められ、参加者同士が殺し合う犯人あてゲーム。
まず、設定が面白いですね。
アルバイト情報誌に掲載された時給11万2千円の仕事。
実験と称された殺人ゲーム。
参加者は殺人を強要されるわけではありません。
地下施設に7日間閉じ込められ、すべての行動を監視される。
そして、1人に1つ武器を与えられるだけ。
何もせずに7日間が過ぎ去れば大金を手に入れられるはずでしたが。。。
何も起きないわけがないですね。
ことが起きてしまえば参加者たちは疑心暗鬼に陥り、それは負の連鎖を生んでいきます。
この作品のポイントの一つは実験におけるルールだと思います。
このルールが話に深みを与えます。
殺人を行えば報酬は2倍。
殺人を解決すると報酬は3倍。
このほかにも多くのルールが存在し、参加者たちを惑わせます。
ホラー小説でありながら探偵ものでもあるような作品です。
「saw」との決定的な違いはそこでしょう。
「saw」は恐怖で人をひきつけますが、今作はどちらかというと展開や謎解きに惹かれた気がします。
はやる気持ちを抑えるのが大変でした。
登場人物は12人と限定的ですが、誰もがみな怪しい。
ちなみに私の犯人予想は見事に外れました。笑
みなさんも読まれる際は、犯人当てゲームに挑戦してみてください。
当たった方は相当のミステリー通だと断言しましょう。
映画化もされるようですが、小説のホラーと謎解きの絶妙なバランスを出すのはなかなか難しいようにも思います。
面白い作品になることを期待しています。
- インシテミル (文春文庫)/米澤 穂信
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