おすすめ小説ー個人的読本紹介ー -2ページ目

「英雄の書」

宮部みゆき氏の「英雄の書」



bookデータベースより


上巻

お兄ちゃんが人を刺すなんて…。“英雄”に取りつかれた最愛の兄を追って、少女は物語の世界に降り立った。そこで彼女は、すべての物語が生まれ帰する一対の大輪を前に、恐るべき光景を目にしてしまう―。


下巻

“英雄”を捕え兄を連れ戻すべく、数多の物語を旅する少女の過酷な追跡が始まる―。現代を合わせ鏡に、いまを生きる私たちの姿を描き出すファンタジー。




ひさびさにハードカバー本を読みました。


ブレイブストーリー的なファンタジーかなと思っていましたが、すこし違ったようです。




主人公は小学5年生の少女。


消えてしまった兄を追って物語の生まれる場所へと旅立ちます。




ブレイブストーリーと比べると、小説全体の雰囲気が暗く、重い印象を受けました。


大人向け?なのかなと思います。



子供にはさすがにつらいかも・・・。




レビューなんかを見ていても厳しめの評価が目立っていました。


個人的にもブレイブストーリーのほうが好きかなと。




もっと早い段階で別世界へいって、ヘイトランド以外のリージョンの旅も見てみたかったですね。





しかしながら、英雄の存在と物語の意味は考えさせられるものがありました。



設定や世界の仕組みは難解ながらも面白い。


物語の持つ力とその物語を紡ぐ意味とは何なのか。


説得力をもって「英雄の書」の世界を形作っていきます。




英雄という名の敵に立ち向かうユーリ。


物語を送り、巻き取る咎の大輪。


罪を償うため永久の時を生きる無名僧。



英雄の意味とは、物語とは何か、無名僧の背負う罪とは。



すべてが明かされるときユーリは・・・。






発想と世界観はさすがと言わざるをえませんね。


続編をにおわせる終わり方が気になりますが・・・。





読み手を選ぶかもしれませんが、世界の広がる作品だと感じました。


続編が出ればぜひ手に取りたいです。








英雄の書 上/宮部 みゆき
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英雄の書 下/宮部 みゆき
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「四畳半神話大系」

森見登美彦氏の「四畳半神話大系」。



bookデータベースより


私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。





おひさしぶりです。


長い間ほったらかしでしたが、決して忘れていたわけではありません。


決して。




後期の講義も再開され、私の読書時間も格段に多くなっていくと思われますので、またぼちぼち書いていきたいと思います。




さて、「四畳半神話大系」。


やはり森見氏の小説はおもしろいですねー。


アニメにもなり放映されていたみたいですね。

私は残念ながらアニメは見ていません。



主人公はいつもの冴えない大学生。


舞台は京都。


設定は「太陽の塔」、「夜は短し・・・」ととっても似ています。




しかも、樋口氏や羽貫さんなどおなじみのキャラクターも登場するのです!



そして、謎の組織の全容も明らかになってきます。


福猫飯店とか、印刷所とか。



発表順では「太陽の塔」、「四畳半」、「夜は短し」ですので、順番に読んでいれば判明してから次の作品を読めたんですが、バラバラだったので気になっていたのです。


印刷所とか。


うちの大学にもあんのかなとか。笑




今作では、少し特殊な描かれ方がされていますね。



4章から構成されていますが時系列の連続性はありません。


いわゆる並行世界とか、パラレルワールドといわれるようなものでしょうか。



ぴかぴかの新入生だった「私」は個人の情報処理能力をはるかに凌駕するビラを抱えて途方に暮れていたが、興味を持ったのは次の4つ。


映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」という奇想天外なビラ、ソフトボールサークル「ほんわか」、そして秘密機関「福猫飯店」。



4章は、それぞれ別の団体を選択、入学からの2年間を過ごし、3回生となった「私」が過去2年間を自虐的に振り返るという構成。


展開はそれぞれ異なるものの、登場人物や配置はほとんど同じです。



また、ところどころに4章とも同じ文章が用いられており、ある通過点を通り同じ場所に着地します。




ここまで違う話を、すべて同じ着地点に違和感なくもっていくのはさすがですね。



最終章では前3章の謎も明かされ、きれいにまとめられています。




個人的にはやはり自室での遭難が印象的でした。



抜け出せない焦りや不安とどこまで行っても自分の部屋という安心感。



何という奇怪。


何というシュール。



作品の雰囲気を象徴するような不思議でおかしな場所でした。






森見氏の作品に間違いはないですね。


ちなみに次は本棚にストックしてある「有頂天家族」を読もうと思います。

こちらも楽しみ。



「四畳半神話大系」、ぜひ読んでみてください。








四畳半神話大系 (角川文庫)/森見 登美彦
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「妖怪アパートの幽雅な日常①」

香月日輪氏の「妖怪アパートの幽雅な日常①」




bookデータベースより

夕士が高校入学と同時に始めた、あこがれの下宿生活。幼い頃に両親を事故で亡くしたため、早く独り立ちをするのが彼の夢。ところがそこにはちょっと変わった、しかし人情味あふれる“住人たち”が暮らしていた…。




本屋さんで本を探していて、ピンとくるものがみつからず、これでいいかと手にとった一冊。




運命きました。






表紙めくって作者紹介をなんとなーくよんでみると…


「地獄堂霊界通信」シリーズの文字。




そうです。


わが小学校時代唯一の読書の記憶。


悪ガキシリーズの作者さんだったのです!




読む前から面白いと確信しましたね。


なんたって運命ですから。笑





現在単行本化されているのが①~④巻。

たぶん全10巻になってます。





悲しい過去を持つ夕士。

はやく独り立ちして、ふつうの生活をしたいと願う彼に突然の不幸が。

楽しみにしていた寮生活のかわりに待ち受けていたのは、普通とはかけ離れた生活だった。




あとがきにもありましたが、子供向けの本でありながら、子供だけに読ませるのはもったいないと思います。


特に①巻は、子供だけではもったいない!




不覚にも3、4回涙がこぼれそうになりました。



とにかく夕士を支える人たちの優しさったらないですね。



何気ない生活や会話が優しさにあふれていて、夕士のこころをときほぐしていきます。






除霊士の秋音にかわいいクリや落書きのような詩人、強面の画家や怪しい骨董屋に手首だけの賄いさんと、変わった人間に妖怪や幽霊。



個性豊かな登場人物も魅力的で、多彩。




読んでいて気になったんですが、龍さんってもしかして…


とおもってたらやっぱり「地獄堂」に登場した人物も登場するとのこと。(どこで発見した情報なのか忘れてしまいましたが…)

やっぱりゴールデンアイズなのか!?っと勝手に推理しながら読みました。





いわく付き物件寿荘。


妖怪や幽霊、はたまたそれらよりさらに怪しい人間が住み、地下には高級旅館のような岩風呂、手首だけのるり子さんの作る食事は絶品。


駅から10分、部屋は二畳の板間に六畳の和室。家賃はズバリ二万五千円!!




さあ、あなたなら入居したいですか?







普通でない寿荘での生活は、普通を望む夕士をどのように変えていくのでしょうか。





普通とはなにか。



自分とはなにか。




読み終えたときにはきっとそのヒントがみつかると思います。




妖怪アパートの幽雅な日常1 (講談社文庫)/香月 日輪
¥470
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