【昔嫌いだった】少しだけ素直になってみる【アーティスト】 | Void & Null ~ Empty Blog

 

前回の記事の中で、リンダ・ロンシュタットに関し「嫌いではなかったがちょっと距離を感じていたアーティスト」と書きましたが、それとは別に当時ハードロック少年だった事で、苦手というより嫌いだったアーティストの一組にザ・ビーチボーイズがいました。
そう、私はかつてザ・ビーチボーイズが嫌いでした。
「あんな甘ったるいもの、何処が良いんだろう?」と思っていたのです。

そんな感情がハードロック一辺倒をとっくに卒業してしまっていた’00年代以降まで続いていたというのも、今から振り返ってみればある意味驚異ですが、’07年にそれをひっくり返される事になったのが「トリビュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン」と題されたライヴDVDのリリースでした。
そのライヴ・イベントに、私が最も敬愛するジェフ・ベックも参加しているとあったので、当初迷いましたがそれでもまったく無かったかのように避けて通る訳にも行かないのではないか、と思い入手しました。
で、実際に観てみると意外と知っている曲が多かった事に、自分自身で驚いたのです。

そこでこのコンテンツに繰り返し触れて行くうち、ようやく彼らが、これほど高い評価を得ている理由みたいなものを何となく感覚的にですが、理解出来たような気がしたのです。
いつしかそれなりに歳も取り角みたいなものも取れて来たのか、若い頃には遠避けていたスタイルの表現なんかも、わりと簡単に受け入れられるようになってその分自分のストライクゾーンが広がったと考えれば、少しだけ得したような気分になれるものですね。

但し、ザ・ビーチボーイズのレパートリーの中では唯一、このライヴ映像でジェフ・ベックが演った「サーフィン・U.S.A.」だけは、未だにどうしても好きになれません。
彼らの代表曲中の代表曲なのにね。
あ、そう言えば私はザ・ローリング・ストーンズも好きなのですが、彼らのレパートリーの中で唯一好きになれないのが、やはり同様に彼らの代表曲である「サティスファクション」だったりします。
随分とひねくれたファンですが、中にはこういう変なのもいるという事です(苦笑)。

以上がごく久し振りに「トリビュート・トゥ・ブライアン・ウイルソン」のDVDを観ようとして見つからず、その理由がどうも以前に間違えて他のDVDソフトと一緒にハドフへ売り払ってしまった可能性以外考えられなかった事から忸怩たる思いで急ぎ発注したものの、かなり前にリリースされていた作品だった事で、非常に再入手が難しく結構辛い目に遭ったのをきっかけとしてちょっと文章にしてみようかという気になり、書いてみました。

一般に彼らの最高傑作アルバムは「ペットサウンズ」、そして最高傑作ナンバーは「グッド・ヴァイブレーション」だと言われています。
しかしそれとは別に、私個人が考える最高傑作ナンバーは「サーファー・ガール」だったりするのですよね。
所要時間の短いナンバーですが、その割によく出来ていると思います。
今回は1963年の古めかしいライヴ動画でご紹介します。