2歳で約6割、5歳で約8割がネットを利用しているというデータがあります(子ども家庭庁・2023年度調査 保護者2160人の回答より)。そんな中、“5歳の息子が性的なことをネットで検索していた”というSNSの投稿が話題に。ネットにあふれる性情報に、親と子どもはどう向き合えばいいのでしょうか。
「女の子おっぱい」5歳息子の検索履歴に愕然
今年3月、SNSへのある投稿が物議を醸しました。
(SNS投稿より)「5歳息子のYouTubeの検索履歴が衝撃的で言葉を失いました。『女の子おっぱい女の子トイレ女の子裸』子供って男の子ってこんなに早く性に目覚めるんですか」
想定外の出来事に愕然としたという母親の声は瞬く間に拡散。
「流石にはやすぎませんか」
「危機感持って」
「さすがに気持ち悪いね…」
など否定的な意見から、
「精神の成長は人それぞれ」という励ましまで、1500件近くのコメントが寄せられました。
履歴には「服を脱ぐ」「下着の映像」投稿の母親「どう伝えたらいいか…」
今年6月、この投稿をした母親本人に会うことができました。
5歳の息子を育てるAさん。仕事や家事で忙しく息子の相手ができない時、スマートフォンを渡して遊ばせるのが日課でした。利用制限はまだ不要だと思い、かけていなかったといいます。そんなある日。
(Aさん)「息子に話しかけた時に、携帯を隠すそぶりを見せたんです。なんか怪しいなと思って携帯を見ようとしたら…『こっち来ないで』『お母さん見ないで』って。別の部屋に怒りながら逃げてしまって。もう大号泣してしまったんですね」
夜、Aさんがスマートフォンを確認すると動画検索サイトの閲覧履歴に残されていたのが…
文字を打つことができないのに…「マイクをポチッと押して音声で検索」
(Aさん)「成人された女性がお洋服を1枚1枚、じゃんけんして脱いでいくようなゲームっていうんですかね。そういうのとか、トイレしている時のものを載せていたりとか、女性の下着の映像だったりとか」
息子はまだ文字を打つことができなかったそうですが…
(Aさん)「(Qどんなふうに検索していた?)検索バーのところの右側のマイクをポチッと押して音声で検索していたようです。もう言葉を失ってしまって…。まさか自分の息子が保育園の年代からそういうのに興味を持つというのはびっくりしました」
その後、性的な検索ができないよう制限をかけたといいますが。
(Aさん)「『そういうのは見ない方がいいんだよ』と伝えたんですけど、ちゃんと伝わっているかどうかも不安です。もっと教えるべきことがあるんじゃないかなとか、どういうふうに伝えたらいいのかというところが納得できていない」
利用制限をかけていても…小4息子が“すり抜け”アダルト漫画を閲覧
一方で、利用制限をかけていても子どもがすり抜けて閲覧していたという人もいます。
近畿地方に住むBさん。当時、小学4年生だった息子が学習塾の宿題を見るために使っていたタブレットで、アダルト漫画を読んでいることに気付いたといいます。
(Bさん)「(Qそのお話は息子さんとした?)しました。興味があるのは自然なことだけど、正しい知識を得る前に暴力的なことなどをいろんなところから知ってほしくないということを伝えて。(本人は)なんとなく悪いことをしている自覚があったので、『うんまあそうやな…』みたいな感じでしたね」
Bさんは以前から有害なサイトにアクセスできなくする「フィルタリング」機能や、親が子どもの利用時間などを管理できる機能を設定していたといいます。
「広告タップして漫画サイトへ」制限強めると息子「信用してないの?」
(Bさん)「(Qなぜ性的なものが見られた?)地図アプリに単語を入れたりすると、有害サイトでも入れたりするというのが、塾のお友達から聞いたりして知っていたと。あとは広告が出てくるのでそれをタップして漫画のサイトに飛ぶというのがあった」
親の想定以上にネットを使いこなすことを知り、制限を強めようとすると…
(Bさん)「子どもから『俺を信用していないのか』と言われるので、そう言われるとうーんっていう…。うちのようにガチガチに制限していると余計に見るよというアドバイスももらったりして、親としてどこまで関わって制限しなきゃいけないのかは今も迷ったりしています」
専門家「言い分を聞いてあげた上で判断し、本人に納得させること」
ネットで年齢に不相応な性の情報が検索できてしまう現状に、わたしたち大人はどう対処すべきなのでしょうか。
ネットと子どもの問題に詳しい兵庫県立大学・環境人間学部の竹内和雄教授は、「子どもだけでスマートフォンを触る環境を極力なくすべき」だといいます。その上で、もし子どもが性的な検索をしてしまったら…
(兵庫県立大学 竹内和雄教授)「彼らの言い分を聞いてあげた上で判断して、本人に納得させて『これはダメよ』ってするとか。いきなり怒ると子どもはもう親に相談しなくなる。一番重要なところはそこです」
性に興味を持ったときこそ『正しい知識』を伝えるチャンス
5歳の息子がネットで性的なことを検索していたAさんのケースについて竹内教授は、「性に興味を持つのは自然なことなので間違ったことではない」とした上で、興味を持ったときこそ正しい知識を伝えるチャンスだといいます。そして、興味を持ったときに話ができる関係を築いてほしいということです。
また、小学生の息子が利用制限後も性的サイトを閲覧していたBさんのケースについては、過剰な興味本位の検索・閲覧は危険サイトへのきっかけになるため、勝手に子どもが検索できてしまう環境はリスクが高いと話しました。子どものスマホにフィルタリング機能がついていても、親のスマホやタブレットを渡すことがある場合、それらにフィルタリング機能はついているのかというところを丁寧に対応すべきではないかということです。
性に対する興味で調べていても、そこから闇バイト・パパ活・薬物・自殺などの犯罪行為につながる可能性もあります。例えば、トイレをしているところをのぞく動画にたどり着いてしまい、気づいたらそういった動画ばかり見ていた子どもが、実際にトイレでのぞき見をしてしまった事例が過去にあったそうです。
フィルタリングは絶対ではない…親子で相談できる関係が大切
子どもが初めてスマホに触れるとき、自由に使える環境は危険です。まずは親と一緒にネットを利用しましょう。また、フィルタリング機能は必須ですが、後からつけても、一度見れてしまっていると子供は納得しないもの。渡すときは最初からつけておきましょう。
そして、フィルタリングをすり抜けてしまうこともあります。子どもが性的な検索をしているとわかったときに怒るのではなく親子で話し合う。親子で相談できる関係が大切です。スマホの利用については両親や祖父母で対応にばらつきがないよう家族で統一したルールをつくること。そのルールは親だけでは決めずに子供と話し合って決めることが大切です。
私が出版社に 成人向けの小説 を投稿したのも、万が一に 女性や子供の目に触れても不快感を与えないエロスを表現しようと思ったから であります。