(改正案)
第一条 皇位は、皇統に属する者が、これを継承する。
② 皇統とは、皇祖にはじまり男女双方の系統に由るものである。

第二条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一 皇長子
二 皇長孫
三 その他の皇長子の子孫
四 皇次子及びその子孫
五 その他の皇子孫
六 皇兄弟並びに皇姉妹及びその子孫
七 皇伯叔父並びに皇叔母及びその子孫
② 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
③ 前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。

第五条 天皇が、その意思に基いて皇位を譲る場合、皇嗣が成年に達していることを要する。譲位は、皇室会議の議を経たのち、国会の議決を経なければならない。
② 天皇は、その意思に反して、皇位を退くことはない。

皇位継承順位に関しては、男女関係なく直系長子を優先とし、
平成29年に成立した『退位特例法』で対処された『譲位』を恒久制度化するために、第1章【皇位継承】にて『譲位』に関する条文を書き加えました。


皇位継承の安定の観点から見ても、皇位は男女関係なく直系長子によって継承されることが最も望ましく、
譲位に関しても、天皇陛下の御意思が尊重されることは議論の余地はありませんが、成年に達していない皇嗣が即位することによって摂政を置かなければならない事態を招いてしまっては、皇位継承の安定の観点から見ても本末転倒であります。

皇位継承は、血統のみではありません。

また、皇位継承に関わる儀式の予算が国費が使われることからも、最終的に国会の議決を要するものとしました。

『皇太子』『皇子』は、広義の意味では女性も含まれるものであり、我が国の歴史から見ても『天皇』と共に男女を差別するものではありません。



【天壌無窮の神勅】
葦原千五百秋瑞穂の国は、是、吾が子孫の王たるべき地なり。爾皇孫、就でまして治らせ。行矣。宝祚の隆えまさむこと、当に天壌と窮り無けむ。

【現代語訳】
この日本の国は、私の子孫が王となるべき地である。皇孫であるあなたが行って治めなさい。無事でいるように。皇室が栄えることは、天地がある限り永遠である。

そもそも、皇祖は元を正せば『天照大御神』という女神様に行き着くわけで、今更、男系女系を論じること自体が無意味な議論であります。


皇位継承権を男系男子に限定したのも、明治に典憲が成立して以降の比較的新しいルールであり、慣習的に男系を絶対としてきたといった理屈も、後世による『後付け』の域を出ず、根拠に乏しいものであります。

 


男系男子を『優先』したいというなら、進歩の速度と方向性を示す『保守』の観点からのものであると理解し、評価できますが、
女系が皇統の『終末』であるかのように騒ぐのは、もはや『保守』とは言えず、我が国の未来に対して無責任な頑迷固陋の『呆守』であります。

(改正案)
第六条 皇后、上皇、上皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王、関白を皇族とする。

第七条 嫡出の皇子及び皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。

第十条 天皇及び皇族は、養子をすることができない。
② 天皇は、皇室会議の議により、親王及び内親王、王及び女王を、猶子とすることができる。その際は、王の場合は親王、女王の場合は内親王となる。

第十一条 天皇及び親王、内親王、王の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

第十二条 女子の天皇及び皇太子又は皇太孫が、皇族と婚姻した場合、配偶者は親王とし、王の場合は、特にこれを親王とする。天皇の配偶者たる親王は、その配偶者たる天皇が譲位又は崩じた場合、特にこれを上皇とする。
② 女子の天皇及び皇太子又は皇太孫、内親王が、皇族以外の者と婚姻した場合、その配偶者は関白とする。天皇の配偶者たる関白は、その配偶者である天皇が譲位又は崩じた場合も、上皇となることができない。

第十三条 女王は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
② 年齢十八年以上の王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
③ 親王及び内親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

第十四条 皇族の身分を離れる親王の妃、内親王の配偶者たる関白、王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した者及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。

第十五条 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となった者、内親王の配偶者たる関白となった者が、その配偶者を失ったときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
② 前項の者が、その配偶者を失ったときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
③ 第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。
④ 第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した者に、これを準用する。

第十六条 皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合(天皇が女子である場合は、天皇の配偶者たる関白となる場合も含む。)及び親王、内親王、王と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。

 



皇族でない者が女性天皇や内親王の配偶者となった場合の称号として『関白』を新設しました。

関白は、歴史上存在した官職の名称であり、摂政が天皇が未成年であったり心身の故障によって政務に関われない時の一時的な代行であったのに対し、
関白の場合、成人となった天皇を支える令外官でありました。

その役割を弾力的に解釈すれば、この先、女性天皇や女性皇族の公務をお助けする立場に相応しい呼称であると思うわけです。

そして、敬称に関しても摂政と同様に『殿下』であることからも、保守の立場からも違和感なく受け入れられるのではないかと思います。

関白旗は、天皇旗、皇太子旗、皇族旗の『菊花紋章』の部分を『五三桐』に変えたものを制式とすることを想定しています。

未婚の男性皇族が悠仁親王殿下しかいない現状において、女性天皇の配偶者が皇族となる可能性は無いとは言い切れませんが、
敬宮さま(※愛子内親王殿下)と悠仁親王殿下が結婚されることがあれば、敬宮さまが即位された場合は、皇配となる殿下の身位は『親王』となり、対外的には [Prince consort] とします。

悠仁親王殿下が即位された場合は、配偶者は皇后 [Empress consort] となり、敬称も『陛下』となります。


また、政府の有識者会議による最終報告において、旧宮家の男系子孫を皇族として迎える案が出ていることからも、仮にそれが成功したとすれば、おそらく『王』の身位の皇族になるのでしょうが、
敬宮さまのお婿さんが皇統にたどり着く場合は、その王を『親王』としてお出迎えすることも無きにしもあらずです。


(※後高倉院こと守貞親王。高倉天皇の皇子で、後堀川天皇の父。天皇に即位しないまま太上法皇となった)

(※他にも、後花園天皇の父である伏見宮貞成親王も、後崇光院として太上法皇とされたことがある。
ちなみに、戦後に臣籍降下した旧皇族と天皇陛下を男系で辿ると後崇光院まで遡らなければならない)

(※正親町天皇の皇子で後陽成天皇の父である陽光院は、天皇に即位しないまま早世され、子の後陽成天皇の即位に伴い『太上天皇』を追尊された)

(※光格天皇の父である閑院宮典仁親王は、明治17年に太上天皇を追尊され、その墓所は天皇陵とされている)

親王が女性天皇の配偶者となる場合は、将来的に『上皇』となる(※今でも慣例として有効な『皇族身位令』に準じれば、崩じられた後の追号としても想定される) 可能性も出てきますが、
関白に関しては、天皇の父であっても、その対象から除外します。

また、第7条においては、女系の皇子も親王、内親王、王、女王とし、内親王にも皇位継承権があるため、その婚姻に関しては皇室会議を経る必要が発生します。

女王は原則、皇位継承権が発生しないものとし、天皇及び皇族以外と婚姻した場合は皇籍から離脱しますが、
特に、天皇が『猶子』をした場合は、内親王となり、皇室に残ることを想定しています。

第10条の2項に定めた『猶子』は、貴人を後ろ楯にした義理の親子関係を結ぶものであります。
『三笠宮』『高円宮』といった宮号も残し、実の親子関係もそのままで、皇室典範が禁止してきた相続権を有する『養子』とは根本的に異なるものであります。

また、猶子となるのも、現に親王、内親王、王、女王の身位を有する皇族に限定したものであります。

現状、皇族が増え過ぎることよりも、摂政が必要となる事態や国事行為の臨時代行、その他皇族としての公務を担う皇族が少なくなることが問題となるため、
寛仁親王の女子である彬子女王殿下、瑶子女王殿下、
高円宮家長女の承子女王殿下にも、可能ならば皇室に留まっていただきたいと願っています。


また、悠仁親王殿下への皇位継承に拘る保守の立場に譲歩するなら、悠仁親王を『猶子』として、将来の皇太子殿下、天皇陛下としての帝王学を、早いうちから身につけていただく必要が出てくるでしょうが、
それに関しては、また別に『附則』や『特例法』が必要となってくると思われます。
 


文仁親王殿下は、年齢的に見ても、殿下のお考えを推察した上でも、殿下が皇位につくことはないと思われます。


第二十四条 天皇、皇后、上皇、上皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。
② 前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。

第二十六条 天皇及び皇位にあった上皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。

関白も皇族に含め、対外的には [Prince] でありますが、天皇の配偶者であっても敬称はあくまで殿下 [Highness]とします。

また、天皇であった上皇は、天皇と同様に大喪の礼を行いますが、天皇に即位したことのない上皇(※歴史上、実在する)に対しては、あくまで皇后、太皇太后、皇太后に準じたものとします。


また、皆様のご意見も、お待ちしております。