『「自らの意志として侵略戦争は発動しない」

「仕掛けられた戦争には徹底して抵抗する」

「国家資源(軍事力、経済力、国民の意志)を最大限に発揮する国防態勢を整えて、他国からの侵略を抑止する」

これが「専守防衛」の本来のあり方です。わが国は、太平洋戦争敗戦後の再軍備に当たり、専守防衛を国是としてきました。このこと自体は正しい選択であり、過去の侵略戦争の反省の上に立った、まっとうな防衛政策です』

 

その通りですね。

平和憲法のお陰で、この70年間世界各地で起きた戦争に巻き込まれずに済みました。①専守防衛と②非核三原則、③必要最低限の防衛力等は、日本の方針としてとても役立ってきたと思います。国家資源云々は未だ努力目標の段階だと思いますが。

 

ところで、

日本と同じく➀~➂を守っている国が今大変なことになっています。

ウクライナですが、ロシアの侵略を受けて国土が焼け野原になり、たくさんの民間人が拷問を受けたり、虐殺されました。

 

ウクライナ側にロシア国内を攻撃できる武器がないので、戦場はウクライナ国内に限定され、国際法も無視された侵攻によって国土が蹂躙されています。

 

そう考えると、長射程のミサイル等があったらという話になるのもわかる気がします。でもウクライナは平和を求めて①~③を国是にしていたので、ロシアまで届くミサイルがありません。もちろん通常弾頭では大した破壊力はありませんが、何もないよりはましでしょう。

 

ウクライナは、国の安全を保障するという「ブダペスト覚書」を頼りに、署名国であるロシア、イギリス、米国を信頼していたわけです。さらに中国とも二国間条約を結び核の傘を約束してもらっています。

 

フランスを除く安保理常任理事国(核保有国)すべてと安全保障条約や覚書を締結している国なんて他にないんじゃないでしょうか。これなら絶対安心だとウクライナが思っても不思議はありません。日本は米国だけですから、ウクライナは日本よりも遥かに平和で安全だったはずです。それを実現したウクライナの外交力は、当時の最高レベルだったと思います。これこそ外交力の勝利ですね。

 

ですが、、、

 

日本国憲法に

「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とありますが、

ウクライナも「ロシアの公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」のでしょう。

でも現実は、ロシアに「公正と信義」がなかったために、侵略されたわけです。

 

日本の周りは核保有国ばかりですが、核保有国とは戦わないという米国をどこまで頼れるのか、米国の核の傘は本当に期待していいのか、心配になります。

 

日本国憲法に具体的な国名を当てはめると、

「ロシアの公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

「北朝鮮の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

「中国の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

 

日本は大丈夫かなあ、と不安になります。。。

あれだけ条約や覚書で担保されていたはずのウクライナの平和が一瞬で破られるわけですから。

 

 

『このようにウクライナは、独立当初の段階で、日本の非核三原則とほぼ同じ「非核宣言」を行って、核ミサイルを解体、核弾頭をロシアに引き渡すことを約束。誠実に非核化を実行してきた。』

 

『英国を加えた4カ国でウクライナのNPT調印と引き換えに、米英露がウクライナの主権・領土尊重を約束する「ブダペスト覚書」に調印した。』

 

 

『ウクライナが核による攻撃を受けた場合には中国が守る――。習近平国家主席が8年前に署名し、ほぼ忘れ去られていたこの異例の合意が、ロシアのウクライナ侵攻で再び注目を集めている。』