素晴らしき戦争
80点。見始める前に「第1次世界大戦」について勉強しておくことを勧めます。1914年、一触即発状態のヨーロッパ。セルビアを訪れたオーストリアの大公夫妻暗殺事件を契機に、ドイツ、オーストリア、イギリス、フランスが次々に開戦、第一次世界大戦が勃発する。英政府は勝利を手中に収めんがために国力を結集し、国民すべてを戦争に巻き込んだ。その激動の余波は、平和な小市民であるスミス一家にも否応なく及ぶのであった……。(Amaz〇nより)ミュージカルでコミカル。これによって痛烈にシュールに戦争を批判する映画(ミュージカル)となっています。「行く人死んだ(1914)第1次世界大戦」――で有名な史実ですが、本作はこれを描いた映画です。当時のヨーロッパは領土・宗教・人種・同盟関係が複雑に入り乱れ、一触即発状態でした。そんな中、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれていたサラエボで、オーストリア=ハンガリー帝国の大公夫妻が暗殺されるという事件が起きます。後に「サラエボ事件」と呼ばれる事件です。この事件を機に、一気に地域紛争が世界規模のものへと発展します。悪く言えば、今で言うところの「先制自衛権」という考え方が絡んだのでしょう。中立国ベルギーがドイツ帝国によって侵略されたことを機に、イギリスが参戦します。ホレイショ・キッチナー陸軍大臣の呼びかけの下に集まった志願兵は、300万人にも上りました。(何故、どの国も開戦直後は戦争が美化されるんでしょうね。)本作の第1人称となるのはイギリス人たちです。戦場(西部戦線)とイギリス国内の「第1世界大戦」遊園地(←目一杯皮肉ってますね)と指揮官たちのいる宮殿という3つの舞台が主に描かれます。ここで象徴的に、風刺的に戦争が進んでいきます。なお、作中では「赤いポピー」の描写が徐々に増えていきます。これは、イギリスで大戦の犠牲を象徴しているそうです。ラストシーンは(おそらく)ソンムの戦い。「塹壕から出て、敵陣へ突っ込め」という無謀な作戦が実行された戦いです。この作戦で、英仏軍の91%が戦死したそうです。「何故、パパは戦争に行ったの?」史実が示す必然性や、歴史家たちの評論が通じない子供のこの問いに、一体誰が答えられるでしょうか?