雑感 ――飽きない退屈、にもいずれは飽きるけれど―― | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

芦奈野ひとしと木村紺が、いわば僕の両輪だった時期があった。
……まあ、ニュアンスの話しかしてないので察していただくしかないのだが(苦笑)。ちなみに現在は、阿部共実と阿部洋一がその位置に納まっている。

その変化は、僕の感覚や求めるものが変わった、というわけではないと思う。多面的な欲求の内の、どの側面を満たすことが出来るか、という違いでしかない。
そして僕の中で、『ヨコハマ買い出し紀行』と『神戸在住』の存在はやはり大きいということなのだろう。両作者が作品のクオリティをどれだけ高めたとしても、読み手である僕自身の熱量がそれに比例しないのだろう、という思いは拭いきれない。



木村紺が『神戸在住』のイメージを引き剥がすような作風の変遷を辿っているのに対し、芦奈野ひとしは『ヨコハマ買い出し紀行』を継承し発展させる路線のようだ。
……そういう作品しか描けないのか? とは思わなくもないが、僕としても求めているのは正に「そういう作品」であるので、文句があろうはずも無い。
日常の中の非日常、現実の中の非現実、と、それを目の当たりにした時の気持ちの揺れ動きの描写が絶妙だと思う。その中で『ヨコハマ』や『カブのイサキ』を思わせるような意匠があちこちに見られて、色々と深読みさせられるのが楽しい。
期待した通りのクオリティだな、と思う。これが期待以上になるか、は、巻を重ねてからの話だろう。一冊だけでは、明らかに物足りない。もっと読みたい。



そしてインコかわいいよインコ(笑)。