酒をしこたま飲んだ後なので、手短に。
2012 第57回有馬記念 ゴールドシップ(HD)
極めて平易に、図式的に言うなら、スピード能力を問われる東京・京都に対し、スタミナ・底力が物を言う中山・阪神、という言説が現状成立するのではないかと思う。
そしてそれに則るなら、今年の春の天皇賞は「スピードの持続力」と「底力に由来するスタミナ」という似て非なる能力の内、前者を武器としたフェノーメノが勝利し、後者を武器としたゴールドシップが敗れた、ということになる。
ただ問題は、そこで見せたフェノーメノの能力が、本来の適性から外れる今回の阪神コースにおいても効力を失うものではないように見えた点。
そして仮に同等の能力を持つのであれば、より前に位置取ったほうが有利であるという構造的な問題である。
ここはゴールドシップの舞台だから、というイージーな論理は通用しない、という前提を踏まえつつ。
◎ゴールドシップ
もし馬券を買うなら、ゴールドシップの単勝、それだけを握り締めてレースの行方を見たい。
ゴールドシップがフェノーメノに一矢報いるとするならここしかない。
もしここで勝てなければ、最早その後のどのレースでも勝てるイメージを描けない、と言うだけでなく、これまで積み重ねてきた全ての勲章の価値まで無に帰することになりかねない。
有馬記念のレースにおいて、少なくともルーラーシップ以外の馬に対してifのつけようも無い勝利を飾ったのは紛れも無い事実なのだ。負かした相手だけで見れば、フェノーメノと大差は無い。
恐らくシルポートが速いペースで逃げるであろうと想定した時に、それを交わすタイミングを計らなければならないフェノーメノに対し、とにかく早くに動き出しさえすればいいゴールドシップの明快さは、構造自体を逆転し得る要素となるはずだ。
……ここまでジェンティルドンナを無視してきたが、勝った場合にのみ回顧で取り上げることとしたい。今回は天皇賞の再戦として見る。
背水の陣に立たされた者の戦いを見たい。勝たなければならない者が勝つレースを。