ともかくも、オルフェーヴルのいない宝塚記念。
4強ではなく、3強によって争われる、夏のグランプリである。
2012 第72回皐月賞 ゴールドシップ(HD)
かなり高い確率で雨模様となりそうな現状、3強で唯一荒れ馬場での実績があるゴールドシップには誂え向きと言っても良いだろう。
ただそれは、負けられない戦いであるという度合いがいや増した、ということにもなる。
今年の国内王道路線の中心を走ることを、少なくとも4月後半の時点まで最も期待されていたのはゴールドシップだったはずだ。
だが実際には、自らが第一人者であったはずの長距離において、しかもフェノーメノに再度の先着を許しての5着という、決定的な敗戦で躓いてしまった。
この馬の3角捲りという戦法を、僕自身過信してしまっていたという自覚はある。
ディープインパクトの現役時に、例えばゼンノロブロイとタップダンスシチーが競り合って大レコードで決着した有馬記念のようなレースで果たして捲くりきれるのか、という疑念があった。
道中緩まず前が止まらない展開では、基本的に捲り馬の出る幕が無い。
少なくともその構造的な不利に、まるで思い至らなかったのは手落ちと言うほか無い。
そして、前走で早目に仕掛けて押し切ったフェノーメノは、明らかにその流れに加担する側であった。
恐らく、今回もその仕掛けを踏襲するはずだ。それはゴールドシップに対すると同時に、恐らくはジェンティルドンナに対しても有効な仕掛けとなり得るからだ。
ただ、相手に合わせて位置取りを変えることも出来るジェンティルドンナに対して、ゴールドシップは良くも悪くも自分の競馬を遂行するしかない。ダービーの敗戦の後にも競走スタイルは基本的に変わらなかった(変えられなかった)ように、ベクトルは変化ではなく進化(深化)に向かうしかないのだろうと思う。
故に構造上の不利は変わらない、が、競馬は常に構造だけで決まるというものでもない。
ここで勝てないようなら、秋の府中で何かを期待することなど出来ない。
ゴールドシップにとって、ここが正念場である。