しばりやトーマスの斜陽産業・続 -19ページ目

マッチョの時代とその敗北『クライ・マッチョ』

 クリント・イーストウッド監督の最新作『陪審員2番』が公開されるも全米ではわずか35館の限定公開で、3600万ドルと言われる製作費の回収は難しいとされている。

 今年94歳の巨匠、最後の作品(年齢的に)と言われているだけに寂しい数字。ちなみに評価の方は上々で、当初は賞レースの参加も囁かれていたというのに。日本での公開はU-NEXT独占配信(12/20より)という事態に。現在劇場公開を求める署名活動も行われているが・・・

 

 

日本での劇場公開が避けられたのは前作『クライ・マッチョ』がわずか1億9000万円という数字に終わったことが影響してないとも言え無さそう。こちらも評価は高かったのに稼げなかったという部分では『陪審員2番』と同じなのである。

 

 舞台は1978年のテキサス。かつて凄腕のロデオのカウボーイであったマイク(イーストウッド)は落馬で負ったケガの後遺症で引退。酒と痛み止めに溺れ生活は荒み、馬の調教師として細々と暮らしていた。最後までマイクを見捨てなかった牧場主のハワードにすらクビを宣告されてしまうが、彼からある仕事の依頼を請ける。それは昔別れた妻の元で暮らしている13歳の息子ラフォを連れ戻してくれと。

「俺に借りがあるだろう。それを返せ」

 ラフォのいるメキシコへ向かうマイクは豪邸に住むハワードの元妻レタに会うが毎夜パーティ三昧、男をとっかえひっかえしている彼女は息子の面倒をまるで見ておらず、ストリートで寝起きしているラフォを闘鶏場で見つける。母親に愛されず、間男に暴力を振るわれる日々にうんざりしているラフォは父親が牧場主として成功している話を聞かされ、マイクを見て「俺もカウボーイになれるかな?」と目を輝かせる。

 

 息子を所有物としか考えていないレタは息子は渡さない、余計なことをすればあんたも前に来た男たちと同じ目に遭うぞと脅す。どうやらハワードはマイクの前に仕事を押し付けた連中がいたらしいが、すごすごと帰るだけだったようだ。

 荒事を避けたいマイクはテキサスに帰ろうとするがこっそり車に乗り込んだラフォを追い返せず、彼が“マッチョ”と名付けた闘鶏とともに国境越えを目指すが、レタの間男でチンピラのアウレリオとその手下が旅路を妨害する。

 追っ手と警察の検問を避けるために途中の村に立ち寄った二人はレストランを経営する女性マルタに助けられながらしばらく村に滞在する。村で馬を飼育する男の手伝いをし、マルタとの関係を深めていくマイクはこの土地を去りがたくなったくる。

 連絡をとったハワードは早く息子を連れてこいと騒ぐ。なぜならハワードは元妻の名義で投資した土地の利益がかなりの額になり、息子を手元に置いておけば元妻も交渉に応じるからと。「俺をだましたのか?」突っかかるマイクに「息子を愛しているのは本当なんだ」というハワードを信じたマイクはラフォに真実を告げ再びテキサスに向けて車を走らせるが・・・

 

 

 ニワトリにマッチョと名付けてるラフォに「アメリカにいったらマッチョなんて気軽にいうな」と諭すマイク。テキサスはみんなマッチョだと思っている男だらけだから。

 イーストウッドといえばマッチョの代名詞みたいな俳優であった。マカロニ・ウエスタンのシリーズやダーティ・ハリー。数々の女優と浮名を流し、次々子供をつくり、6人の結婚相手との間に8人の子供がいる!まさしくマッチョ!

 しかし近年のイーストウッドは「かつてはマッチョだったが今ではただのジジイ」といった役や作品を連発している。マッチョイズムの否定だ(実際ソンドラ・ロックに二度中絶を要求したり、慰謝料の支払いを拒絶したり、どこがマッチョやねん!という気もする)。

 

 1978年というマッチョでいられた時代を舞台にマッチョイズムを否定する!映画に出てくる人間はみんなマッチョぶってる。マイクはカウボーイとして栄光を築いたが家族を失い、友人もおらず、誰からも愛されないただの男。ハワードの元妻レタは金に守られ自分を着飾っても子供に見捨てられている。ラフォはワルぶってもただのガキで、アウレリオはただのチンピラ。イキっても最後はニワトリのマッチョに強かな一撃を食らって退場する。この作品で本当のマッチョはニワトリだけなのである。

 

 マッチョなんてイキったところで誰にも愛されない寂しいだけのやつなのさ、とマッチョの敗北を描いている『クライ・マッチョ』は今アメリカで一番マッチョぶってるドナルド・トランプの姿にも見える。あいつがいくら吠えたところで誰にも愛されない寂しいだけの男でしかないのに。

『クライ・マッチョ』がアメリカで数字を稼げなかったのって真実から目を背けたい人間ばかりだったのと、「寂しくなんかない!俺はマッチョなんだから!」とイキってるアメリカ男性が如何に多いのかってことじゃないのかなあ。

 

 

 

 

 

愛憎の男の物語『KCIA 南山の部長たち』

 去る12月3日の夜、韓国大統領尹錫悦(ユン・ソンニョル)は非常戒厳令を宣布した。韓国に非常戒厳令が宣言されたのは1979年の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件後以来で、民主化された以降、初の出来事。

 尹大統領は低支持率(19%)にあえぎ、4月の総選挙では野党が大勝利し過半数を握られた上、身内のスキャンダルを厳しく追求されるなど政権維持が難しい状態にあり、退陣を求める声が強くなる一方だった。

 大統領は「北の共産勢力から国家を守るため」として野党を弾劾し戒厳令への理解を求めたが反発した野党議員らが国会に押し寄せ警察、特殊部隊がやってくる前にバリケードをつくり籠城、さらに周囲を戒厳令宣布をテレビなどで聴いた民衆が警察官の輪を取り囲むといった事態に発展。

 翌日早朝に与野党議員190人の投票により非常戒厳令の解除要求決議案が可決。韓国の国会では過半数が賛成した場合、戒厳令を解除しなければならないという決まりだからだ。ちなみに投票の内訳は賛成190!こうして戒厳令はわずか数時間で終結した。

 権力者の暴走を国会議員が止めることができる機能が存在しているほど、韓国の民主主義は徹底している。さすが軍事独裁政権の暴走をデモ活動で阻止した国民性だけのことはある。

 

 最近の韓国はかつての軍事独裁政権時代や民主化の際の出来事を次々映像化しており、それらは社会問題を取り上げながら娯楽作品として十二分に楽しめるものだ。そのうちのひとつ『KCIA 南山の部長たち』は韓国が民主化以前の時代、1979年の朴正煕大統領暗殺事件の映画化だ。

 

 軍事クーデターを起こし政権の中枢に居座った朴正煕は大統領となり、韓国を高度成長期に導く。大統領直属の諜報機関KCIAは国家に逆らう反逆者を捕らえ、時には拷問にかけるなどした。彼らは本部の地名を取って「南山(ナムサン)の部長たち」と恐れられた。

 18年もの間最大の権力者として君臨した大統領は1979年に暗殺された。KCIA部長の手によって。自身の右腕ともいうべき部下に殺されたのだ。一体なぜ?本作は暗殺事件の背後と暗殺されるまでの40日間に何があったのかを推察するサスペンスだ。この暗殺事件は今も真相がわからないとされており、そのためこの映画の登場人物は一部を除いて偽名になっている。

 

 暗殺される40日前ーー

 

 パク・チョンヒ大統領(イ・ソンミン)は韓国が統一教会などを使ってアメリカの下院議員を買収しようとしたコリアゲート事件の重要参考人としてアメリカに亡命した元KCIA長官パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)の証言に頭を悩ませていた。大統領の片腕として違法行為の裏側をすべて知っているパク元部長は大統領を「革命の裏切り者」と罵倒し、暴露本の執筆さえ伺わせた。

 激怒した大統領は現在のKCIA長官キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)になんとかしろと迫る。パク元部長と友人だったキム部長は説得するとしてアメリカに飛ぶ。パク元部長と対面したキム部長は暴露本の原稿を渡すように言い、受け取るがパク元部長は「イアーゴ」なるKCIAすら知らない大統領のマネーロンダリングを請け負っている秘密部隊の存在をほのめかす。暗に大統領は俺はもちろんお前だって信用していないぞ、というわけだ。

 

 帰国し原稿を手にいれ、暴露本を出版を止めたことに満足する大統領だが、原稿の一部が日本の週刊誌に流出する。これで大統領の怒りを買ったキム部長は立場が危うくなっていく。粗野な言動で知られる警護室長(大統領のボディガード)のクァク室長(イ・ヒジュン)が大統領に取り入り、キム部長に代わる「お気に入り」として常に大統領のそばにいるようになるのが腹立たしくなるキム部長。

 なぜならキム部長はかつて軍隊でパク・チョンヒの戦友として死線を潜り抜けた関係なのだ。民衆のデモに対しても

「あんな虫けらども、戦車でひき潰してやればいいんですよ!」

 と暴力的な手段しか頭にないクァク室長と比べて、大統領を宥めすかしたり、時には耳に痛い忠告もするキム部長からすればクァク室長などただのおべんちゃら使い、大統領の腰ぎんちゃくでしかない。

 

 両者の対立が深まる中、クァク室長がパリに滞在しているパク元部長の暗殺を計画していることを知る。また大統領もキム部長にパク元部長の処理をそれとなく示唆する。もはや平和的な解決は望めない。

 キム部長の頭をよぎるのは「大統領は俺もお前も信じていない」と言う言葉だ。なにしろパク元部長は大統領の片腕として辣腕を振るいながら、ほんの少しの報酬を懐に収めただけで排除されたのだから。

 クァク室長に先をこされるぐらいなら…とキム部長は先手を打ってパク元部長の暗殺を成功させる。友人の命まで奪って大統領に忠義を尽くすキム部長だが、民主化を求めるデモは激化する一方で穏便な解決を求めるキム部長は「生ぬるすぎる」と大統領に距離を置かれだし、会席の場にも同席できなくなる。大統領のために尽くしてきたのに!

 

 するとキム部長はこっそり大統領とクァク室長の会食の場にこっそりと侵入し、盗聴を試みるのだ!大雨の中をずぶ濡れになって建物に侵入するんだけど、その目的は食事をしてる二人の盗聴というね。そこで二人がキム部長の排除を目論んでいる会話を聞いてしまう。

「君には私がついている。好きなようにやりたまえ」

 それはかつてキム部長やパク元部長に囁いたのと同じ言葉だ。

 

 キム部長が暗殺という手段に出たのは大統領が革命の裏切り者だからとか、国家のためだとかは全部建前で大統領にとってただ一人の側近であり片腕であり相棒であるという関係を失うことが耐えられなかったからにしか見えない。

 

「こんな虫けらのような男がいいのですか!」

 

 って大統領に言う言葉じゃないよね。『KCIA 南山の部長たち』はポリティカル・サスペンスを装った友情と愛憎の物語だ。キム部長はパク元部長との友情を失い、愛憎半ばに大統領を手にかける。大統領はたったひとり孤独に誰も信用できず、側近に裏切られる最後を迎える。

 キム部長は結局逮捕され処刑。周到に根回しをした結果のクーデターじゃないから杜撰な結末を迎える。突発的な行動だったのが伺える。これは一部の人間を偽名にするのもわかる話だなあ。

 しかしこれが韓国民主化への第一歩となるのだった。

 

 

 

 

ノルウェー産、居心地の悪いコメディ『ドリーム・シナリオ』

 アメリカ最大のインディーズ、A24がノルウェーの新鋭クリストファー・ボルグリの長編3作目としてプロデュースしたのがニコラス・ケイジ主演の『ドリーム・シナリオ』だ。この映画、ひとことでいうと・・・居心地の悪いコメディといったところ。なにしろ『へレディタリー/継承』『ミッドサマー』の監督アリ・アスターのプロデュースだしね。

 

 ケイジが演じるのは進化生物学の教授ポール・マシューズ。大学ではそれなりの地位を築いているが、冴えないハゲ(薄くなった髪を隠そうともしないケイジはエライ!)たオッサンで、生徒はもちろん家庭でも妻、二人の娘ともども相手にされていない、男として終わっている人物。

 かつての同僚シーラ(ポーラ・ブードロー)が一緒に研究したテーマ(アリの生態についての論文)を単独で発表しようとしているのを知り、自分の研究を盗んだのではないか?と疑っており、直接会って対決しようとする。妻ジャネット(ジュリアン・ニコルソン)から、会話を録音するよう勧められるが、ポールはシーラを責めるどころか「一緒にやったテーマなんだから、僕の名前も共同研究者と言うことで入れてくれよ。頼むから」と媚びてしまうのだ。録音した音声は情けなさすぎて妻に聞かせられないため、録ってないと嘘をつく。

 ポールは進化生物学の本を出版することを夢見ているが、「書こうと思ってるんだ」というだけで一文字も書き始めていない。徹底して情けないダメ男と言うことが強調される冒頭。

 

 妻と出かけた観劇の帰りにポールの元交際相手クレア(マーニー・マクフェイル)と出会い、彼女から夢の中にポールが出てくることを聞かされる。ジャーナリストのクレアは許可を得てそれを記事に書くと、周囲の人間(学生から見知らぬ他人まで)が皆、夢の中にポールが出てくると言い出し話題になり、テレビのインタビューまで受ける彼は一躍時の人となる。

 しかし夢の中に出てくるポールはどんな時も無表情で、誰かが危険に晒されていても決して関わろうとしない、退屈でつまらない男として登場するのだ。それじゃあ普段の自分と変わらないじゃないか!

 

 そんなある夜、自宅に心を病んだ男が侵入しナイフを突き出し「お前を殺さないといけないんだ」と騒ぎを起こし、ポールは有名税の大きさに怯える。

 新興のPR企業がポールに広告の仕事を持ってくる。これで本が出せると思い込んだポールだが、会社が彼をCMキャラにしようとすることしか考えていないと知ってショック。そのCMはスプライトなんだが冴えないハゲオヤジを見て飲みたいと思うか?スプライト!

 会社のPRチームの若い女性スタッフ、モリー(ディラン・ジェルラ)はポールを飲みに誘い、夢の中でポールに激しく求められたということを囁く。今まで何もしない退屈な男としてしか出てこなかったのに初めて能動的な行動をとったことがちょっとだけ嬉しいポールはそのままモリーの家へ。夢を再現するよう迫られて鼻の下を伸ばすが、緊張からか屁をかました上にチャックを下ろされただけで発射してしまうド早漏をかまして逃亡あまりの悔しさに一人ホテルのベッドでブチ切れるという醜態に次ぐ醜態をさらすのだった!情けないにもほどがある・・・

 

 ケイジは本作の演技が絶賛され、去年のオスカーノミネートも噂された(残念ながらノミネートを逃した)が、夜遊びしようとして光速発射しちゃう役で評価されるってどういうこと。

 

 この一件をきっかけに夢の中に現れるポールは残酷で暴力的になっていく。襲われ、強姦され、殺される夢を見るようになったことで生徒らはポールに怯え講義に出なくなる。セラピーも失敗した上に自家用車に「最低のクズ」と落書きされてしまい、彼を称賛していた声は一転、誹謗中傷の袋叩きに。

 大学を長期休養に追い込まれるポールは「これで執筆にとりかかれるさ」とイキるがもちろん一文字も書いていない(笑)。挙句シーラは単独で論文を発表し話題に。ポールへの非難のせいで妻は仕事のプロジェクトから外され、娘たちはイジメにあい、うつ病に。家族からも孤立するポール自身は街を歩いているだけで責められ、さらに悪夢を見るようになる。それは謎の男からクロスボウで撃たれる夢だが、その男はポール自身だった!

 

 悪夢に魘されることの恐ろしさを実感したことで自撮りの贖罪映像をネットに流すが、その内容が「私だって被害者なんだ」と泣きを入れるものだったのでなんと妻のジャネットから「あなたと結婚したことすら恥ずかしいわ」と突き放されてしまう!どこまでも情けないケイジ!

 

 劇中でケイジが受けるあまりにもあんまりな扱いは泣けてくる。自分が直接やったことで責められるならまだしも、夢の中の自分が勝手にやったことで注目されたり、貶されたりするのだ。そんなの自分でどうしようもないやん!(ポール自身の精神状態が多少に影響させたこととはいえ)

 こういう役を映画の中で常に起用に演じてきたニコラス・ケイジがやっていることに意味がある。ケイジにもどうにもならないことがあるんだなあ。

 

一体この映画どういう着地点にもっていくんだ?とスクリーンを眺めていると、なんとポールの一件をきっかけにスタートアップ企業が他人の夢に入り込む“ノリオ”と言う技術を発明し、夢の中は無限に広がる広告スペースとなってしまう。以降ポールは一切夢の中に現れなくなる。もうポールは流行りのネタじゃなくなったってこと。

 この体験を元にした著作『ドリーム・シナリオ』を上梓したポールはブックツアーのためフランスに渡るが、本は許可なく「私の悪夢」と改題され、オカルト、ホラー本の扱いを受けて薄暗い地下室でサイン会させられ、最中に天井のライトが落ちてきて大けが。

 悪夢はなくなり、本も出せたのにちっとも幸せじゃない!

 

 冴えないオッサンがほんのちょっとだけ認められたい、有名になりたいと思っただけなのに。膨れ上がった承認欲求に押しつぶされていく男の悲惨さを綴った『ドリーム・シナリオ』あなたは笑えますか?僕はちっとも笑えなかった。つまらないからじゃない。自分の中にもある承認欲求を見抜かれてるようで、劇中でケイジが悲惨な目に遭うのを見ても笑えるより居心地の悪さを感じてたまらなかった。

 監督のクリストファー・ボルグリは前作『シック・オブ・マイセルフ』でも承認欲求に取り憑かれた女性の愚かさを突き放すのでもなく、誰にでも起こりえることのように描いてこれまた居心地の悪さを感じさせていたが、この人の作風なんだろうな。

『シック・オブ・マイセルフ』の主人公シグネの本音はたったひとり、若い頃に別れてしまった父親に愛されたかっただけなのだということが明かされる。『ドリーム・シナリオ』のポールも本当に愛されたかったのは妻ジャネットだけだった。承認欲求だけでは満たされない愛を与えてくれる妻だけに認められたかった。だからポールは“ノリオ”でジャネットの夢に現れる。トーキング・ヘッズのデヴィット・バーンの肩幅デカいシャツを着て・・・

 

 

 

 

井筒を攻撃する資格もないダメダメ批評家・前田有一

 西田敏行さんが亡くなった折に主演作の『ゲロッパ!』を久しぶりに(公開当時以来)見て、興奮した。おかしくいのはもちろん、西田敏行のさんざん笑わせて最後にうまく泣きに持っていく演技の妙は見事で、これがナイトスクープで見せたあの泣き芸やと感動させてもらった。

 

 映画については以下をどうぞ。

 

 ところが僕の記憶しているところでは公開当時の評価はまずまずといった感じで(浜村淳さんなんかは激推ししていたはずだが)、ボロクソに言われてもいた。

 あの前田有一もさんざんな書き方をしていて、こいつとは本当に意見が合わないなと思ったし、なにより映画の内容をまるで理解していない。いちいちリンクなんか貼らないけど、怖いもの見たさで検索して見つけてください。

 

>しかし、JBは最後までニセモノなので安っぽさが爆発だわ、ギャグは寒いわと、これが散々な出来であった。東京の下町育ちである私には、どうしてもこの映画のユーモアセンスが合わない。

 

 ジェームス・ブラウンが最後まで偽物しか出てこない、というのは当然のこと。『ゲロッパ!』で西田が演じる親分はムショ入りしている間に娘と離れ離れになり、20年以上も会えないまま時が過ぎていく。再開した娘と失いかけた本当の親子の絆を取り戻そうとするのだが、冷たく突き放されてしまう。西田は小さいヤクザの組で弟分や構成員らと仲良くやっているから、あなたは偽物の家族の方がいいんでしょう、というわけ。

 しかし西田はその偽物の家族と血よりも濃い関係をつくっていた。最後、西田はものまねショーの舞台に上がってものまねタレント顔負けのステージングを披露する。それにつられてものまねJBも上がってくる。圧巻の舞台は偽物にだって本物の魂(ソウル)があるんだという証明だ。だからこの映画には偽物しか出てはいけない

下町育ちとか関係ない。読解力がないというだけでしょう。

 

 

>ちなみに井筒監督は、最近でこそ「酷評はあり得ない、つまらなかったら金を返す」と強気だが、マスコミ向け完成披露では自信なさげで弱気だった。それをみて気の毒になった私は、「もっと自作に自信持て~!」と思ったものだが、ようやくその”自信”だけは持ってくれたらしい。

>監督が、「酷評はあり得ない」というくらいなんだから、皆さんにも劇場にいって、その真偽を確かめてきて欲しいという気持ちもあるが、個人的には、井筒監督のギャグセンスが合わない人にとって『ゲロッパ!』は、かなり厳しい作品であろうと判断する。

 

こんな風にエラソーにボロクソに言ってるんだけど、前田がボロクソにいう理由はわかる。当時の井筒監督は映画をクソミソに貶す言いっぱなし芸で話題になっていたが反発する人もいて、当時まだ勢いがあった2ちゃんねる(もはや死語だな)の映画板なんかではさんざん貶されていた。

 その時の前田有一といえばまだ鳴かず飛ばずの自称批評家だったので、名前を売るために井筒を攻撃していたのが見え見えの文章。前田は他にもおすぎのことも挑発していた。他人を貶すことで自分を偉そうに見せずにいられないのは今も昔も変わらないね。

 

人の作ったものにダメダメ判定する前に自分自身のダメダメぶりを直視した方がいいと思うよ!それにいいかげんマジメに更新しろ!ブログ化はどうした!?

2024年12月予定告知

2024年12月予定

 

12月10日(火)

『スーパーヒーロートーク』

場所:なんば紅鶴 

開場:20:45

料金:¥1500(1d別)

出演:にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 しばりやトーマス

 

ニチアサ系ヒーロートークショー。紅鶴最終開催。

 

12月14日(土)

『アイドル十戒 キングダム8』

場所:アワーズルーム

開演:19:00  料金:¥1500(1d別)

出演:竹内義和 しばりやトーマス

 

今年一年のアイドルニュース特集

 

12月16日(月)

『マンデーナイトアワーズ』

場所:アワーズルーム

開演:20:00  料金:¥1500(1d別)

出演:竹内義和 オートリーヌ しばりやトーマス

 

12月17日(火)

『旧シネマパラダイス』
会場:アワーズルーム 
開演:20:00  料金:¥500+1d別
解説:しばりやトーマス

カルトを研究する若人の会。

ド田舎の冴えないやつらに一票を!

 

12月19日(木)

『地下ニュースグランプリ2024』

場所:なんば白鯨

開演:19:00 料金:¥1000+1D別

出演:しばりやトーマス アシスタント・トモ

 

世間のトレンドからズレすぎた話題にならなかった話題。

今年一番のニュースが決定する!

 

12月27日(金)

『キネマサロン肥後橋』

会場:アワーズルーム

開演:19:30 ¥500+1d別

解説:しばりやトーマス

※終了後にYouTube収録アリ

 

深夜の映画番組風の映画研究会。

大怪獣が空を飛ぶリターンマッチ。