プレミアムプライス版 ぐうたらバンザイ! blu-ray《数量限定版》
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自他共に認めるぐうたら生活を送っている身分なので、あくせく働いて体調を崩したり、心を病んだりする人を見ているとなぜそんなに働く?傷つくぐらいなら休めばいいのに!と思う僕にとって最高の映画がこの『ぐうたらバンザイ!』だ。
知性のかけらもない邦題だが、日本版ポスターについている惹句がいい。
「キミ!働くのやめたまえ!
仕事がなんだ!女房がなんだ!
どうせ人生一度だけ、気ままにいこうぜ、なァ諸君!」
愛川欽也あたりが声に出して読んでくれると最高な文章じゃないか。『ぐうたらバンザイ!』(1968)は自由の意味と人生を謳歌することについて考えさせられる映画だ。
フランスの田舎町で暮らす働き者の農夫アレキサンデルが主人公(演じるは後に『ニュー・シネマ・パラダイス』の映写技師役となるフィリップ・ノワレ)。え?働きもの?ぐうたらなんじゃないの?と思ったそこのあなた、まあ聞いてくれ。
彼は本来怠け者だったが妻のグランデは効率第一の働き者で、彼が怠けることを許さない。朝から晩まで仕事漬けにして、休もうとする夫に指をパチンと慣らして目覚めさせる。仕事で出かけると尾行してサボろうとするとクラクションを鳴らして急かす。寝るときも夫の務めを果たさせる(それでいて子供はいない)。ついにはトランシーバーを渡してリモートコントロール状態にする。村の祭りの日にさえカボチャの収穫をさせる。アレキサンデルは心身共に安らぐ暇もない。
この映画はコメディと聞いたのに、序盤の何かある度に指を鳴らして夫を操る描写が怖すぎて、ホラーかと思った。
戯れに犬を飼おうとしても食わせる餌などないと言われる始末。それでも床で妻の愚痴を聞くよりはマシと屋根裏で犬とともに寝起きするアレキサンデル。
「今は我慢の時だ。今に見ていろ。お前の強権支配も長くは続かないぞ」
そう願っていた矢先、妻は交通事故であっけなく死んでしまった。周囲の村人たちが彼を気遣う中、アレキサンデルの心は晴れ晴れだ。葬儀を済ませたアレキサンデルは家の家畜をすべて外に出し、農作業をすべて放りだしてベッドから一歩も動かない寝たきり生活をはじめる。三日目にはあんなに働き者だった男が外に出てこないということから、村人たちが心配して様子を見にやってくる。彼らに「俺はもう働かない」宣言をする。
「俺は10年間ずっと働いてきた。今こそ休む時なのだ。これこそ人生だ」
小さな村では怠ける者、働かない者がいることは犯罪に近い行為だ。村人たちは懸命に働くことの尊さを説こうとするがアレキサンデルには通じない。彼はベッドの上にロープをつるして引っ張れば食べ物が下りてくる仕掛けや、トランペットを吹いたりして気ままな生活を送る。
食べ物が無くなったらどうするかって?犬に買い物に行かせるのだ。籠を咥えた犬が雑貨屋に走ってメモを見せる。チーズが二枚必要な時は「ワンワン!」と二回吼える。なんてかしこい犬なんだ。
ぐうたら者の存在は労働者階級の村に混乱を引き起こすということになり、県知事まで動き出す(!)。うるさい連中をライフル銃で追っ払うアレキサンデルの説得は命がけに。説得に当たった村人たちは逆に説得されてしまい、「あいつの言うとおりだ。働いてどうなる?俺も明日から休む!」と次々彼に影響されて村人たちは怠けだす。子供まで仮病を理由に学校に行かなくなる!
これは労働者による革命である。村人たちは明日も明後日も働く。何のために?休みたくても休めない。それって何のための人生?いや、仕事一筋に生きることも人生なのだろう。それなら仕事なんかしない生きざまもまた人生ではないか。村人の説得が功を奏さないのは、違った価値観を認められなかったからだろう。
村人はアレキサンデルの犬を誘拐(?)してしまう。犬がいなくなれば外に出てくるはずさ、外に出てくれば働かざるを得ない!これは途中までは上手くいってアレキサンデルは犬を探してついにベッドからはね起きてくる。作戦がまんまと成功してしめしめの村人だがアレキサンデルの宣言を聞いて仰天。
「俺は明日から外に出る。そして犬と一緒に外で遊ぶのだ!」
画してアレキサンデルは犬とともに野畑を駆けずり回り、釣りをして暮らす。当然働かない。とうとう村人たちは音を上げる。革命の勝利だ!
そんなぐうたらアレキサンデルに興味を持つ女が現れる。雑貨屋で働くアガタだ。彼女は孤児であったところを雑貨屋の主人に拾われるが、常に寝ぼけ眼でぼーっとしている。仕事も最低限のやる気しか出さない。ぐうたらな二人はやがて結びつき、アレキサンデルが再婚を決意。
アレキサンデルが元々300エーカーの土地を持つ大地主だったことを知るや否や、アガタは豹変し、わたしは億万長者の妻よと大きな顔をするのだった。
そんなアガタの姿に亡き前妻の姿を見てしまったアレキサンデル。結婚式の誓いの場で
「イヤだ。結婚なんて・・・ありえない!」
式場を飛び出したアレキサンデルは犬とともに駆け出す。人生を謳歌するために。彼にかつて働けとせっついていた村人たちが追いかける。
「どこに行くんだアレキサンデル、みんなお前を愛してるんだ!」
みんな彼の自由な生きざまに憧れていたけれど、革命を起こす勇気がなかっただけなんだ。働くだけが人生じゃない!みんなで幸せになろうよ。
身も蓋もない邦題だが、英語タイトルは”Very Happy Alexander”「とても幸せなアレキサンデル」だ。働かないのが幸せだ。ぐうたらバンザイ!
明日18日の放送で『ウルトラマンアーク』全25話が完結する。
『ウルトラマンアーク』は想像力が事態の解決を促す物語だ。舞台は怪獣出現による災害が日常化した世界の日本。怪獣災害に対し武力で制圧する目的の地球防衛隊と災害そのものを研究し対処するための組織SKIPが存在し、星元市のSKIP分署では16年前の怪獣災害の名残である怪獣モノゲロスのツノ”モノホーン”の研究・監視が続けられている。
モノゲロスの災害に直面し、両親を目の前で失うという悲劇を経験した当時7歳の少年、飛世ユウマはその経験から怪獣災害から人々を守ろうと夢を思い描き、新人隊員としてSKIP星元分署に配属。再び怪獣災害が発生した際、人々を守りたいという気持ちが光の巨人ウルトラマンアークの力を呼び寄せる。
「想像力を解き放て!」
ユウマは想像力で幼いころのトラウマを乗り越える。劇中のキーワードとなる「想像力」によってとんでもない事態に遭遇する人や想像力に押しつぶされて暴走してしまう人が出てくる。想像力は自分を守る力にもなり、傷つけるきっかけにもなる。
防衛隊から出向した石堂シュウは当初、怪獣やウルトラマンアークに疑惑の目を受けるが、ユウマの「まずは信じること」と言う言葉に心を揺さぶられ、想像力の大切さを思い知る。
想像力の大切さを伝える人物として出てくるのが劇中3回ある総集編のみの登場人物、中村イチロウだ。
元防衛隊員で、のちにSKIPフジヤマ分署に引き抜かれたが、フジヤマ市でまったく怪獣災害が起きないので仕事がなく、以降はあちこちの分署をたらいまわしにされてしまう。
掃除とデータの見直しぐらいしかすることがない中村氏は昼行燈状態でそのうちクビにされてしまうことばかりを恐れている。そんな境遇の自分を癒すため(目をそらしているともいう)中村氏は想像力を働かせる。
「ここにウルトラマンアークがやって来ないかなぁ・・・」(もちろん来るわけはない)
この中村氏の存在は単なる総集編回に重要な作品のテーマが盛り込まれているというポイントになっている。中村氏は想像する力を持つことで明日からも頑張るぞ!とやる気を取り戻し、また部署をたらいまわしにされるのだ(笑)。
僕は想像する。最終回もしくは劇場版で中村氏の想像力がきっかけでSKIPやアークの危機が救われる展開を・・・
「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」って?真顔でなんてこというのリンちゃん。
寡黙な男、アダム・クレイは養蜂家である。彼は退職した元教師で恵まれない子供のための慈善団体を運営しているエロイーズ・パーカーの納屋で蜜蜂の飼育をしている。行く充てのない生活をしていたクレイを助けてくれたエロイーズにいつか恩を返そうと思っていた矢先、彼女は拳銃自殺する。悪質なフィッシング詐欺にひっかかり、慈善団体の運営資金、老後の貯え、その他すべてを失ってしまったからだった。彼女の娘でFBI捜査官のベローナから死の真相を聞いたクレイはある場所に電話をかける。
「ある人物の情報が知りたい」
返信を受けたクレイはその人物、ミッキー・ガーネットが所属するフィッシング詐欺のコールセンターのある建物に向かう。
「俺は今からここを焼き尽くす。死にたくないやつはとっとと出ていけ」
歯向かう相手をあっという間に制圧したクレイは持ってきたガソリンのポリタンク二つをぶちまけ予告通り、コールセンターを焼き尽くす。彼の正体は「群れの秩序を安定させる」ための高度なスキルを持ったエージェント、ビーキーパー(養蜂家)だった!
元海軍の潜水艦乗組員の経歴を持つデヴィット・エアー監督と強面のアクション・スター、ジェイソン・ステイサムがタッグを組んだ『ビーキーパー』は近年『レベル・リッジ』のようなリアルさを追求する志向のアクション映画に真っ向から立ち向かう破壊と暴力と復讐の映画だ。
ステイサムは恩人を自殺に追いやったフィッシング詐欺グループのリーダー、ミッキーのコールセンターを焼き尽くすが彼が下っ端に過ぎないことを知るとあえて泳がせ、彼の上にいる悪党の親玉を引っ張りだそうとする。達磨落としのように下から抜いていって親玉を落としていく。力づくで。
とにかく展開が早いので見ていて全く飽きない。電話した次の瞬間にはコールセンターにたどり着いているし、そこを破壊したら次の目的地にすぐ移動!悩むシーンがほぼないので没頭できる。
彼が所属していた組織、ビーキーパーズは政府の管理を受けない独立した組織なので圧力が効かない。最後には黒幕が大統領の息子だということがわかるのだけど彼は全く動じず
「蜜蜂は女王蜂が群れを統率するに値しない存在ならば、その頭を取り換える」
と言って大統領すら標的にする覚悟なのだ。
この「政府の管轄権の外にあるエージェント組織」と言う設定は中々ハッタリが効いている。元特殊隊員とか元軍人とか聞かされるより、中二病が疼く設定だ。脚本は『リベリオン』『ウルトラヴァイオレット』と中二病をこじらせた映画ばかりつくっているカート・ウィマーだと聞いて納得!
カート・ウィマー流無敵のスーパーヒーローであるビーキーパーはまったく傷つかない。彼は引退しているのでCIA長官(ミニー・ドライヴァー!)の意を受けて出動した現・ビーキーパーのイカレ女(車にガトリング砲みたいなやつを載せてぶっ放す。ガソリンスタンドで)も容易く片付けるし、ボストンの巨大コールセンターに侵入するのが難しいとわかると正面突破を図る。入口のFBIを蹴散らし、中にいるやつらは敵なので全員抹殺!大統領の参加しているパーティーでも招待客を装って正面から入ってやはり敵は皆殺し。清々しさに突っ込みを入れる余裕すらない!
敵が弱すぎない?とか野暮な突っ込みを入れるやつらを軽く無視して(余計なことをいうやつにはビーキーパーがくるぞ!)制作費の3倍以上を世界中で稼いだ『ビーキーパー』は非リアルなアクション映画の市場を再び開拓し、同じ監督・主演のコンビで『A Working Man』(労働者)が全米で3月公開。工事現場で働く元海兵隊員の男(ステイサム)が恩のある上司の娘が人身売買組織に攫われたため、再び立ち上がるという話だ。『ビーキーパー』と同じやんけ!ちなみに脚本はシルベスター・スタローンだ。
※吹き替え版を見たのだが、ステイサムのフィックスである山路和弘さんは安定のステイサム声で最高だ
公開中のジェイソン・ステイサム主演映画『ビーキーパー』の入場者特典として配布されていた(予定数を配布し終わったため現在は配布終了)「ステイサムからのお年玉」の内容をめぐって抗議があったことについて配給会社のクロックワークスがお詫び文を発表した。
「ステイサムからのお年玉」とはステイサムが印刷された硬貨風ステッカーと”おみくじ”のことであり、特製ポチ袋の中に封入されていた。おみくじの内容は大吉から大凶まである。
メルカリより
おそらくおみくじが「大凶」であったことに不満を抱いた観客がクレームをつけたのかもしれない。しかし初詣の神社でおみくじ引いて大凶が出たからとクレーム付ける人がいたらそいつはどうかしている。
それに『ビーキーパー』を見てそれが言えるのってすごい。映画はステイサム演じる主人公が恩人を自殺に追いやった特殊詐欺グループの人間を達磨落としのように制裁していく痛快アクションで、最後に黒幕は権力者の一族ということがわかるんだけど、ステイサムは「群れを統率する女王蜂が勤めを果たさない時は、頭を変える」と権力者相手にも動じない。そんな人の映画にこんなしょうもないクレームをつけるなんて・・・ビーキーパーに始末されちゃうぞ!震えて待っているといいよ。
今朝放送の『爆上戦隊ブンブンジャー』44話は最終回が近づいているだけあってとんでもない展開になっていた。凄まじい勢いで急カーブを曲がって最終コーナーに突入していくのだ。
大也の活動をサポートしていたライトニング・テックの内藤雷汰(名前はナイトライダーのもじりだ)に大也の資産・特許が移譲されており、最終承認を待つばかり。駆け付けた大也に内藤は「人々の悲鳴こそが地球を動かしている」ことを告げる。ハシリヤンが集めているギャーソリン=悲鳴が無限のエネルギーになっているとして
「人は誰かが苦しむ姿を見て、あれに比べたら自分は幸せだと安心する。悲鳴が人の幸せを作るんだ」
として悲鳴を上げる人々を救おうとする大也、ブンブンジャーの活動は間違いであるという。
これは現代社会に通じている心理のひとつで、例えば生活保護受給者やホームレスを異常に批判する声が挙がるのも「あいつらに比べたら自分はまだマシ」と思いたい心の表れだろう。高齢者の医療費負担増に反対する声に「年寄ばかりが恵まれている」と筋違いの批判をするのも同じ。
親の介護で心身ともに疲れ果てた人が「自分はこんなに苦労したから、他の人にももっと苦しんで欲しい」といってれいわ新撰組の山本太郎が「あなたたちは幸せになる資格がある」と言う主張に「欺瞞だ!」と叫んでたのを見た時、一体どういう心理で言っているんだろう?と不思議に思ったが、要するに「みんなで不幸せになればいい」という考え方なのね。
こんな社会になっているのは政府が異常なのが原因で、ブンブンジャーの世界では地球を守るための存在である国際宇宙対策機構(ISA)が侵略者のハシリヤンとつるんでいるという異常事態になっている。
子供番組と思っていたらかなり辛辣な現代社会批判が紛れ込んでいて、相当すごいことをやっているよブンブンジャーは。ストレートに現代社会批判をするわけにいかないから特撮ヒーロー番組の皮を被っているに過ぎないのだ。子供が気が付かなくても大きなお友達は気づいているという。
現代社会にヒーローはいそうにない(いても力がない)が、子供番組にはヒーローがいるので、最後には悪人の野心が打ち砕かれ、悲鳴を上げる人々は救われるのだろう。残り4回、正義のヒーローが大逆転する展開になるはず。せめて子供番組ぐらいは悲鳴を上げる人が救われて欲しい。