乗り越えるにはつらすぎる『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
※この記事は前ブログの過去記事(2017/6/14)の再録です
第89回アカデミー賞の主演男優賞(ケイシー・アフレック)と脚本賞(ケネス・ロナーガン)を受賞した作品。『ラ・ラ・ランド』でも『ムーンライト』でもなく『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が主演男優と脚本を受賞してるという辺りがこの映画の真価といえる。
ボストンで便利屋を営むリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は腕は確かだが、寡黙で喧嘩っ早く、バーでガンをつけたのどうだので暴れるような人間なので周囲に友人が一人もいない。ある日、リーの元に兄のジョー(カイル・チャンドラー)が発作で倒れたと連絡がくる。急いで故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シー(マサチューセッツにある港町で、街の名前がタイトルになっている。撮影も実際のマンチェスター・バイ・ザ・シーで行われた)に戻ったリーだが、一足遅く兄は亡くなっていた。
兄には16歳のパトリック(ルーカス・ヘッジス)という息子がおり、パトリックの将来をどうするか話し合いが行われる。兄の残した遺言にはリーを後見人にすると書かれていた。ジョーの弁護士は早速リーの引越手続きをしようとするが、リーは頑なにそれを拒む。リーには故郷の街にどうしても戻れない理由があった…
この映画、ネタバレが恐ろしくこれ以上のことが何も話せない!紹介する人たちがものすごく苦労していたよ。「リーはなぜ故郷の街を離れたのか、なぜ帰ってくることが出来ないのか」がテーマなのだがそれが言えない。リーは過去にある事件を起こして、自ら命を絶とうとするほど悔やむものの、周囲の人間は彼を責めない。「君は悪くない」「あれは避けようのない事故だったんだ」と言われれば言われるほどリーは追い詰められて故郷には居られなくなってしまう。
映画の中では過去に幸せな暮らしを送っているリーと、現代の過去を悔やみ続けているリーとが交互に映し出される。過去と現代のリーはほとんど別人のような顔をしていて、ケイシー・アフレックが主演男優賞を取るのも頷ける。今まで兄貴のベン・アフレックのおこぼれで仕事をしているぐらいしか記憶になく、「ベン・アフレックの弟」という仕事をしている人なんだと思ってたけど、こんな演技ができるんだなと呆気に取られた。
一人の男がつらい過去を乗り越えることができるかという問にリーの「乗り越えるには、つらすぎる」という返答が見終わった後も引きずるように心の奥に残る。安易な癒やしを与えようとしなかったケネス・ロナーガンの英断よ!
今が愚行
※この記事は前ブログの過去記事(2017/6/11)の再録です
未成年への淫行疑惑で無期限休養となった小出恵介。今までの爽やかなイメージも一瞬で吹っ飛び、「前からあんなやつだった」などという関係者(誰だよ)の意見も聞かれ、あっという間に手のひら返されちゃってまあ大変。放送予定のドラマも飛んでしまい、その影響で出演した映画も上映中止に、しかし…
小出恵介出演映画「愚行録」上映中止 代替上映作決まらず困惑の劇場も
https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20170609077.html
『愚行録』って2月に上映してた映画で、今は地方での上映が始まってるんだけど、そんなものまで上映中止扱いになるのか…相変わらずの過剰反応。
この映画での小出恵介は出世のために他人を利用して、女もやり捨てしてなんとも思わないという最低の男を演じてましたが、やった女へのタクシー代をケチるというこすっからい本性が暴かれた今、色んな味わいがあって面白く見られる映画なんですけどねー。
上映中止反対!被害者女性はこの映画を見ておくべきだった!
あと小出恵介が出演して、橋本環奈ちゃんが主演した『ハルチカ』のソフトがもうすぐ出ますけど、延期だけはご勘弁。
パワーレンジャーに続きます『プロジェクト・アルマナック』
※この記事は前ブログの過去記事(2017/6/7)の再録です
MIT入学を狙う貧乏学生のデヴィット(ジョニー・ウェストン)は見事入学を決めるが、奨学金が満額出なかったために自宅を売却しなければならなくなる。なんとか奨学金を得ようとするデヴィットは亡父の地下室から設計図を見つける。電力会社に勤めていた父が残したものは、時間転移装置、タイムマシンの設計図だった…
『プロジェクト・アルマナック』はデヴィットら5人の学生が作ったタイムマシンを最初は他愛もない目的のために使うのだが、バタフライ・エフェクトによって未来が少しずつ変えられてしまい、とんでもない事態を引き起こしてしまうという内容だ。映像は彼らが撮影したビデオというファウンド・フッテージ方式で、あらゆる意味で『クロニクル』(12)に似ている。本作は当初『ウェルカム・トゥ・イエスタディ』というタイトルで作られていたが、製作・配給したプラチナム・デューンズ(マイケル・ベイらが中心となって設立したホラー専門の映画会社)が出来の良さにタイトルを変更してそこそこの規模で公開するに至ったというもの。『クロニクル』の大ヒットが影響を及ぼしたのは間違いない。
デヴィットと彼の同級生クイン(サム・ラーナー)、アダム(アレン・エヴァンジェリスタ)、デヴィットの妹クリス(ヴァージニア・ガードナー)はタイムマシンを作り上げるが実験はなかなか成功しない。しかし父の残したビデオカメラには10年前、7歳のデヴィットの誕生会の映像があり、そこに17歳の自分が写っていることを見たデヴィットはタイムマシンの完成を信じる。デヴィットが片思いするジェシー(ソフィア・ブラック=デリア)の自動車のバッテリーを借用して見事実験は成功。実験中に飛び込んできたジェシーを仲間に加えて彼らはタイムマシンでテストのカンニングをしたり、嫌味な同級生に仕返ししたりと他愛もない遊びに夢中になる。
5人の約束事として実験は必ず5人でするという誓いを決める。タイムマシンを使って宝くじを当てたりして行動が次第にエスカレートするデヴィットたち。なぜか当選賞金が少額だったり、仕事を探していたはずのデヴィットの母親がすでに働いていたりと少しずつ状況が変化していることに気づかない(気付こうとしない)まま、デヴィットは夏フェスの会場にみんなを連れて行くためにタイムスリップ。
ネットオークションですでに終了したフェスのバックステージパスを安価で入手するなどの万全の仕込みでフェスに挑むデヴィットはこれ以上ない、最高の告白のチャンスを手に入れたのに異性に告白したことがないため、ジェシーへの告白を失敗してしまう!他人事とは思えません!
現在へ戻ってきてもジェシーとは気まずいまま。俺なにやってんだ…と悔やんでも悔やみきれないデヴィットはルールを破って一人で夏フェス会場に再度タイムスリップ。今度はバッチリ告白を決めて戻ってくる。するとタオル一枚の格好のジェシーが目の前に(展開早すぎ!)。タイムマシン最高!
しかし、この事がきっかけでデヴィットの周囲では知り合いが事故死するといった悲劇が起こってしまう。デヴィットはそれらを修正するためにまたひとりでタイムスリップをするが、ひとつの悲劇を消すとまた別の悲劇が…と堂々巡りに。ついには最愛のジェシーすら失ってしまう!
この後はタイムスリップものの王道のオチを迎えることに。それにしても理系少年(ナードってやつだな)たちの冴えなさときたら。デヴィットがどう見たって告白を待っているジェシーの態度に気づかないって「なにやってんだよ!」と声が出た!MITよりも女の子と付き合いたかったよ…という童貞少年の心の叫びに共感せずにはいられません。世界の破滅とか人の死を救うとかよりもそっちの方が大事だもんな…
長編デビュー一作目とは思えない手堅い仕事をバッチリ決めたディーン・イズラライト監督はヨハネスブルグ出身の32歳という俊英で、この次が『パワーレンジャー』(17)という大出世。本作を見る限り、期待できるな。今度は女の子よりも世界の破滅を救う方を選んだイズラライト監督の明日はどっちだ。
ハピクロ公開収録レポ×あーりん、れに圧
※この記事は前ブログの過去記事(2017/6/3)の再録です
全国ツアー『青春』の前半最後の大阪・奈良ライブを控えた週末、ももクロがFMoh!の『ハピクロ』(毎週日曜放送)公開収録を港町リバープレイスで開催。平日夕方なので人数は千人ぐらいかな。前方座席は取れなかったものの、柵で区切ったエリアの見晴らしのいいところを確保して待機。強風の中時間通りに開催。
いつもの清野さん司会の元メンバー登場。放送日が父の日のためにももクロの父を代表して南国ピーナッツさん登場!目の前で『愛のメモリー』(例のももクロライブ用ではなく、本番用)を披露!生で初めて聴いて心震える。「南国さんは色が黒いのに肌が綺麗」というれにちゃんのツッコミ、傑作。
南国ピーナッツさんの後は『ウルトラゾーン』のアイキャッチイラストでおなじみのニイルセン。ももクロとはSUZUKI HUSTLERの『あーりんの妄想カーライフ』CMでのつながりで、ハピクロのステッカーをデザインしよう、という企画で登場。
ホワイトボードにフリーハンドでサラサラとCMと同じようにイラストを速攻で書き上げるニイルセン!その横で実況する清野さん!ペンを取り替える、という簡単な動作すら実況で沸かせる、さすがは箒が相手でも沸かせる男・清野!これぞ猪木の風車の理論か。
僕の立ってる位置からではどういう絵なのかまったく見えなかったので、ハピクロの公式にアップされるのをお待ち下さい…
つつがなくイベントは進行し、最後に挨拶して終了なんですが、前方の座席にいるお客さんに今日の感想を聞こう、という流れになり、家族連れにマイクを。小さい子があーりん推しらしいということで
「あーりん、っていって!」
と佐々木プロがいつもの圧で要求するのだが、その子が恥ずかしがってあーりんと言えず。
「なんでー!さっきはめっちゃあーりん!って言ってたじゃーん!」
とご不満のあーりん。それを受けて次にマイク向けられた男の子が叫ぶように「あーりん!」と音割れる勢いで言ったところ、素早くその子の前にかけつけて
「はーいあーりんだよぉー」
とアピールするあーりん、さすがの大天使ぶり。この流れが悔しかったのか、れにちゃんが紫推しにマイクを向けさせ今日の感想を聞くと生まれたての子鹿みたいな声でその人が「れにちゃんが可愛かったです…」に場内盛り上がるが、清野さんが「あーりん以上にれにちゃんの圧がキツイ」とw最終的に「一番かわいいのはれにちゃん」とまで言わせて何この圧力w
終了後はニイルセンデザインの痛ーりん車を見て帰宅。明日は岸和田でももクロライブです。
86歳の監督による死体ギャグ『家族はつらいよ2』
※この記事は前ブログの過去記事(2017/6/2)の再録です
2016年に公開された『家族はつらいよ』の続編。『家族はつらいよ』は2013年にリメイクされた『東京家族』とまったく同じキャストで撮られており、最近同じ役者とばかり仕事をしている山田洋次監督、新しい人材と仕事をするのが面倒になったのかと思いきや、85歳にしてもっともタブーな笑いにチャレンジ!
前回で熟年離婚の危機を家族の結束で脱した平田家には新たな問題が起ころうとしていた。父親の周蔵(橋爪功)の運転する車が傷だらけになっているのを見た長男夫婦、幸之助(西村雅彦)と史枝(夏川結衣)は周蔵から運転免許を返納させようとするが、頑固な周蔵が素直に言うことを聞くはずもないので、長女・成子(中嶋朋子)に頼むが、成子も説得を嫌がって次男・庄太(妻夫木聡)の彼女・憲子を周蔵が気に入っているので押し付けようとする。このなすりつけ合いを悟った周蔵は態度を頑なにした上に新車を買おうと言い出すのだった。
相変わらず頑固な周蔵に頭を悩ませる平田家の面々。そんな家族の苦悩を知らない周蔵は行きつけの小料理屋の女将・かよ(相変わらず小料理屋の女将が似合う風吹ジュン)を誘ってドライブに行った途端ダンプカーに追突してしまう。言わんこっちゃない…
その際、周蔵は偶然に高校時代の友人・沼田(小林稔侍)と再会する。呉服屋の跡取り息子だった沼田が今は工事現場の警備員をしているのを見て何があったのかと緊急の同窓会を開く。呉服屋は倒産、学年のマドンナだった女生徒と結婚するも破綻、子供とは合わせてももらえない…という現状を聞いた周蔵はかよの店だけでは飽き足らず、自宅にまで連れ帰って朝まで飲もうと言い出す。翌日の平田家には「運転免許を返納させるための家族会」のため全員が集まってくるのだが、庄太がベッドでつめたくなっている沼田を発見、二日酔いの周蔵には何がなんだかわからない…
このあと突然死した沼田をネタにした凶悪なギャグが釣瓶撃ちに。取調にした警察に平田家全員に殺害容疑がかけられたり、死体を二階から下ろそうとして転がしてしまい、うな重の出前に来た兄ちゃん(徳永ゆうき)がそれを見てびっくり、家から「死体だー!」と飛び出すのを見てご近所が大騒ぎになったり、葬儀の場では遺体に三角頭巾をかけるよう渡された西村雅彦が焦って自分の頭に頭巾を巻いたり(こんなベタなギャグで笑わせられるとは…)、棺に蓋をするため釘を打とうとするけど上手くいかなくて何度も繰り返したり、故人の好きなものを中に入れようとして…ここの部分は言葉に出来ない(笑)
ドリフ大爆笑の往年のギャグ、仏さんの好きなものを入れようといってそばやところてん、カレーをぶちまける「人とのお別れ」を彷彿とさせる「死体ギャグ」に腹が捩れる。


