ジェーン・チャイルドは1967年、カナダのトロントで生まれます。
父は世界的バイオリニストで、映画音楽やテレビ音楽も手掛け、母は声楽家兼ピアニスト兼作曲家で、ジェーン自身も中学生にしてピアノ教師をしていたと言うほどの英才教育を受けて育ちました。
家でロックを聴く事は許されていなかった為、その反発のせいか、デビュー当時の姿は、
耳のピアスから鼻のピアスに連なったゴールドのチェーン
くるぶしまで伸びた長い髪を細かく編み込み、トサカのようなヘアスタイル
サリーのようなルーズなドレス
といったとても異色で個性的なものでした。
そんな姿とは裏腹に、1989年のデビューアルバム『Don't Wanna Fall In Love』で圧倒的な「音」と「曲」で音楽業界に衝撃を与えます。
しかも曲から音作りまで全てセルフプロデュースで行い、その当時は
「女性版プリンス」とも呼ばれました。
一方ジェーンには変わり者の一面もあり、インド文化に傾倒し
「わたしは仏像と会話ができるし、空気の流れを読み取ることができる」
と公言したり、日本に来日した際に般若心経をとても気に入り、2枚目のアルバムの
「サラスヴァティ」という曲にサンプリングとして般若心経を使っています。
そんな自分のなかから沸いてきた音楽のイメージを決して変えようとはしなかったことから、彼女の作り出す曲はボーダーレスで、ロック、R&B、ダンス・チューン、深いメディテーション系の曲などバラエティ豊かとなっています。
しかしジェーンの音楽に対する姿勢は、ビジネスを優先するポップ・フィールドでは長続きするはずもなく、
その後ヒットに恵まれず、デビュー曲の鮮烈なヒットの印象を残してポップ・フィールドから消えていってしまいました。
今日紹介した「Don't Wanna Fall In Love」はデビューアルバムからの1stシングルで
全米シングル・チャートで2位を記録、一躍注目の的となり1989年を代表するヒット曲となりました。
【お送りした曲】
Don't Wanna Fall In Love / Jane Child
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