調査報告書の感想その2(2024/6/13) | さとう社会問題研究所・心理コンサルティングのブログ

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調査報告書の感想その2(2024/6/13)

 

みなさん、ごきげんよう。

 

今回は前記事でも触れていた「大阪府泉南市・中1いじめ自殺」の調査報告についてです。

 

泉南市中学生自死の重大事態の調査に係る報告書(要約版)

 

今回も、こちらについて、わたくしの見解を簡単に述べたいと思います。

 

依頼を受けた事案ではないため、詳細な分析ではない事はご了承ください。

 

なので、ここから先は「さとう社会・心理研究所」の視点になります。

 

専門的な観点からの詳細な説明は有料メルマガでお話ししておりました。

 

前記事でもご紹介のマイクラ配信でもうろ覚えながらお話ししております。

 

相談等をご検討の方には参考にして頂ければと思います。

 

今回は調査報告書9頁、平成30年度4月分から、読んだ順番で気になった点について述べていくと、

 

前年度の教員Fの暴言に起因する問題が学校側の対応の問題として発展、複雑化し始めております。

 

兄は前年度の教員Fとの問題は解決しておらず、加害者との分離を求め訴えていた。

 

これに対し、教員Fは「(私の授業に)何で来ないの?」と言っていたとあり、

「加害者は先行行為を忘れて被害者面をする」という典型的な加害者行動をとっていたとあります。

 

そして、学校側も対応をとらなかったとあり、既に終わった件として揉み消しに舵を切っております。

 

学校側には兄の心理的被害を理解できず、寄り添う事が出来なかった事が分かります。

 

この点はマイクラ配信でも詳細に述べております。

 

 

5月から亡くなった松波翔さん、報告書では「当該児童」についての記述がメインとなっていきます。

 

翔さんは兄の認識違いをからかわれた事を機に学校への拒否感を示すようになり、

兄の訴えを機に行われた家庭訪問では兄の同級生である6年生からの暴言を浴びせられた事を訴えるようになった。

 

6月にはケガもしているが、加害児童を明示することは最期まで無かった様です。

 

翔さんは8月に泉南市人権推進課に電話しているが、兄と教員Fとの和解も希望しており、

これはDVや機能不全家族でも一般的にみられる傾向です。

 

9月以降、翔さんと兄は共に学校内でトラブルの記述があるが、

これらのトラブルの原因や他の生徒との比較に関する記述がなく、兄弟の学校内での立場が明らかになっていない。

 

平成31年になると、母親の行動化に関する記述が顕れる。

 

これは先週のマイクラ配信でも触れていた事だが、ストレス反応であると考えている。

 

この調査報告をお読みになった方が、母親の態度に疑問を持つ懸念があるため、ここでも簡単な説明をしておく。

 

社会問題の当事者、加害者被害者を問わず、特に理不尽な目に遭わされているには一般的にみられるもの。

 

他者から見ると暴力的で要求的になっており、異常に見え、加害者こそ被害者の様に捉えてしまう。

 

研究所の「加害者には常に支持者が付き従う」という指摘の一つでもある。

 

ただ、当事者の行動化は群がる周囲からの中途半端な関心とその後の無関心によっても激化するもので、

たとえば、韓国のセウォル号事件の被害者遺族や将棋の元プロ棋士による事件などが例に挙げられる。

 

心理的なフォローがないまま、社会問題やそれに群がる周囲の関心、無関心に振り回される事は理解を失うリスクが高い事を知っておいていただきたい。

 

本来的にはカウンセラーなどの支援を必要とする状態にあるが、

ご自分の精神状態を認める事は難しく、わたくしの方でも支援に至る事は少ない。

 

さて、母親は、この時点で学校が教員F以降の問題に対しまったく対応していないにもかかわらず、

祖父に対し給食代の取り立てを行った事を抗議している。

 

給食代の債権としての性質は分からなくもないのだが、

信頼関係が破たんしている中での金銭の請求は、ますますの不信につながったものと考えられる。

 

そして、既に翔さんは学校生活を送れない状態になっている事をうかがわせる記述があり、

この時点で、学校側には最低でも翔さんを転校させる判断が必要であった。

 

4月の翔さんが訴えた背部痛は、こちらも高度のストレス状態によるものである可能性がある。

 

ストレス状態、緊張状態で無意識的に常に力が入り筋肉が痛むと説明すれば分かり易いと思う。

 

5月以降、翔さんは警察に通報し、訴えが教師からの体罰になっている。

 

この体罰に関する詳細な記述がないが、翔さんが学校に対しとても強く恐怖している事。

 

そして、何度も逃げ出している記述と、教員がそれを許さず連れ戻そうとしていたという事は間違いないと思われる。

 

4月に異動したばかりで事情を知らない教員Iは毎朝家庭訪問をし、登校を促していたものの、

3学期になると、それも叶わなくなっている。

 

翔さんの学校に対する恐怖心、拒否感は極めて高いものであり、仮に、教員Iが事情を知らなかったとしても、

翔さんを本当に見ていたならば、登校の働きかけが危険である事は理解できたと思われる。

 

しかしながら、学校側は翔さんの心理的危機を知りながら、あくまで学校と言う自分たちの立場に甘え続けていた。

 

これは親と言う立場を振りかざし子供を殺す機能不全家族や、

被害者を逃げられない状態に追い込み殺害するイジメの在り様と極めて類似の権力構造であったと思われる。

 

 

簡単ながら、平成30年、平成31年度の指摘となります。

 

これだけで1800文字になっておりますね。

 

経緯については28頁までありますので、ここから先は別稿、

有料メルマガやマイクラ配信などでお話しできればと考えております。

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では、今回もこの辺で。

 

 

さとう院さとう(さとう社会研究所・さとう心理コンサルティング