柘植駅【三重県】(関西本線、草津線。2021年、2023年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県伊賀市北東端、山あいの農村地帯に位置する関西本線と草津線の接続駅で、旧・伊賀町の代表駅だった駅、そして難読駅名として有名で、「たくしょくえき」と読み間違えてしまいそうな、
柘植駅 (つげえき。Tsuge Station) です。  
海抜243mです。
  
  
駅名  
柘植駅 (駅番号なし) 
 
所在地  
三重県伊賀市 (旧・阿山郡伊賀町)    
 
乗車可能路線  
JR西日本:関西本線草津線    
 
隣の駅  
関西本線  
亀山方・名古屋方……加太駅  
加茂方・JR難波方……新堂駅    
  
草津線  
草津方…………………油日駅 (滋賀県)   
  
訪問・撮影時  
2021年8月、2023年9月    
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1890年開業)。
駅舎………………西側に木造平屋建ての駅舎あり。
出入口……………西側のみ。東からは約270m南(亀山方)の踏切を渡って西側へ。
バリアフリー……×(駅外~駅舎内~1番のりばまで段差なし。但し1番のりばに発着する
          関西本線列車(キハ1120形)はステップ付きで非対応)。
点字ブロック……駅舎内~各ホーム間に設置。
駅前広場…………△(駅舎横はコインパーキングとして利用。
          駅舎前道路にバス停留所、タクシー乗り場が設けられています)。
 
 



駅舎です。上写真は南東を、中写真とした写真は東を望む。
相当古い木造駅舎ですが、建物資産標が確認できなかったため、いつから使用されているか不明です。
駅出入口に段差はありません。出入口横には郵便ポストと電話ボックスがあります。
駅前広場はありませんが、駅舎左手のスペースはコインパーキングに転用されています。
また、バス停留所とタクシー乗り場は駅前を左右方向に延びる道路の手前側に設けられています。
 
 

駅前です。西を望む。
正面にバス停留所があり、右手にタクシー乗り場があります。
 
 

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駅前です。上写真は駅舎前より北を、下写真は上写真前方の県道50号線左カーブ地点より左(西)を望む。
駅周辺は住宅がまばらで、市街地は形成されていません。
かつては旅館もあったそうですが駅前に商店は少ないです。駅前にある喫茶店「中村屋」はかつて柘植駅の駅弁を製造・販売していました。
駅の約400m西にはニュータウン用地が造成されていますが、民家の数が少なく歯抜け状態になってしまっています。柘植は名古屋・京都・大阪、三つの大都市のほぼ中間点にあるのですが、いずれも距離があり、直通列車があるのは草津線経由の京都のみなので、鉄道の利便性はあまり高くないかもしれません…。
 
一方、駅裏の東側は民家が少なく、山あいに田園風景が広がっています。鈴鹿山脈も近くまで迫っています。
 
 

駅前です。南を望む。左手に駅舎があります。右手の三角屋根の建物は「中村屋」です。
奥に延びる駅前通り(県道50号線)を600mほど南下すると旧大和街道と交差します。
柘植の旧来からの町並みは、大和街道に沿って西へ延びています。
また旧・大和街道との交差点からさらに400mほど南へ進むと、名阪国道(国道25号線。通行料無料の自動車専用道路)の伊賀インターチェンジに到達します。
名阪国道をくぐって左手には「伊賀ドライブイン」があり、徒歩でも利用可能です。また、名阪国道の手前で右折し、約500m先で左折して名阪国道をくぐった場所(名阪国道下り線大阪方面)にある「道の駅いが」も徒歩利用可能です。尚、「道の駅いが」の西側、上り線名古屋方面にある「伊賀サービスエリア」は多分徒歩では利用できませんのでご注意下さい。
 
 


改札口です。東方向を望む。
 
駅員配置………あり(簡易委託駅。月~土の7:00~16:00以外は無人。
          無人時に対応のインターホンを改札外のみに設置)。
自動改札機……△(簡易ICOCA改札機のみを設置)。ICカード以外は駅員へ提示を。
         但し、駅員不在時は無人駅と同じ扱いで、そのまま入場可能です。
ICカード………利用可能(『ICOCA』エリア内。
             但し、定期券を除き亀山駅をまたいでJR東海エリアへは利用不可)。
幅広通路………あり(左側通路。普段は閉鎖されているので駅員に申し出て下さい)。
有人通路………右側通路(普段はこの通路のみ利用可能)。点字ブロック設置。
窓口……………あり(改札窓口、出札窓口。定期券も購入可能)。
自動券売機……なし(きっぷは窓口でお求め下さい。ICチャージも窓口へ)。
自動精算機……なし(乗り越し、ICチャージは窓口へ。無人時間帯は車内精算になります)。
トイレ…………改札内1番のりば(多機能トイレなし)。 
改札外設備……待合室(空調なし。図書が置かれています)、飲料自動販売機。  
売店……………なし。  
コンビニ………なし。
 
改札口の先は関西本線下り加茂・JR難波方面1番のりばで、ここまでは段差なしで移動可能です。
1番のりばを左へ進むと跨線橋があり、関西本線上り亀山・名古屋方面2番のりばと草津線下り草津方面3番のりばとを結んでいますが、この跨線橋には階段しかないため、柘植駅はバリアフリー非対応です。車いすで柘植駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
また、1番のりば左手の跨線橋前にはトイレがあります。多機能トイレはありません。
 
 

跨線橋には「柘植のホント!かるた」ボードが掲げられていて、郷土の名所や松尾芭蕉などを紹介しています。
(Wikipediaの本文を引用)  
 
 

1番のりばに設置されている関西本線の建植式駅名標です。非電照式です。
下部は関西本線(亀山~加茂)のラインカラーであるパープルが表示されています。
尚、関西本線非電化区間に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

1番のりばに設置されている関西本線の壁掛式駅名標です。非電照式です。
こちらは下部が関西本線のパープルではなく、JR西日本のコーポレートカラーである青色になっています。
 
 


3番のりばに設置されている、草津線の駅名標です。
上写真は建植式、下写真は吊下式で、いずれも非電照式です。
下部は草津線のラインカラーであるピクルス色が表示されています。
尚、草津線も駅ナンバリングは非導入です。






駅構造……地平駅(南南東~北北西方向)。奥の天王寺方は若干カーブを描いています。
配線………単式ホーム・島式ホーム各1面、計2面3線プラス留置線多数。
 
右(西)の単式ホームは1番のりばで関西本線下り加茂・JR難波方面です。
左(東)の島式ホームは右側が2番のりばで関西本線上り亀山・名古屋方面(関西本線下り列車や草津線列車の一部も発着)、左側が3番のりばで草津線下り草津方面です(関西本線上り列車の一部も発着)。
1番のりばと2番のりばの間には中線がありますが、ほぼほぼ使用されていないようです。
3番のりばの左には留置線が計4線あります。
 
ホーム有効長……1番・3番は8両分、3番は10両分。但し1番は両端が立入禁止。
ホームドア………なし(2021年11月時点)。
ホーム幅…………1番は標準レベルで2・3番は広いです。
        但し1番の両端と3番の名古屋方の端(奥側)は狭いです。
上屋(屋根)………いずれもJR難波方(手前側)の、1番は2.5両分、2・3番は3.5両分に設置。 
ホーム上設備……ベンチ(各ホーム)・冷暖房完備の待合室(2・3番のみ)。
ホーム上設備……トイレ(1番のりばのみ)。
 
1番のりば中ほどJR難波寄りに面して駅舎・改札口があり、その少しJR難波方に両ホームを結ぶ跨線橋(階段のみ)があります。
 
1枚目は到着直前の草津線列車より、2枚目は2番のりばより、3枚目は3番のりばより、4枚目は1番のりばより、いずれも関西本線・名古屋方、草津線・終端方を望む。
 
 



上写真は1番のりばより、中写真は2番のりばより、下写真は3番のりばより、いずれも関西本線・JR難波方、草津線・草津方を望む。
上屋も年季が入っています。大正期以前からのものが使用され続けているようです。
3番のりばのみ10両編成列車に対応すべくホームが終端方・名古屋方(手前側)へ延伸されていますが、現状、当駅に乗り入れる最長列車は草津線列車の8両編成と思われます。
3番のりばは手前の終端方・名古屋方がカーブしています。
 
 


また、1番のりばのJR難波方には、1890年(明治23年)の開業時に建てられた煉瓦積みの危険品庫(ランプ小屋)があります(Wikipediaの本文を引用)。
ランプ小屋の部分は立入禁止になっています。写真は2番のりばより撮影。
 
 


また、2・3番のりばには、伊賀上野駅へ行くには跨線橋を渡って1番のりばへ移動するよう促す伊賀忍者のイラストや人形があります。





上写真は1番のりばより、中写真は2番のりばより、下写真は3番のりばより、いずれも関西本線・名古屋方、草津線・終端方を望む。
左カーブになっており、留置線を含めた多くの線路が最終的に関西本線の単線(1線)に集約されます。
また、草津線と関西本線はレールが繋がっているため、直通運転は可能です。但し関西本線は非電化であるため、現在直通可能なのは気動車またはディーゼル機関車牽引の列車に限られます。
 
この先、左へカーブしながら山あいの農村風景の中を走りますが、東へ進路を変えると上り勾配で山間部に入ります。そして加太トンネルで山越えをして、旧伊賀国の伊賀市から旧伊勢国の亀山市に変わります。トンネルを出ると下り勾配でも山間部を走りますが、途中でスイッチバック式だった中在家信号場跡を通過します(痕跡が残っています)。その後は右手に農村集落を見下ろしながら撮影名所の大カーブで右へ曲がり、一時的に加太川の深い谷を越えて再び右手に田園や集落が見えてくると、加太駅へと至ります。
 
 


上写真は1番のりばより、下写真は3番のりばより。いずれも関西本線・JR難波方、草津線・草津方を望む。
すぐ先で線路が2線に集約されます。右側の留置線の延長上にはかつて機関車の車庫があり、転車台は現在も残っているそうです。
また、これより先は草津線が直進で関西本線が左へカーブする形ですが、これは草津線~亀山方面ルートの方が先に開業した名残です。
 
関西本線はこの先、大きく左へカーブして草津線と分かれ、やがて南西へ進路を変えて左に盆地の田園や集落を、右に山地や丘陵地を見てひたすら走ると右側に集落が出現し、新堂駅へと至ります。
 
一方、草津線はこの先、関西本線が左へ分かれると丘陵地の緑の中を北北西へ走り、いつの間にか滋賀県甲賀市に入ります。その後は田園と森林が入り交じったローカル風景の中を走り続け、やがて住宅地に入ると緩やかに左へカーブして油日駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2010年、2020年、2021年、2023年。          
 
関西本線から草津線が分岐する主要駅で、構内は広いです。簡易委託駅ですが、改札口できっぷを確認される事があります。駅前は駅の規模と反して閑散としており、建物自体が少ないですが、駅の利用客はそこそこ見られます。駅周辺には駐車場が多く、パークアンドライドでの利用が多いと思われます。
  
鉄路のみで  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。

       新幹線で名古屋まで。関西本線~亀山で加茂方面へ乗換。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       JR京都線~琵琶湖線の新快速に乗り、草津で草津線柘植行きに乗換。

       大和路線経由は時間を要します。
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし (最寄店舗は約1.2km南の伊賀ドライブイン内「デイリーヤマザキ」)    
飲食チェーン店・・・なし  
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、関西本線ならびに草津線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は柘植駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)