備中神代駅【岡山県】(伯備線、芸備線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
岡山県新見市西部、旧・神郷町の中心部に位置する伯備線と芸備線の分岐駅ですが、かなり前から無人駅で、乗降客も数えるほどしかいない、
備中神代駅 (びっちゅうこうじろえき。Bitchu-Kojiro Station) です。
 
尚、写真は2022年4月訪問時のものです。この後すぐに当時の駅舎(駅出入口・待合室・便所)が解体され、現在は待合室兼用の簡易駅舎へと改築され、便所も撤去されました。当記事では現在の駅舎の写真は掲載できていません。ご了承下さい。
 
  
駅名  
備中神代駅 (駅番号なし)  
  
所在地  
岡山県新見市 (旧・阿哲郡神郷町)  
  
乗車可能路線  
JR西日本:伯備線芸備線  
 
隣の駅   
伯備線  
倉敷方・岡山方…………布原駅 (芸備線列車のみ停車、伯備線列車の隣駅は新見駅)  
伯耆大山方・米子方……足立駅  
  
芸備線  
備後落合方・広島方……坂根駅  
  
訪問・撮影時  
2022年4月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1928年開業)。
駅舎………………1番ホームに面した北側に簡易駅舎がありますが、実質的に待合室です。
        2022年4月の訪問時は木造駅舎の門構えだけ残されており、

        駅舎跡に待合室がありました。
出入口……………北側のみ。南側一帯は西川河岸の湿地帯で、森林になっています。
バリアフリー……×(1番のりばまでは段差なく移動可能。

         跨線橋は階段のみで、2・3番のりばは非対応)。
点字ブロック……駅出入口~1番のりば~跨線橋~2・3番のりばに設置。
駅前広場…………○(バス停留所あり。ロータリー無。タクシー乗り場なし)。
 
 


2022年4月当時の駅出入口です。南西を望む。
かつては木造駅舎が鎮座していましたが2001年に解体され、当時は門構えだけが残されていました。
出入口前には丸ポストもあり、かろうじて昔の面影を残していましたが、残念ながらこの出入口も2022年8月頃に解体され、現在は待合室主体のありふれた簡易駅舎へと改築されました。
当時も出入口に段差はなく、1番のりばまではバリアフリー対応でしたが、この点は現在の駅舎も踏襲していて、出入口のホーム側から始まっていた点字ブロックは駅舎内を貫通して駅前広場方へ延伸され、現在はバリアフリー化がもう一歩進みました。しかし肝心の跨線橋が昔も今も階段しかなく、車いすに対してのバリアフリーは非対応です。車いすで備中神代駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
また、出入口の右側の小屋は1928年の駅開業時より使用されていた男女共用の汲取り式便所でしたが、こちらも2022年8月頃に解体され、今は備中神代駅にトイレがありません。今は列車内のトイレを使用するよう案内されています。ご注意下さい。
 
出入口の手前にはそこそこの広さの駅前広場があります。ロータリーはありませんが、バス停留所と屋根付きの無料駐輪場が設けられています。
左側の植え込みの付近には電話ボックスもあります。
 
 

駅前です。出入口より北東を望む。
左右方向に駅前道路(新見市道)が延びていて、沿道には住宅が立ち並んでいますが、数は少ないです。かつては商店や駅前旅館が存在していたかもしれません。
駅前道路や住宅の向こう側には山並みが迫っています。
旧・神郷町の中心部は左方向です。
 
 

駅前です。北西を望む。左手が駅出入口です。
奥に延びる駅前道路沿いには住宅が点在しています。道なりに直進すると西川を渡ってから伯備線の踏切を通過すると駅から300mほどで旧・神郷町の中心部に到達しますが、集落は形成されている者の商店は少ないです。
また、旧・神郷町の中心部の西側、駅から約700mの場所には中国自動車道の神郷パーキングエリアがあります。高速バスのバスストップも併設されていますが、現在ここに停車する便は存在せず、休止扱いになっています。
  
 

駅前です。南東を望む。右手が駅出入口です。
前方には駅前広場の植え込み(ロータリーではない)と駐輪場が写っています。
こちら側はすぐに住宅が途切れ、駅前道路(新見市道)は伯備線と並行して西川の渓谷(阿哲峡)に沿って山道を東へ進み、布原駅近くを経由して新見市街を目指します。
尚。この新見市道は幅員が狭い箇所だらけで、対向車が来るとすれ違いに難儀しますので、自動車で布原駅を訪問される場合は備中神代駅方、新見駅方、どちらからも要注意です。
 
 

こちらは駅裏の駅南側です。3番ホームより南西を望む。
南側は民家はおろか農地すら無く、駅裏を流れる西川の岸に荒れ地が広がっています。
また、手前には芸備線の0キロポストが写っています。
 
 

駅出入口よりホーム方を望む。南西を向いて撮影。
旧駅舎の門構えの内部はこんな感じでした。左手に待合室がありました。
右手には時刻表が掲示されています。
 
駅員配置………なし(国鉄時代の1971年より無人駅です)。
自動改札機……なし(そのまま列車に乗車して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。もしICエリア内から乗り越しの場合は

            全区間現金精算になります)。
窓口……………なし(現在の駅舎は無人駅前提で設計されています)。
自動券売機……なし(きっぷ不所持の場合は車内で整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
付帯設備………待合室(写真左)。
トイレ…………なし(2022年4月時点では存在していましたが解体・撤去されました)。
売店……………なし。  
コンビニ………なし(1km圏内に店舗はありません)。
 
この出入口部分を通り抜けると伯備線上下線列車(下りの一部を除く)が停車する1番のりばで、ここまでは段差なく移動可能です。
1番のりばに出て右へ曲がると跨線橋があり、伯備線下り列車の一部が停車する2番のりば、芸備線上下線列車が発着する3番のりばに通じていますが、跨線橋は屋根が付いているものの階段しかありませんので、バリアフリー非対応です。
車いすで備中神代駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
 
 


出入口部分にある待合室です。南東を望む。左が駅出入口、右が1番のりばです。
内部にはベンチがあります。空調はありません。
奥には窓口のような構造物がありますが、訪問時はこの窓口の向こう側に出入りする扉は存在しません。
この待合室は旧駅舎の一部をそのまま流用したと室内の掲示物に書かれていましたので、保存の意味合いで窓口構造物が残されていたかもしれません。
しかし、この待合室も2022年8月頃に解体されました。
 
 

2番ホームより駅出入口を望む。北東を向いて撮影。
出入口のホーム側には集札箱があります。
出入口の右手は待合室で、雨による腐食防止のためか、待合室は上屋の下に設置されています。
 
 

2番のりばに設置されている伯備線の建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
下部は伯備線のラインカラーである濃い緑色ではなくJR西日本のコーポレートカラーである青色になっています。
尚、倉敷方の実際の隣駅は布原駅なのですが、伯備線系統の列車は全て布原駅を通過するため、運行実態に合わせて倉敷方には「にいみ(新見駅)」と書かれています。
伯備線の当駅~伯耆大山間は駅ナンバリングが導入されていません。
 
 

3番のりばに設置されている芸備線の建植式駅名標です。
こちらも下部は芸備線のラインカラーである紫色ではなくJR西日本のコーポレートカラーである青色です。
ちなみに芸備線は、広島都市圏区間の狩留家~広島間を除き駅ナンバリングは導入されていません。
 
 



駅構造……地平駅(南東~北西方向)。
配線………単式ホーム・島式ホーム各1面、計2面3線。
 
1・2番のりばに伯備線列車が、3番のりばに芸備線列車が発着します。
したがって伯備線は2面2線、芸備線は1面1線で、芸備線列車同士の列車交換が不可能です。
左の単式ホーム(北)が1番のりば(伯備線上下副本線)で、上り倉敷方面の全列車と下り伯耆大山方面の大半の列車が発着します。
右の島式ホーム(南)は左が2番のりば(伯備線上下本線)で、特急『やくも』の上下列車や貨物列車が通過するほか、伯備線下り普通列車の一部が停車します(上り普通列車と行き違いを行う時限定)。
島式ホームの右が3番のりば(芸備線上下本線)で、芸備線系統の上下全列車(下り備後落合・広島方面、上り新見方面)が停車します。
また、1番のりばから見て、2・3番のりばは倉敷方(前方)にずれています。
そして、駅構内で芸備線が伯備線から離れていることから、2・3番ホームの手前側(伯耆大山方・広島方)は大きく開いています。
 
芸備線の起点は備中神代駅ですが、全ての列車が新見駅を始発・終着としています。
また、伯備線列車は大半が駅出入口に面した1番のりばの発着で、タイミングが合えば行き帰りとも跨線橋を渡らずに済みます。
 
ホーム有効長……7両分(1番と2番は20m車8両編成も発着可能)。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に広いですが、

        1番のりばの倉敷方(奥)と2番の伯耆大山方(手前側)は狭いです。
上屋(屋根)………1番のりばは中ほどの、2・3番は伯耆大山方の、いずれも約0.5両分に設置。 
ホーム上設備……待合室(2・3番のみ。ベンチ有)。1番は駅出入口部分の待合室を利用可能。
 
1番のりば中ほどの上屋部分に面して駅出入口と待合室があり、その手前の伯耆大山方に両ホームを結ぶ跨線橋があります。
 
上2枚は1番のりばより、下1枚は3番のりばより、いずれも伯備線・倉敷方、芸備線・終端方(新見方)を望む。
 
 



上写真と下写真は2番のりばより、中写真は3番のりばより、いずれも伯備線・伯耆大山方、芸備線・広島方を望む。
右から1番のりば~3番のりばの順です。
1番のりば右側の倉敷方(手前側)には貨物側線を転用したと思われる保線基地があります。その奥の終端部には貨物ホーム跡があります。
また、3番のりばの左側には1線分のスペースが見られますが、かつてはここに芸備線の側線があったかもしれません。
 
 

貨物ホーム跡です。倉敷方を望む。右手が1番のりば、左が駅前広場、後方が駅出入口です。
保線用側線に転用された線路が1本あり、手前側には車止めがあります。
左側のホームを利用して積込、荷卸しをしていたと思われます。
線路の右側は断面に傾斜があり、ホームではなさそうです。
 
 


上写真は1番のりばより、下写真は2番のりばより、いずれも伯備線・倉敷方、芸備線・終端方(新見方)を望む。
1番のりばの左には保線用側線があり、ホーム端の先で1番線に合流します。
また、備中神代駅は伯備線上下本線の2番線が一線スルー構造となっていて、前方で伯備線上下副本線の1番線と芸備線の3番線が2番線に合流します。
 
この先、すぐにトンネルに入り、西川の渓谷(阿哲峡)に沿って山間部をカーブの連続で東へ走ります。途中、阿哲峡の景色を眺めることができます。3回西川を渡るとやがて周囲が少し開けてきて、布原駅へと至りますが、布原駅は伯備線の駅であるにもかかわらず伯備線列車の停車は皆無で、芸備線からの乗り入れ列車のみが停車します。そのため、停車列車は非常に少ないです。伯備線列車はもう1駅先の新見駅までノンストップです。
 
 


2番のりばより伯備線・伯耆大山方を望む。
ホーム端の近くに跨線橋があり、1番のりばや駅出入口に通じています。
ここから伯備線は右へ、芸備線は左へ、それぞれ大きなカーブを描いて分岐します。
 
まずは伯備線(右2線)を見ていきます。離れた位置にある左の1線は芸備線です。
伯備線は新見駅の1駅南にある石蟹駅から伯耆大山駅まで、単線区間が続きます。
この先、西川を渡ると大きく右へカーブして、中国自動車道をくぐって国道182号線と並走して北上しますが、トンネルをくぐると国道182号と別れ、以後は西川の渓谷に沿って深い谷の中を北上していきます。カーブが多く、振子構造の車両を使用する特急『やくも』は性能をフルに生かして走行します。そして何度も西川を渡って北上を続けると、やがて足立駅(あしだちえき)へと至ります。駅前には民家が見られませんが、離れた北側に集落があります。
 
 


3番のりばより芸備線・広島方を望む。
芸備線は駅構内で左カーブが始まるため、ホームの広島方は幅が広くなっており、最終的には伯備線の2番のりばと分かれてしまっています。
 
芸備線はこの先、西川を渡ってからも左カーブが続き、旧・神郷町の中心部の集落を通って進路を南に変えます。その後は国道182号や中国道と並走状態で西川の支流である神代川のやや広い谷を南西へ走ります。谷には集落や田園地帯が形成されています。しばらく南西へ進み、谷が狭くなって右から中国道の築堤が迫ってくると坂根駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・ありません (自動車で訪問しました)          
 
2面3線の駅ですが、北側の2線が伯備線専用、南側の1線が芸備線専用です。訪問時は北側に門構えだけ残された駅舎がありましたが、現在は簡易駅舎へと改築されています。駅前は住宅が少ないですが、やや西に離れた一帯は旧・神郷町の中心部で、集落が形成されています。まぁ駅前は人通りもほとんどなく、閑散としています。
  
鉄路のみで  
東京からですと東海道・山陽新幹線で岡山駅まで行き、伯備線特急『やくも』または普通列車で新見駅へ。さらに米子方面の普通列車または芸備線列車に乗り継げば到達できます。新見~備中神代間は列車本数が少ないので注意が必要です。若干タイトな日程になりますが日帰り訪問可能です(最大滞在時間:2023年時点で7時間弱)。
一方、大阪からですと新大阪駅から山陽新幹線で岡山駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。東京からより移動距離が少ないものの、新見から先の列車本数が少なすぎるため、日帰りでの滞在時間は9時間40分ほどになってしまいます(但し、追加運賃・料金が発生しますが、特急で生山駅まで行って普通列車で新見方面へ戻れば当駅滞在時間が1時間少々増えます)。
(飛行機でのアクセスは考慮していません) 
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし     
飲食チェーン店・・・なし  
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、伯備線および芸備線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は備中神代駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)